「氷点下で生きるということ」ソーラーバッテリーで生きていく
夏になると見たくなるアマゾンプライムビデオのオリジナル作品「氷点下で生きるということ」(LIFE BELOW ZERO℃)。アラスカの氷点下の地域で狩猟・漁労などをしながら生きていく人たちを描いたドキュメンタリーです。私は真夏にパンイチ(パンツ一枚)でこの番組を見るのが大好き。不思議と真冬にはまったく見る気にならない番組なのですが、真夏になるとなぜか見たくなります。パンイチでかき氷を食べながら(笑)。
私は基本的に「こことは違う異世界」が好きなのでしょう。そしてマッチポンプで登山家ではなくて下山家。氷点下でたいへんな思いをしている人たちをパンイチで眺めると、つくづく今の自分の幸せをかみしめることができます。この番組のことはいずれ本ブログで大きく取り上げるつもりです。
アラスカの僻地に生きる人たちは、都市のライフラインから外れています。ガス管も通っていないのでガスボンベを家に添え付け。水道管もなく水は雪解け水や川の水を使用しています。でもトランシーバーやインターネットとはつながっていてパソコンを持っています。天気予報など重要な情報はネットから得ているのです。
パソコンを使うのですから、当然、電源もあります。燃料で発電機を回して電気をつくっている人もいるのですが、多くの人はソーラー発電パネルで電気をつくっています。アラスカの奥地では燃料を手に入れるのも簡単ではないのでそういうことになるのです。
ハンターの青年(エリック・サリタン)は、三枚のソーラー発電パネルを12台のバッテリーに繋いで電気をまかなっていました。「初期投資は高いが、ずっと発電機を回すより、けっきょくはソーラー発電の方が安上がりだ」と青年は言っていました。
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夏の車中泊。携帯型ソーラーバッテリーで扇風機を一晩中回して涼む
さて、私も真夏の車中泊で携帯型ソーラーバッテリーを使用しました。つかったのはこちらの商品です。
JVCケンウッドのコンパクトなエントリーモデルです。Amazonで四万円ぐらいで買えるようですね。スペックはこんな感じ。
- 充電池タイプ:リチウムイオン充電池 充電池容量:104,400mAh/375Wh
- 最大外形寸法(WxHxD):231mmX168mmX134mm 質量:3.6kg
- 動作温度:-10℃から40℃
- 残量表示/入出力W:5段階/数値表示
- AC数:1口
- AC出力:100V/2A/60Hz 200W (瞬間最大400W) USB出力:最大24W DC出力:最大120W(DC12V/10A シガーソケット)
- BMS管理項目:過電流・過電圧・温度・短絡保護
なぜこいつを使ったのかというと、実家で使われずに眠っていたからです。大地震などいざというときの「緊急避難セット」として実家の父母がこのバッテリーを買っていたのでした。ところが買ったのはいいけれど今まで一回も出番がなく、ずっとオブジェのように飾ったままになっているのです。このバッテリーを実用的に本当に有効に活用したのは私が借りて車中泊で使ったときだけなのでした。ああ、もったいない。
さらに心配性の父母は専用オプションとしてこんなものまで買いそろえていました。
ソーラー充電パネルです。未曾有の大災害のときにはそもそもAC電源がつかえないでしょうから、このソーラーパネルがあればバッテリーに充電できるというわけです。Amazonで二万円ぐらいで買えるようです。
こちらのバッテリーをつかって車の中で一晩中扇風機を回していたのですが、扇風機が止まることもなく、バッテリー残量がゼロになることもありませんでした。
快適な夏の車中泊を楽しんだ次第です。
電池・スマホの充電はできるが、お湯は沸かせないスペック
しかしこのバッテリーでお湯を沸かそうとして使えなかったことがあります。車中泊しながら「車の中で食って寝る」動画を撮っていたときの話しです。
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本ブログの筆者はYouTubeで動画を配信しています。
【車泊でGO!! Vehicle Night】
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このバッテリーでは、AC電源が200W対応までなので、扇風機の40Wには対応できるけれど、電気ケトルの1000Wには対応できなかったのですね。
要するに電池・スマホの充電はできるけれど、カップラーメンは食えないというわけです。お湯を沸かせないのですから。緊急避難用としてこのスペックはどうなんでしょうか。カップラーメンが食えないんじゃほとんど使えないという気がしますね。
むしろカセットガス式のバーナーの方が食事という面では役に立つと思います。
もちろん実家の父母にはこのことを教えてあげました。「あまり性能をあてにするな、と」
いや、そもそもそんな未曽有の災害が来たら、自宅で自力で携帯バッテリーなんかに頼るよりも、公民館などに避難して官民みんなで協力しながら生き延びるのが一番いいんだけどな。
ソーラー充電パネルの費用対効果を考える
ところでこの合計6万円也のソーラーパネル&バッテリーのシステムですが、実家の置物になっているのはいかにも「もったいない」気がします。「氷点下で生きるということ」のエリック・サリタンのように、日常づかいすればいいではないでしょうか。
電気ケトルでお湯は沸かせませんが、夏は一晩中扇風機を回すことができますし、ヘッドライト用の充電池の充電なんかエンドレスで無限に行えます。私は読書灯がヘッドライトなので充電池の充電は非常にたすかります。毎日のスマホの充電もこのバッテリーでじゅうぶんにまかなえます。
手元にこのバッテリーセットがあるのなら、日常づかいで使った方がいいのに、と思います。
問題は新たに買う場合です。費用対効果は元が取れるのでしょうか。
合計六万円なりの商品を償還するには、どれぐらいの年月がかかるのでしょうか。
アラスカの猟師エリックが「ソーラーバッテリーのほうが安い」と言っているのは、手に入りにくい高い燃料でジェネレーター(発電機)を回しているからです。
原子力発電所と電線でつながっている私とは状況が違います。
単純にスマホの充電が一回0.5円。充電池単四三本が一回1円。扇風機を一晩回し続けたとして一回10円90日で計算すると、13年ぐらいつかってやっと元が取れる計算です。
なるほど~~。手元にソーラーパネルがあるなら使うけれど、わざわざ買ってまで使うだけのメリットはないのです。いざとなればスマホなんかなくたって生きていけます。
アラスカの僻地ならば、燃料を発電機に補充する手間なども考えると、ソーラーバッテリーシステムを導入した方が楽だし安いしメリットが大きいのでしょう。
都市生活は便利な反面、コンセントにプラグを差し込めばすべての用が足りてしまいます。「なにもやることがなくて、つまらない」そう感じることがあります。
アラスカの僻地で生活する人たちというのは、やっぱり街の暮らしが「なにもやることがなくて、つまらない」「ワクワクしない、やりがいがない」と感じているのでしょう。
だからわざわざライフラインから外れたところで、ソーラーバッテリーで暮らしていくのだと思います。そうでもしないとヒリヒリするような生きている実感を感じられないから、好きで、生き甲斐としてそういう暮らしをしているのだと思います。