ドラクエ的な人生

関門突破ゲームは楽勝だったら面白くない

どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?

このページではランニングライターである筆者が「関門突破ゲームはあっさりクリアできたら面白くない」ということについて書いています。

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※言葉のイメージ喚起力で速く走る新メソッドを提唱しています。 

※※※YouTube動画はじめました※※※

書籍『市民ランナーという走り方(マラソンサブスリー・グランドスラム養成講座)』の内容をYouTubeにて公開しています。言葉のイメージ喚起力でランニングフォームを最適化して、同じ練習量でも速く走れるようになるランニング新メソッドについて解説しています。

『マラソンの走り方・サブスリー養成講座』

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関門突破ゲームは楽勝だったら面白くない

わたしは市民ランナーにとって「サブスリー」というのは「関門突破ゲーム」だと思っています。2時間台でゴールに駆け込むというゲームクリアの目的に向けて「磨き抜いた技」をつかったり「体力を回復」したりしながら関門を突破できるように駆け込むというリアルゲームです。

このゲームがどうすれば面白くて、どうなると面白くないのか、ゲーム『ドラゴンクエスト』をたとえに説明してみます。

先日、過去のドラゴンクエストをプレイしてクリアしたときのことです。正直いって失敗のゲーム展開でした。はっきりいえば面白くなかったのです。主人公たちを殺さないように大切にプレイしすぎました。

主人公を殺さないようにするには、ボス戦に突入する前に十分に経験値をためて強くなっておくことです。手堅いプレイに終始して、生きるか死ぬかの冒険をしませんでした。

そのようにプレイしたため主人公たちは死ななかったのですが、その反面、けっこうあっさりとラスボスを倒してゲームクリアしてしまいました。

……すると、なんだか面白くないんですよね。

「強かったなあ。あのラスボス。何回もやられたよ」とムカつきながらも楽しそうに話すというのが「忘れがたいラスボス」です。忘れられない大ボスは、大嫌いだけど大好きという敵です。どうでもいいやつでは決してありません。

しかし誰も死なずにあっさりと簡単に倒しちゃったから、ラスボスの強さを思い出せません。それどころかその容姿さえも忘れてしまいそうです。こっぴどくやられていないから、全然記憶に残らないのです。

途中で苦しめられた中ボスの方が、よほど印象に残っています。これってゲームとしてはラストのカタルシスを感じさせることに失敗しているのではないでしょうか。全滅しちゃって「くー。マジかー」みたいな衝撃があった方が「リアルな感情」をあじわえます。ギリギリまで、やられるんじゃないかとヒヤヒヤした方が、ゲームとしても面白い。

生きるか死ぬか岐路に立っている「わたし」が感じている感情こそが、この世界にリアルに生きている実感だとわたしは感じています。

それには恐怖を感じたり、ピンチになることが重要です。あっさり勝っちゃうと、面白くありません。

これはゲームだけではなく、実人生にも言えることなのではないでしょうか。

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すばらしい人生のために、難しい関門が存在する

「マラソンで3時間切り(サブスリー)」という関門突破ゲームに、かつてわたしは挑戦していました。

『サブスリーの難易度』(ランニングの技術まとめ)
サブスリーランナーというのは、『そこらへんの一般市民100人がマラソンを走ったら、トップでゴールできる人』ぐらいのイメージでいいのではないかと思います。 マラソンは練習しないでちんたら走ってもちっとも面白くないと私は思っています。ゴールしたら倒れるぐらいのつもりで必死に走ってはじめて面白いスポーツなのではないでしょうか?

過去、3時間数秒(あと6秒とか8秒とか)いうレースを2回経験しています。ゲームでいえば、あと一撃でラスボスを倒せたのに、ぎりぎりのところでこちらのHP(ヒットポイント)が尽きて負けたという状態です。

そのときは死ぬほど悔しかったです。勝負レースは年に1回と決めていましたので、これは3年にわたって悔しい思いをし続けたことを意味します。

【ピーキングの方法】マラソン大会メインレースの選び方
筋肉を動かすことは、一種の化学変化ですから、寒すぎると化学変化が促進されないためパフォーマンスが落ちてしまうのです。いわゆる寒さで筋肉が萎縮した状態になります。マラソンのパフォーマンスを発揮するのに最適な活性化温度が12℃前後と言われているのです。

月間600km走ったのもこの時期です。大雨の日や休養日もありますから一日30kmぐらい走らないと、この数字は達成できません。

まさに「走るために生きている」という時代でした。こうなるともはや仕事どころじゃありません。職場には「休みに行っている」という状態でした。

マラソンランナーは体力、持久力があるというのは嘘・間違い・都市伝説
世間では「体力」はひとつと思っていますが、わたしは体力は一つではないと思っています。土木体力としか名付けようのない、運動体力とは別の体力が、この世の中には存在します。

ああ、走るためにおれは生まれたんだなあ、と実感したのもこの頃です。

【肉体宣言】走るために生まれた
生きる歓びとか命の実感というものは自然と湧いて出てくるものではありません。この世界の中で肉体を思う存分に動かしてはじめて感じられるものなのです。

もう走ること以外は考えていない、という状態です。受験に失敗した浪人生のようなものです。すべてのことは後回し。まずは大学に合格してから。

私は何としても、このサブスリーという関門突破ゲームをクリアしたいと思いました。生きていることを実感するために。充実した人生を生きるために。

そのために編み出した「特技」「必殺技」が本書でご紹介している数々の走法なのです。

マラソン初心者が習得すべき走り方(アトムのジェット走法)
足裏に鉄腕アトムのジェットがあると想像して、下腿を地面と水平にするイメージを持つと、急に楽に速く走れることが実感できると思います。これを私はアトムのジェット走法と命名しています。 サッカーでも膝を曲げて後方に振りあげなければ、凄いシュートを打つことはできないのです。それと同じです。
速く走る技術『踵落としを効果的に決める走法』
ランナーの一歩一歩は「かかと落とし」のようなものです。膝が伸びきったスピードゼロ地点で着地するのではなく、振り戻ってきた破壊力のある足で着地しましょう。そう。かかと落としを効果的に決めるように。
スピード練習しなければ、スピードにふさわしいフォームは身につかない。動的バランス走法
「動的バランス」とは、動いていることでかろうじて維持できるバランス状態のことをいいます。自転車は進み続けている限り倒れませんが、止まると倒れてしまいます。「動的バランス走法」とは動いていることでかろうじて維持できるバランス状態のまま前に走りつづける走法をいいます。
ストライド走法の極意「ハサミは両方に開かれる走法」(地面を蹴るより膝蹴りを決めろ)
『ハサミは両方に開かれる走法』とは支脚よりも遊脚を意識する走法です。ハサミは両方に開かれる走法。後ろに蹴るのではなく前に突き出してストライドを稼ぐ走法です。走っている時の二本の脚はまるでハサミのようなものです。片方の脚を意識するだけで、結果として両方の脚を動かすことができます。なぜならハサミは両方に開かれるからです。
走りの技術。ヤジロベエ走法。腰椎の一点で上半身のバランスをとる走法
ストライド走法とピッチ走法、どちらが正解か? どちらの走法を使うべきなのか? 「永遠のテーマ」「答えのない永遠の問い」のように語られるこの二つの走法の優劣ですが、私にはもう答えが出ています。どっちも使え。これが正解です。
最速のストライド走法フォームの作り方。後ろに蹴るのではなく、前に突き出してストライドを稼ぐ
ストライドは開脚して伸ばすのではなく、宙に浮かんで伸ばします。なぜ「ハサミは両方に開かれる・ヤジロベエ走法」が、速く走れるのかというと、前傾姿勢の「動的バランス走法」よりも、ストライドが伸びるからです。 骨盤・腰椎を立てれば膝が高く上がります。そして落下するあいだもストライドを稼ぐことができるのです。

ゴール後に倒れてもいいから、わたしは何としてもサブスリーという関門を突破したいと思いました。ここまで熱中できたのは、わたしにとってやはりラスボスが強くて、倒せそうなのに倒せない。何度も何度も撃退された、というゲームになったからだと思います。

サブスリーのためならドーピングも辞さずと思っていたのもこの時期です。プロテインやサプリメントを常用していました。筋肉増強剤のようなものが手近に手に入っていたら、やっていたと思います。

食事も変えました。肉をやめて、ベジタリアンになったのです。ときどき癌から生還した人がベジタリアンになったりしますが、わたしはサブスリーのためにベジタリアンになりました。よほど思いつめてことです。

効率の良い走りを追求し、身体でクリアできないのならば、脳ミソをつかって、頭脳でクリアしてやろうと思っていました。カラダで勝てないのならアタマで、フィジカルで勝てないのならメンタルで、関門ゲームを突破すると決意したのです。

世の中にはわたしよりもマラソンが速く走れる人はたくさんいます。けれどわたしほどマラソンを速く走れるようになる方法論について語れる人はそうはいないと思っています。

その自信は、ギリギリで関門突破できなかった3年間の思いつめた日々がわたしにくれたものです。

はじめから痩せている人は、どうダイエットすればいいのか語る資格がありません。はじめから走るのが速い人は、記録が短縮していく過程と工夫と執念について、詳しく書くことはできません。

初マラソンであっさりサブスリーを達成しちゃうような人よりも、わたしは何かを知っているし、何かを語れると思っています。

だからこそこの書物には書く価値があると信じているのです。

それはサブスリーをほんの数秒で達成できなかった3年間があってこそなのです。

サブスリーを達成できなかった2回のレースは「敗戦」です。けれどもとてもよく覚えています。たくさんの「感情」をくれたから。悔しさという生きている実感をくれたから。

『敗戦が人生を深く味わいあるものにする』とさえ今は思えます。

敗戦もない人生なんて、面白くないと思いませんか?

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