腰椎椎間板ヘルニアとは? 何が原因?
ここ一年ぐらい坐骨神経痛に悩んでいます。最有力な原因と思われる腰椎椎間板ヘルニアについて調べてみました。
椎間板ヘルニアというのは、背骨の椎骨と椎骨のあいだにあるクッションである椎間板の中身である髄核(アシックスのマラソンシューズのαゲルに相当するといったらわかりやすいでしょうか)が、椎間板の繊維輪が破れたことにより外に飛び出して、脊髄神経を圧迫することで坐骨神経痛を引き起こすという病気です。
脊髄の神経の炎症、圧迫、滑走性の阻害で日本では約120万人が苦しんでいるそうです。20~40の男性に多いのが特徴。老人はあまりヘルニアにはかかりません。老人がかかるのは主に「脊柱管狭窄症」です。
椎間板ヘルニアも脊柱管狭窄症の一部
椎間板ヘルニアも脊柱管狭窄症のひとつです。でも別扱いされることが多いようです。ヘルニアの特徴はみずみずしいゲルに相当する髄核が飛び出すことです。それに対して脊柱管狭窄症は椎間板、関節や、靭帯、骨そのものが脊髄・馬尾神経を圧迫する場合を差します。
老人は髄核から水分が失われているために、ゼリー状の柔らかい組織(髄核)が飛び出すことはあまりありません。老人はむしろ椎間板そのものが飛び出す脊椎の変形などで脊髄が圧迫されていることが多く、これを脊柱管狭窄症というのです。
椎間板ヘルニアのタイプには4種類あります(1.膨隆2.靭帯下脱出3.脱出4.遊離)
神経の炎症がおさまったり、脱出、遊離した髄核がマクロファージにより食べられて消失・縮小することにより、椎間板ヘルニア患者の8割以上の方が自然に改善していくそうです。まずは保存療法で経過観察しましょう。痛み、痺れがおさまったら、運動療法に切り替えます。
圧迫により神経が炎症を起こしているのが痛みの原因であることが多く、その場合は炎症がおさまるまで痛み止めなどを服用しながら炎症がおさまるのを経過観察します。これを保存療法といいます。圧迫、滑走性の阻害による痛み、痺れは運動で改善する可能性があります。これを運動療法といいます。
保存療法、運動療法が通用しなかった場合、本格的な治療を受けることになります。
治療法は大きく三種類。保存療法。運動療法。手術。
保存療法、運動療法でも、痛みがおさまらない場合には手術をして飛び出した髄核をこそげとるという方法があります。
椎間板ヘルニアの手術には、昔ながらの開放手術があります。私のランナーの先輩はこの手術によって痛みが消えたそうです。メスで患部を切って開いて目視により髄核を取り去ります。背中の皮膚の切開し、脊椎からヘルニアを摘出します。視野の確保のため、骨を削って行うこともあるそうです。
その他に、最新技術として内視鏡手術があります。
顕微鏡下椎間板摘出手術。傷跡3cmほど。1.5時間。再発率10%
内視鏡下椎間板摘出手術。傷跡1.5cmほど.1週間入院。
などの手術の種類があります。
手術費用は3割負担で30万円ほど。高額医療費制度により手術費用は取り返すことができます。高額医療費制度を利用する場合は、月単位での計算なので、月またぎにならないように注意してください。
解放手術。内視鏡手術。メド。ペド。
椎間板ヘルニアの内視鏡手術には、MEDメドとPEDペドがあります。その違いは、
PEDペドは傷口8mm 程度の細長い内視鏡を用いて行う手術。局所麻酔ですみます。
MEDメドは傷口20mm程度で短い内視鏡を用いて行う手術。全身麻酔で入院が必要です。
こう考えるとだんぜん古典的手術よりも内視鏡手術。メドよりもペドの方がいいということになりますね。でも新技術なので、施術を受けたい手術ほど対応している病院がすくなく、受けたくない手術ほど対応している病院が多いという残念な状況になっています。
手術に失敗し下半身不随になるようなことは少ないそうです。ほとんどの手術は成功するという意味です。そうはいっても合併症や感染症などのリスクがあるために、できれば保存療法で治ることが望ましいですね。
数か月でヘルニア(飛び出した部分)が自然に吸収されて消失、縮小して、50~80%は手術をしなくても痛みは改善するとされています。痛み止めをもらってまずは経過観察しましょう。
椎間板内酵素注入療法。注射により髄核を小さくする治療法
その他に椎間板内酵素注入療法というのがあります。髄核に注射で酵素を入れて、髄核を小さくすることでヘルニアを小さくするという療法です。治癒確率は7割の人に7割の傷みが減る効果があるぐらいということでした。費用は約5万円だそうです。
【実体験】わたしの坐骨神経痛。これまでの経過
2022年6月22日にこのブログで坐骨神経痛と梨状筋症候群についての記事をはじめて書きました。その一カ月ぐらい前から「違和感」を感じていました。要するに2022年5月ごろから「ちょっとお尻に違和感があるなあ」と感じていました。しかしその頃は「違和感がある」程度で「痛い」までは行っていませんでした。問題なく走ることができました。走っているときは痛くもなく、むしろ足の違和感も走れば消えているぐらいでした。いずれ治るだろうと思い、そのまま走り続けていました。
2022年9月25日に車中泊のYouTube動画をはじめてアップしています。いつもは厚いマットの上で過ごしているのですが、夏だったのでマットなし状態でした。硬い場所に胡坐をかいて後部座席で食事&読書をしていました。それで腰を痛めたことをおぼえています。
2023年2月2日。坐骨神経痛について2回目の記事をかいています。はっきりと症状が現れたからでしょう。2022年6月22日からこの日までは「違和感」程度で無視できる程度の症状でした。なにより走れたので問題とは感じていなかったのです。
お尻が痺れる症状、自分でわかる自己診断方法。坐骨神経痛か、梨状筋症候群か
半年以上もずっと違和感が消えていなかったということになります。梨状筋症候群かと自己診断した私は、フォームローラーを購入し、梨状筋のリリースに努めています。
2022年8月9日にそのことを記事にしています。
【フォームローラーの効果】寝るときに着替える派? 着替えない派?
3/21(火)。桜を見に行って、柵を飛び越えてジャンプ。右側に転倒する。
3/27(月)。ランニング。ラストスパートを掛けました。私はストライド走法なので腰に負担がかかるのです。
走りの技術。ヤジロベエ走法。腰椎の一点で上半身のバランスをとる走法
3/28(火)。雨の中、近くの図書館まで歩きました。この日は普通に歩けました。
3/29(水)。急激に足がしびれました。ランニングに出かけましたが、足がしびれて走れず。100mぐらい先の駅前までで諦め、歩いて家に引き返して病院を探しました。
3/30日(木)。右の親指まで痺れています。「違和感がある」レベルではなく「痛い」「痺れる」というレベルです。急激に症状が悪化しました。足を引きずりながら総合病院の整形外科へ通院。
痛み止めを飲みながら二週間。現在にいたります。
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「梨状筋症候群」ではなく「椎間板ヘルニア」かもしれない
ずっとわたしは自分の症状を「梨状筋症候群」なのかと思っていました。腰は痛くなかったからです。痺れは主にお尻でした。しかし1年ちかくたっても治らないどころか、非常にわるくなっていることを考えると、これは椎間板ヘルニアなのかもしれないと考えました。
レントゲン写真によると、仙骨の上の椎間板(腰椎のいちばん下)がかなり減っているということでした。これ以上はMRIを撮らないとわかりません、と診断されました。
腰はまったく痛くない
痺れて痛いのは右のお尻から右の太もも、右のふくらはぎの外側、そして足の指先です。とくに親指が痺れています。腰は全く痛くありません。
ヘルニアでは、腰痛になる人もいるのですが、坐骨神経痛だけで腰痛にならない人もいるそうです。
同病相憐れむ。椎間板ヘルニアになった有名人は?
調べたところ椎間板ヘルニアに苦しんでいる芸能人の人はたくさんいるみたいです。
有名なのはX-JAPANNのヨシキさん。ドラムをたたくときのヘッドバンギングが原因で頸椎椎間板ヘルニアになったそうです。さもありなん。
韓流ドラマの元祖ぺ・ヨンジュンさんもヘルニアで入院したというニュースを聞いたことがあります。
ほかにも出川鉄郎さん、和田アキ子さんなど、たくさんの人がヘルニアで苦しんでいるみたいです。
しかし椎間板ヘルニアといえば「この人」というような人がいます。その人の名前は長友佑都。日本を代表するサッカー選手ですね。
長友佑都。ヘルニア苦からの体幹トレーニング
椎間板ヘルニアだった長友さんが、体幹トレーニングによって病気を克服し、一流選手になったという話しはあまりにも有名です。長友さんの場合は腰椎分離症(疲労骨折)と、ヘルニアによって腰痛持ちだったところ、体幹トレーニングでそれらを撃退したということでした。ひとたび椎間板ヘルニアになってもアスリートとして活躍できるという、同病者に希望をあたえる存在です。
サニブラウン選手。ヘルニアでも、また走れるようになる。
同じランナーの希望の星は、短距離走者のサニブラウン選手。やはりヘルニアに苦しめられたそうです。歩くのもつらい状態から100メートル10秒ぐらいで走れるまで回復しました。同じ病気の人がアスリートとして復活できることを知ると、勇気が湧いてきますね。
ランニングよりもウォーキングの方がいい。
最終的には100メートル10秒まで持っていけるにしても、足が坐骨神経痛で痺れているうちはランニングよりも、ウォーキングがいいようです。ランニングは宙に浮きますが、ウォーキングは浮きません。腰へのダメージがぜんぜん違います。
書籍『市民ランナーという走り方(グランドスラム養成講座)』まえがき
生きがいともいえるランニングですが、わたしは再び走れるのでしょうか?
保存療法で、しばらく様子を見ようと思っています。きっと走れるようになると信じています。その日まではウォーキングで我慢しましょう。
わたしは「生きがい」は「この体を使って力いっぱい何かを成し遂げること」だと思っています。たとえ足が萎えても、肉体をあきらめることはありません。