走りの技術。ヤジロベエ走法

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どうもハルトです。みなさん今日も楽しく走っていますか?

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市民ランナーはピッチよりもストライドを意識すべきです

このブログでは「サブスリー養成講座」と称して、たくさんの走法、入力意識、速く走るための技術について解説してきました。他の人の言っていないこと、他の人が言葉にしていないこと、を講座の中では展開してきた自負があります。最大の特徴は「理想のフォームを追求するな。フォームは複数ある。その全部を使え」ということに尽きますが、他にも他のサブスリー攻略サイトとは違う特徴をいくつかあげることができます。「ピッチ走法ではなく、ストライド走法」を推奨していることもそのひとつといえるでしょう。

ほとんどの書籍化されたランニング本ではピッチ走法を推奨していることを私は知っています。超一流の元オリンピック選手や、彼女たちを育てた有名コーチが執筆している書物がピッチ走法を推奨しているのにも関わらず、なぜ市民ランナーのお前がストライド走法を勧めているのか、と思う方も多いと思います。

私もかつてはピッチ走法のランナーでした。そしてサブスリーを達成できないランナーでした。その時、世界陸上の川内優輝選手をテレビで観戦していて衝撃的なことに気がついたのです。それはこういうことでした。

「これは夢か? 川内よりも、おれの方がピッチが速い」

それがどんなに衝撃的な発見だったか、わかるでしょうか。最初はテレビ中継だと脚の動きがスローモーションになるのかと疑ったほどでした。それほど信じられなかったからです。

しかし長身189cmの長身、旭化成の堀端宏行選手などと比べると、完全に脚の回転(ピッチ)は自分の方が上だとわかりました。

実は、ピッチというのは子供でも大人でも、市民ランナーでもアスリートでも、さほど変わらないものなのです。180BPMぐらいが最適だとされています。1秒間に3歩のリズム感がマラソンには最適のピッチだと言われています。それは川内優輝でも、この稿を読んでいるあなたでも同じなのです。

でも川内は世界陸上クラス、あなたは市民ランナー。この違いは何なのでしょうか。

もうわかりましたよね。違うのはストライドなのです。あなたと川内優輝の決定的な違いはピッチではありません。ストライドが違うのです。

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腰の筋肉を弛めて、腸腰筋を力強く使うための走法・ヤジロベエ走法

元々、才能があって、凄いストライドで物凄く速いエリート選手ばかりを指導しているプロのコーチは、なんとかしてアフリカの黒人選手に勝つために、ピッチ走法(というより省エネ・効率走法)を指導する癖がついています。同じ土俵のストライドで勝負しては日本人選手は黒人選手にはかないません。そして黒人選手に勝てなければ金メダルを取れないからです。しかし市民ランナーはエリート選手とは違います。目標は黒人選手に勝つことではなく、自己ベストを更新することです。

弱小市民ランナーには「全然、ストライドのない人」がたくさんいます。プロのコーチはそういう市民ランナーにも「自分のエリート選手」と同じ指導をしてしまいます。だから「ピッチ」「ピッチ」と指導するのですが、これは間違っています。市民ランナーはエリート選手とは逆にストライドを伸ばすような練習をした方がいいです。

では、どのようにすればストライドは伸ばせるのでしょう。そもそもストライドとはどのようなものでしょうか。

ストライドとは、宙に浮いて滞空移動することであり、体重を減らすことが走力に決定的な影響をあたえます。

その上で、フワッとした浮遊感を感じて走りましょう。宙に浮く「快楽のランニング」です。

フワッと骨盤・腰椎を浮かせてみましょう。すると脚が軽くなるのがわかるでしょう。

オモチャの「ヤジロベエ」のように腰の一点で上半身を支えるようにします。上半身を腰椎にささえてもらうのです。体重は筋肉で支えるのではなく、骨に支えてもらいましょう。

これができるようになると、腹と背中の筋肉の力を抜くことができます。

とくに前傾姿勢を維持するために緊張しっぱなしで疲弊した腰と背中の筋肉をリラックスさせることは大きなメリットになります。

筋肉をリラックスさせることができるということは、その筋肉を使うことができるということです。

筋肉というのは主動筋と対抗筋が対になっています。対抗筋を固く緊張させたまま、主動筋だけを動かすというのは、負荷をかけたまま力を振るうことと同じで、効率的ではありません。

主動筋の腸腰筋(脊柱の前についている大腿骨を上げる筋肉)(お腹の筋肉)を動かすためには、対抗筋である脊柱起立筋がリラックスしていることが必要なのです。それができないと相互ピストン運動が力を相殺してしまいます。

脊柱前後の筋肉を動かしながら、上半身の重さは脊柱に支えてもらうため、感覚としては上半身はフワッと浮いたようになります。腰椎がバランスをとって、ヤジロベエのように上半身を支えているのです。

これがヤジロベエ走法です。背中の筋肉を休めて、腸腰筋を力強く使うための走法です。

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ストライドを稼ぐための走法・天秤走法

ヤジロベエ走法では、おへそから下は全部脚だという意識で走ります。ヤジロベエの支点となっている一点(腰椎)から下は、移動するための推進装置です。

では上半身は何のためについているのでしょうか。

上半身は酸素を取り込む肺のためにあります。風船を膨らませて浮かべるように、肺に空気をいっぱい取り込みます。

体重を支えているのは筋肉ではなく骨です。リラックスした腹と背中の筋肉で大腿骨を太鼓を叩くバチのように動かします。

ここで意識するのは「ストライドの極意・ハサミは両方に開かれる」です。不動の大地を踏みつけるのではなく、抵抗ゼロの空気を膝蹴りするようにして切り裂きます。

前に進むためにはアスファルトを蹴らなければ(押さなければ)ならないと思い込んでいる人がいると思いますが、そんなことはありません。ハサミは両方に開かれます。一方のハサミの刃が開くとき(膝蹴りの前脚)、もう一方のハサミの刃(体重を支えている後ろ足)も勝手に開かれます。だから前脚だけ意識しておけば大丈夫なのです。心配いりません。

「倒れる一本の棒・おっとっと走法」よりも「ハサミは両方に開かれる・天秤走法」を私が進化系と位置づけているのは、結局、背中の筋肉を緩めることができるか、につきます。

「おっとっと走法」には、骨盤・腰椎の浮遊感がありません。「おっとっと走法」では、ヤジロベエ走法のように一点バランスの上で浮いておらず、腰の筋肉は常に緊張しています。

単純にずっと固くなっている筋肉よりも、ときどき緩んだ筋肉の方が血行がいいことは容易に想像がつくと思います。血行がいいということは、長時間使えるということです。走るときにはリラックスすることが大切なのです。

そして最も大切なことは、腰を入れて骨盤が前傾していた方が、股関節からぐいっと大腿骨を前に突き出すことができるということです。よりストライドを稼ぐことができるのです。

「おっとっと走法」では脚が高くあがりません。前に倒れないように「おっとっと」と自然に足が前に出る走法は、どちらかといえばピッチ走法向きです。ストライドを伸ばすためには天秤走法の方が優れています。

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すべてのフォームを使え。それが究極の正解

天秤走法の欠点は、スピードを出すほど息が苦しくなることです。上半身をフワッと浮かせるために、深い腹式呼吸ができません。腹圧をつかったパワーを発揮できないのです。

そうなったら上半身のリフトアップをやめて、別のフォームに切り替えましょう。

フォームを変えることを恐れてはいけません。

先日のアジア大会のマラソンでもそうでしたが、元オリンピック金メダリストの解説者が、こう言います。

アスリート解説者「苦しいですね。あきらかに先ほどまでとフォームが変わってきました」

ここではフォームが変わることは「悪いこと」「アカンこと」のように言われています。

しかしそれは優勝を狙う選手の場合です。オリンピックの金メダルを狙う選手の場合です。

金メダル狙いと、市民ランナーの自己ベスト狙いはまったく違います。

エリートほど究極のたった一つの走法にこだわるものです。彼らは最速を目指していますから仕方がありません。

しかし私たち市民ランナーが目指しているのは「最速」ではありません「自分史上最高」です。

アスリート解説者「苦しいんでしょうね。顎が上がってしまいました」

しかし顎を上げて頭の重さを背骨の上に乗せて、背骨で頭蓋骨を支えると、背筋を休めることができます。やってみてください。今まで緊張していた筋肉をリラックスさせることができるのです。

すこしスピードは落ちるかもしれませんが、なにもフォームAからフォームBに変わっただけで、レースを諦めることはありません。優勝を狙っているわけじゃないんですから。

「ヤジロベエ走法」で休ませた腰・背中の筋肉が復活していたら、また「倒れる一本の棒・おっとっと走法」に戻ってもいいでしょう。「ハサミは両方に開かれる・天秤走法」でも構いません。速く走るためのランニングの極意「アトムのジェット走法」は駆使できていますか? 「踵落としを効果的に決める・走法」も忘れないでください。

複数のフォームを使い回して、自分のすべてを使ってゴールを目指すこと。それが私のサブスリー養成講座の核心です。戦闘速度と巡航速度、どちらも大切です。両方持っていることが強みとなるのです。

ストライド走法とピッチ走法、どちらが正解か? どちらの走法を使うべきなのか?

ランニングの世界では「永遠のテーマ」「答えのない永遠の問い」のように語られるこの二つの走法の優劣ですが、私にはもう答えが出ています。

どっちも使え。これが正解です。

すべての走法を駆使して、自分史上最高のゴールを目指しましょう。

あなたの自分史上最高のゴールに、私のサブスリー養成講座がお役に立てたならこんなにうれしいことはありません。

※最後までお読みいただきありがとうございました。ハルトのサブスリー養成講座に興味を持っていただけましたら、ここから「まとめサイト」に飛ぶことができますのでご覧ください。

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~~このサイトについて~~

比叡山の大阿闍梨(千日回峰行者)様を超える生涯走行距離の中で走りながら感じたことをサブスリーランナーが綴るコラム。

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プロフィール


サンダルマン・ハルト。雑誌『ランナーズ』等に執筆歴のあるライター。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。サブスリーランナー。グランドスラムの達成者(100kmサブテン。富士登山競争登頂)。スイス・ブライトホルン。マレーシア・キナバル山。台湾・玉山ニイタカヤマ。南アルプス全山縦走など登山歴も豊富。キャンプ・車中泊マニア。アウトドア派の放浪の旅人。現在、仮想地球一周ランニング中。
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