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どうもハルトです。みなさん今日も元気に走っていますか?
マラソンはアメリカでは知的階級のスポーツと言われているそうです。
ニューヨークシティマラソンを走った時に、現地在住のガイドの方にそう聞きました。
ブルーカラーの趣味ではなく、ホワイトカラーの趣味だという意味でしょう。
なるほど。なんとなくわかる気がします。
私は本気でマラソンを走ることは、受験にとてもよく似ていると思っています。
みなさん、受験時代におぼえた英単語、今でも覚えていますか?
私はほとんど忘れてしまいました。
大学受験の問題、今でも解けますか?
私は今、受験したら、絶対に不合格だと思います。
受験の時の実力は瞬間芸のようなものだったからです。
マラソンも同じです。私にとってサブスリーは瞬間芸であって、いつでも達成できるようなものではありません。何の準備もなしに、今すぐマラソンをサブスリーで走れと言われても無理です。とてもできません。
ただ、瞬間芸とはいえ、成し遂げることができました。
予備校の講師が受験のテクニックを語るように、マラソンサブスリーのノウハウを語りたいと思います。
これからサブスリーを狙おうという方は、ぜひ参考にしてください。
【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのサンダルマン・ハルトと申します。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
初マラソンのホノルル4時間12分から防府読売2時間58分(グロス)まで、知恵と工夫で1時間15分もタイム短縮した頭脳派のランナー。市民ランナーの三冠王グランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。月間走行距離MAX600km。「豪脚自慢に工夫で走り勝つことができるか?」その答えを書いたハルトの【サブスリー養成講座】を展開しています。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。江戸川左岸の撃墜王(自称)。スピードが目的、スピードがすべて。ロードバイクって凄いぜ!!
山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。インドネシア。マレーシア。ニュージーランド。タイ。ベトナム。カンボジア。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の27ケ国。パリとニューカレドニアを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。ソウル日本人学校出身の元帰国子女。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。
千葉県在住。夢の移住先はもう決まっています!!
※この稿の内容は以下のとおりです。
マラソンは受験に似ている
私は年一回、自己ベストを狙って、ゴールしたら倒れるぐらいの気持ちで、本気で走る勝負レースを走ってきました。市民ランナーのくせに、どうしてそこまでやるのかと思いますか?
答えは、本気で走らないと面白くないからです。マラソンはだらだら走ってもちっとも面白くありません。去年の自分に勝つように、おのれの限界を超えるように走ってはじめて、マラソンは面白いと思っています。
遊びだからこそ、私は熱中して、本気で走っていました。
勝負レースを決めたら、その日にあわせて、逆算して練習を積み上げたり、体重を減らしたりして、体調のピークをもっていったのです。
しかし年一本の勝負レースが大雨や強風の悪いコンディションだった場合、一年間のトレーニングが無駄になります。風邪やインフルエンザをうつされてしまうこともあるかもしれません。
ですから「滑り止め」と称して、二番目に本気で走るレースを決めていました。
「本命」と「滑り止め」……まるで受験みたいですね。
そうです。私は毎年一回、受験のような気持でマラソンを走っていました。
マラソンは受験に非常によく似ていると思います。
できないことができるようになる過程が、とても受験に似ていると思うのです。
たとえばサブスリー関門突破ゲームは、受験した学校に合格できるかできないかになぞらえることができます。
受験日に向けて一年かけて準備するところも、マラソンは受験に似ています。
失敗したら、一年間浪人しなきゃならないように、レースに失敗したら自己ベスト更新は一年後に持ち越しです。
そのように大切なメインレースですから、受験校をよく調べるように、エントリーする大会はよく調べた方がいいと思います。
とくに開催時期とレースの高低差は最低でも調べておくべきです。
【ピーキングの方法】マラソン大会メインレースの選び方
知っていますか。マラソンは暑すぎても寒すぎてもタイムは出ません。
市民マラソン大会なんて年に何回だってあるじゃないかと思うかもしれませんが、自己ベストを出せる大会、時期はけっして多くはないのです。
たとえば北海道マラソンで自己ベストを出したという人は少数派でしょう。
北海道マラソンは、ベストパフォーマンスで走るには暑すぎます。
北海道とはいえ8月は暑く、暑いと体が、機械でいうオーバーヒート現象になって、動きを止めようという脳からの指令が無意識に働きます。
体質は人それぞれですが、普通は、北海道マラソンで自己ベストを出すのは無理です。
もしあなたの自己ベスト記録が北海道マラソンだったら、他の大会に出ればもっといいタイムで走れるのではないかと思います。
あと数秒でいいからタイムを縮めようと本気で狙うなら、勝負レースは何でもいいというわけにはいきません。
「ベスト・バージョン・オブ・ミー」を狙うなら、出走レースを真剣に選びましょう。
やはり勝負レースは、受験と同じで、年に一本か二本だと思います。
同じ大会に出る=知っている道は近く感じる効果を利用する
「知らない道は遠く感じる」。
そんな経験はありませんか? 車でドライブをすると、よく経験することだと思います。
逆にいえば「知っている道は近く感じる」ということです。
もちろん心理上の錯覚にすぎないのですが、この効果はマラソン本番に利用できます。
毎年同じマラソン大会に出場すれば、見慣れたコースは、近く感じるのです。
先がわからないコースだと精神が疲れてしまいます。
「先が見えない」と、無意識がいざという時のために、エネルギーをためておこうとします。脳のリミッターが発動してしまうのです。
知っているコースならば、もうこれ以上エネルギーをつかわなくてもいいゴールポイントがわかっています。すると安心して全エネルギーを使うことができるようになります。脳が安心してリミッターを外してくれるのです。
新しいコースの方が、冒険があって楽しいものです。しかしあと一歩でサブスリーを逃している方は、見慣れたコースの同じレースに出れば、タイムの短縮が見込まれます。
この効果を利用しない手はありません。
そもそも同じ時期の同じレースに出場しなければ、自分の走力がどれぐらい伸びたか、測りようがないではありませんか?
レース日にあわせてピーキングする。ピーキングの方法
一般に、人がマラソンでベストパフォーマンスを発揮できるのは、12℃前後と言われています。体温の三分の一前後と覚えておくといいでしょう。
人の体は化学変化によって動いています。人の運動は機械にたとえるとわかりやすい。
燃料にあたるものが食料です。口から摂取したものを消化、吸収し、血液で全身に運び、細胞中のミトコンドリアなどがそれを燃焼させてエネルギーを得ています。そのエネルギーを利用して筋肉が収縮・弛緩して運動になるわけです。
ところがこの人間機械は、暑すぎるとオーバーヒートしてしまいます。だから北海道マラソンでは自己ベストを更新できないわけです。
しかしその逆もあります。寒すぎても内部の化学変化がうまくいきません。物質が活性化するためにはある程度の温度が必要です。
筋肉を動かすことは、一種の化学変化ですから、寒すぎると化学変化が促進されないためパフォーマンスが落ちてしまうのです。
いわゆる寒さで筋肉が萎縮した状態になります。
最適な活性化温度が12℃前後と言われているのです。
勝負レースは、体温の三分の一ぐらいの気温の時期に、なるべくタイムの出やすいフラットなコースを選びましょう。
同じ走力でも、コース次第で1~2分ぐらいは軽くタイムが変わってきます。
冬は北風が吹くから、南から北に走るレースよりも、北から南に走るレースの方が追い風になって有利なはずです。私はそこまで考えてレースを選んでいました。それが秒単位でタイムを削るということなのです。
つくばマラソンは真っ平らでタイムが出やすい大会です。11月の大会なので、よほど10月に走りこんでいないと、まだまだ足が本調子になっていないことが多いのが欠点です。時期的に準備不足で本番を迎えやすいレースということです。私は受験でいう「度胸試し」「滑り止め」でよく走っていました。「滑り止め」は本気にならず肩の力を抜いてリラックスして走りましょう。勝負レースではできない実験も「滑り止め」で試します。
私は千葉県の人間ですが、勝負レースに決めていたのは、山口県の防府読売マラソンです。新幹線をつかってわざわざ走りに行ったのです。サブスリー突破のために。
防府読売マラソンは、真っ平らなタイムの出やすい大会です。
コースの高低差を調べて、選びました。12月の大会です。時期もぴったりでした。年末年始はランニングを忘れて放浪の旅に出たかったので、年内に決戦したかったからです。陸連公認のエリートレースであるため、正午スタートというのが特徴です。つくばマラソンのような一般レースとは違い、昼食をどうするかに悩みます。
年に一回の勝負レースはいつも防府読売でした。
泉州国際市民マラソンもフラットでいい大会なのですが、経験上、なぜか逆風のことが多いです。北から南に走るコースなのですが……。
この向かい風とスカイブリッジ、マリンブリッジのアップダウンが「あと数秒」の関門突破ゲームでは最大の難敵となって立ちふさがるでしょう。
2月の大会なので、年末年始で遊び呆けた体に活を入れて、シーズン最後かつ「第二志望」としていつもエントリーしていました。
私の場合はひどい花粉症であり、毎年3月中旬~5月上旬は「鼻水が止まらない」「生きているだけでダルイ」時期になります。この時期は、花粉症のために何度挑戦してもベストパフォーマンスを発揮することはできませんでした。
走り始めの頃には何度も挑戦しましたが、花粉症の時期には15%ぐらいは戦力(走力)ダウンすることがわかって、この時期に勝負レースは外すようになりました。
最終的には10月~2月下旬までをマラソンシーズンと決めて、花粉症がはじまる3月以降は「膝を休める時期」にして、練習も抑える一年間のパターンができあがりました。
年を通して走り続けるのではなく、シーズンオフを導入すると、ゆっくり休養することが出来ます。
そのかわり10月のオンシーズンに向けて、はじめから(ダイエットとジョギングから)やり直さなければなりません。
しかし、人間、一度できたことはすぐにできるようになるものです。
自転車の新城幸也選手とか、スケートの高橋大輔選手などが、大怪我・大手術などで健常者以下の脚(歩くことさえできない)になっても、トレーニングするとまた人並み以上のパフォーマンスを発揮できるようになることがその証拠です。
スポーツは、筋肉だけでなく、脳でやるものだからでしょう。
そこに素晴らしい筋肉があったことを脳が覚えているから復活できるのです。素晴らしいパフォーマンスができたことを脳が覚えているから、怪我したマイナスの脚からでも、みごとに復活できるのです。
1年間の恒例ルーティーンができあがることで、生活にリズムが出てきます。
季節感を楽しみながら、体力や集中力を高め、受験生のようにマラソンに挑戦していました。
そして万が一、勝負レースで目標タイムを達成できなかったときには、残念ですが、一年間の浪人生活に突入です。
すぐ次のレースで自己ベストが達成できるかもしれないと思いたいのが人情ですが、ベストコンディションで、ベストパフォーマンスを発揮して達成できなかったのでしたら、力不足です。いさぎよく諦めましょう。次のレース、次のレースとズルズルとやっても、ペストパフォーマンスは発揮できません。来シーズンまで、きっぱりと諦めましょう。
そして来年のベストシーズンが来たら、またベストバージョンの自分が発揮できるように、積み上げていくのです。
やっぱり、マラソンって受験に似ていると思いませんか?
万が一、自己ベストが更新できる条件の整ったレースを走れたら、幸運を神に感謝しましょう。それは滅多にないことです。
この次のレースなんてありません。「いま、ここ」このレースで自己ベストを更新すべきです。
遊びだからこそ、全力を尽くして勝ちに行きましょう。それが楽しく遊ぶということです。
紹介した以外にも、たくさんの市民マラソンレースがあります。ご自身にとってベストパフォーマンスが発揮できる大会を選んで、そこにフォーカスして全能力をぶつけていくことがゲームを面白くする魔法の粉だと思います。
※最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんのランニングの参考になりましたでしょうか。このブログでは他にもランニングの技術を紹介しています。よろしかったらこちらをご覧ください。
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