どうもハルトです。みなさん今日も楽しい自転車ライフを送っていますか?
ここは往復30kmの通勤バイク生活をすることになった筆者が、晴れの日はロードバイク、雨の日はママチャリと自転車を使い分けて、自転車操業の毎日をひいこら乗り越えていくというページです。
× × × × × ×
このブログの作者の書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』のご紹介
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードをガチンコで競うようになるところまでを描いた自転車エッセイ集です。
※書籍の内容
●スピードこそロードバイクのレーゾンデートル
●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。体重ライディング理論。体重ペダリングのやり方
●アマチュアのロードバイク乗りの最高速度ってどれくらい?
●ロードバイクは屋外で保管できるのか?
●ロードバイクに名前をつける。
●アパートでローラー台トレーニングすることは可能か?
●ロードバイククラブの入り方。嫌われない新入部員の作法
●ロードバイク乗りが、クロストレーニングとしてマラソンを取り入れることのメリット・デメリット
●ロードバイクとマラソンの両立は可能か? サブスリーランナーはロードバイクに乗っても速いのか?
●スピードスケートの選手がロードバイクをトレーニングに取り入れる理由
初心者から上級者まで広く対象とした内容になっています。
× × × × × ×
ロードバイクとはフェティッシュなもの
自分の乗る愛車ロードバイクには、ひとかたならぬ愛着があります。
とくにン十万円もするようなカーボンフレームのバイクに乗っているような人は「高い買い物をしたんだから」と走った後の清掃、整備を欠かしません。
フレームは磨けば磨くほど愛着が湧きます。不思議なものです。
掃除のたびにロードバイクをよく見るようになります。ママチャリと違ってロードバイクはコンポーネントが剥き出しです。清掃のついでにコンポーネントを見れば見るほどロードバイクの仕組みに詳しくなります。
けっこう単純な構造です。それでいて奥が深いものです。
自動車ほど複雑な構造ではありません。自動車の内部はブラックボックスです。素人が簡単に理解できるような構造ではありません。
しかし自転車がどうして動くのかは「包丁がどうして切れるのか」ぐらいのレベルで理解することができます。
やがてパーツを買いそろえるようになります。自分に合うと思われるサドルに変え、ステムを変え、バーテープを貼りなおします。そして既製品とは違う自分だけのロードバイクが完成するのです。
こうなると愛車への愛着は加速していきます。
マイカーは磨かなくても、ロードバイクは磨くという人が存在します。
「車は室外保管で汚れるのは仕方ないけれど、バイクは室内保管だから……」というのは言い訳にすぎません。愛しているから磨くのです。
やがて自転車を壁にかけて飾る人まで出てきます。乗って楽しんでいるうちはまだいいのですが、整備して楽しむようになると完全に罹患しています。眺めて楽しむようになるともう病気です。
ロードバイクというのはフェティッシュな物体なのです。
※フェティッシュとは、性的な対象物。ただの物体ではなく、魂が宿ったかのような物神。祈りや願いのこもった崇拝の対象となる呪物のことをいいます。
【提案】ロードバイクに名前をつける
そんなに愛情があるのだったら、いっそロードバイクに名前をつけてみたらどうでしょうか?
自分の子供に名前をつけない人がいるでしょうか。
名前をつけるとさらにロードバイクを偏愛するようになります。
自分の恋人を愛称で呼ぶように、愛車ロードバイクに愛称をつけてみましょう。
命名するのは、愛情の問題です。ペットショップで高価だった血統犬も、近所からもらった雑種犬も、愛犬と呼べるかどうかは飼い主の愛情しだいであって、値段の問題ではありません。
愛犬には名前をつけるでしょう。対外的には「うちのイヌ」とか「うちのチワワ」とか呼んでも、家族の中では「ポチ」とか「タマ」とか名前があるに違いない。
愛するペットに名前があるように、ロードバイクに名前をつけてみましょう。すると奇跡が起きます。
名前をつけるのは愛情の問題。値段の問題ではない
ロードバイクに名前をつけるのは愛情の問題です。値段の問題ではありません。
もちろん高い機種ほど大事にしようという気持ちになりやすいのは確かですが、それだけではありません。
値段であればロードバイクよりも自動車の方がよほど高い買い物です。しかしあまりマイカーに名前をつけている人はいませんよね。普通は「うちのカローラ」とか「軽(自動車)」とか呼んでいるはずです。ただ「クルマ」と呼んでいる人が最も多いのではないでしょうか。
これがロードバイクだとフレームの製造メーカーで呼ぶのが最も一般的だと思います。例えば「コルちゃん(コルナゴ)」とか。「ちょっとビアンキで出かけてくるよ」「スペシャ(スペシャライズド)の掃除しなきゃ」など。フレームメーカーで呼ぶ人が多いと思います。
しかしロードバイク・クラブに所属すると、みんなが「ジャイアント」や「メリダ」に乗っています。
「おーい。そこのジャイアント!」なんて呼ばれたら、5、6人が一斉に振り向くことにもなりかねません。
愛機「スピットファイア」火を吐く戦闘機。撃墜するぜ!
こんなことを書くくらいですから、私は自分のロードバイクに名前をつけています。愛車の名前は「スピットファイア」といいます。
スーパーマリン・スピットファイアとは第二次世界大戦時のイギリス空軍の戦闘機の名前です。同時代に活躍した日本の零式戦闘機(ゼロ戦)のイギリス版みたいなものです。スピットファイアには「火を吐く」という意味があります。戦闘機は機銃掃射して敵機を撃墜するので「火を吐く」のです。ドイツの戦闘機メッサーシュミットを火を吐いて撃退したことから「救国戦闘機」とイギリスでは呼ばれています。
私のロードバイクのフレームは、アメリカ『MARIN』社製です。しかし「ただのマリンではない。スーパーなマリンなのだ」ということで「スーパーマリーン=スピットファイア」から名前をもらいました。
命名するということは、命を吹き込むということ
命名するということは命を吹き込むということです。するとどういう奇跡が起こるか? 敵機を次々と撃墜できるようになるんですね。スピットファイアの名前に恥じない戦果をあげることができるようになりました。私の通勤ロードバイクの戦績は全勝無敗です。
戦闘機の名前をもらったのは、われながらいいセンスだったなあと思います。
早朝、川の土手をスピットファイアで疾走していると、鳥たちが驚いて草むらから飛び立ちます。同じ方向に飛び立った鳥たちとは、スピードがほぼ変わらないから、同じ群れにいるかのように、しばし一緒に飛ぶことができるのです。まるで戦闘機が編隊飛行をするかのように。
こんなこともありました。鳥が走っている私のロードバイクの前を横切ろうとしたら、スピットファイアが鳥の予想よりも速すぎて横切りきることができず、衝突してしまいました。これなどはまさしく撃墜です。
わたしはランニングもやるのですが、ランニングでは鳥を撃墜するなんてことは考えられません。
自転車(ロードバイク)とランニングの両立は可能か? サブスリーランナーはロードレーサーに乗っても速いのか?
追い抜くことは撃墜するようなものです。ロードバイクに戦闘機の名前をつけたのはふさわしかったと思っています。
スピットファイアは旧式のプロペラ戦闘機です。最新鋭ジェット戦闘機ではありません。そういうところも含めてこの命名が気に入っています。
愛機MARINはアルミ製の通勤用「街乗りロード」です。カーボンフレームの「レーシングロードバイク」ではありません。
たとえばファントムとかトムキャットとかホーネットのようなジェット戦闘機の名前は「レーシングロード」が名乗るべきだと思います。
「街乗りロード」にはプロペラ戦闘機の名前がちょうどいいと気に入っています。
命名のヒント
ロードバイクは「戦闘機」に似ています。ロードバイクは速さを競うためのマシンです。それは戦闘機も同じです。遅い戦闘機は撃墜されるさだめです。
ロードバイクのレースは時に命がけです。骨折が日常レベルの怪我になるのがロードの世界です。命をあずけるマシンです。それも戦闘機と同じです。
自動車でも峠でドリフトしている公道レーサーは、もしかしたら愛車に名前をつけているかもしれません。それは自分の棺桶になるかもしれないマシンだから。
マイカーに名前をつけないのは、ただの移動のための道具だからでしょう。「ここで死ぬかもしれない」と思ってマイカーに乗る人はいないでしょう。ファミリーカーにネーミングは大げさすぎて似合わないのです。
もしあなたが私の意見にインスパイアされて、愛車ロードバイクに名前をつけてみようと思ったら、どんな名前がいいでしょうか。
やはり第一候補としては、戦闘機の名前をつけるように命名したらカッコイイんじゃないかと思います。愛車が戦闘機の名前だと気分的にもノッてきますよ。
だが、命名のヒントはそれだけではありません。
ツール・ド・フランスの常勝軍団チーム・スカイの使用機材はここ数年は「PINARELLO DOGMA」です。ドグマというのは宗教の教え、教義のことです。
速いもの、強いものだけが命名のヒントではありません。ドグマのような哲学的な命名もステキですよね。マントラとかニルヴァーナとか。
お気に入りの名前で、愛車ロードバイクに名前をつけて、魂を吹き込んであげましょう。
他の誰かに明かさなくてもいいのです。心の中でこっそりと命名することで、ロードバイクの世界がもっと楽しくなることうけあいます。