マラソンは暑すぎても寒すぎてもタイムは出ない。メインレースに最適な気温は12℃前後(体温の三分の一)

マラソン・ランニング
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【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者アリクラハルトの旅する人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

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マラソンはアメリカでは知的階級のスポーツと言われているそうです。ニューヨークシティマラソンを走った時に、現地在住のガイドの方にそう聞きました。ブルーカラーの趣味ではなく、ホワイトカラーの趣味だという意味でしょう。なるほど。なんとなくわかる気がします。

私は本気でマラソンを走ることは、受験にとてもよく似ていると思っています。

みなさん、受験時代におぼえた英単語、今でも覚えていますか? 私はほとんど忘れてしまいました。

大学受験の問題、今でも解けますか? 私は今、受験したら、絶対に不合格だと思います。受験の時の実力は瞬間芸のようなものだったからです。

マラソンも同じです。私にとってサブスリーは瞬間芸であって、いつでも達成できるようなものではありません。何の準備もなしに、今すぐマラソンをサブスリーで走れと言われても無理です。とてもできません。

ただ、瞬間芸とはいえ、成し遂げることができました。予備校の講師が受験のテクニックを語るように、マラソンサブスリーのノウハウを語りたいと思います。これからサブスリーを狙おうという方は、ぜひ参考にしてください。

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マラソンは受験に似ている

私は年一回、自己ベストを狙って、ゴールしたら倒れるぐらいの気持ちで、本気で走る勝負レースを走ってきました。市民ランナーのくせに、どうしてそこまでやるのかと思いますか?

答えは、本気で走らないと面白くないからです。マラソンはだらだら走ってもちっとも面白くありません。去年の自分に勝つように、おのれの限界を超えるように走ってはじめて、マラソンは面白いと思っています。

遊びだからこそ、私は熱中して、本気で走っていました。

勝負レースを決めたら、その日にあわせて、逆算して練習を積み上げたり、体重を減らしたりして、体調のピークをもっていったのです。

しかし年一本の勝負レースが大雨や強風の悪いコンディションだった場合、一年間のトレーニングが無駄になります。風邪やインフルエンザをうつされてしまうこともあるかもしれません。

ですから「滑り止め」と称して、二番目に本気で走るレースを決めていました。「本命」と「滑り止め」……まるで受験みたいですね。

そうです。私は毎年一回、受験のような気持でマラソンを走っていました。マラソンは受験に非常によく似ていると思います。できないことができるようになる過程が、とても受験に似ていると思うのです。

たとえばサブスリー関門突破ゲームは、受験した学校に合格できるかできないかになぞらえることができます。

受験日に向けて一年かけて準備するところも、マラソンは受験に似ています。失敗したら、一年間浪人しなきゃならないように、レースに失敗したら自己ベスト更新は一年後に持ち越しです。

そのように大切なメインレースですから、受験校をよく調べるように、エントリーする大会はよく調べた方がいいと思います。とくに開催時期とレースの高低差は最低でも調べておくべきです。

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【ピーキングの方法】マラソン大会メインレースの選び方

知っていますか。マラソンは暑すぎても寒すぎてもタイムは出ません。

市民マラソン大会なんて年に何回だってあるじゃないかと思うかもしれませんが、自己ベストを出せる大会、時期はけっして多くはないのです。

たとえば北海道マラソンで自己ベストを出したという人は少数派でしょう。北海道マラソンは、ベストパフォーマンスで走るには暑すぎます。

北海道とはいえ8月は暑く、暑いと体が、機械でいうオーバーヒート現象になって、動きを止めようという脳からの指令が無意識に働きます。

体質は人それぞれですが、普通は、北海道マラソンで自己ベストを出すのは無理です。もしあなたの自己ベスト記録が北海道マラソンだったら、他の大会に出ればもっといいタイムで走れるのではないかと思います。

あと数秒でいいからタイムを縮めようと本気で狙うなら、勝負レースは何でもいいというわけにはいきません。「ベスト・バージョン・オブ・ミー」を狙うなら、出走レースを真剣に選びましょう。

そして人間の生理を考えると、やはり勝負レースは、受験と同じで、年に一本か二本だと思います。

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同じ大会に出る=知っている道は近く感じる効果を利用する

「知らない道は遠く感じる」そんな経験はありませんか? 車でドライブをすると、よく経験することだと思います。逆にいえば「知っている道は近く感じる」ということです。

もちろん心理上の錯覚にすぎないのですが、この効果はマラソン本番に利用できます。毎年同じマラソン大会に出場すれば、見慣れたコースは、近く感じるのです。

先がわからないコースだと精神が疲れてしまいます。「先が見えない」と、無意識がいざという時のために、エネルギーをためておこうとします。脳のリミッターが発動してしまうのです。

知っているコースならば、もうこれ以上エネルギーをつかわなくてもいいゴールポイントがわかっています。すると安心して全エネルギーを使うことができるようになります。脳が安心してリミッターを外してくれるのです。

新しいコースの方が、冒険があって楽しいものです。しかしあと一歩でサブスリーを逃している方は、見慣れたコースの同じレースに出れば、タイムの短縮が見込まれます。この効果を利用しない手はありません。

そもそも同じ時期の同じレースに出場しなければ、自分の走力がどれぐらい伸びたか、測りようがないではありませんか?

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レース日にあわせてピーキングする。ピーキングの方法

一般に、人がマラソンでベストパフォーマンスを発揮できるのは、12℃前後と言われています。体温の三分の一前後と覚えておくといいでしょう。

人の体は化学変化によって動いています。人の運動は機械にたとえるとわかりやすい。

燃料にあたるものが食料です。口から摂取したものを消化、吸収し、血液で全身に運び、細胞中のミトコンドリアなどがそれを燃焼させてエネルギーを得ています。そのエネルギーを利用して筋肉が収縮・弛緩して運動になるわけです。

ところがこの人間機械は、暑すぎるとオーバーヒートしてしまいます。だから北海道マラソンでは自己ベストを更新できないわけです。

しかしその逆もあります。寒すぎても内部の化学変化がうまくいきません。物質が活性化するためにはある程度の温度が必要です。

筋肉を動かすことは、一種の化学変化ですから、寒すぎると化学変化が促進されないためパフォーマンスが落ちてしまうのです。

いわゆる寒さで筋肉が萎縮した状態になります。最適な活性化温度が12℃前後と言われているのです。

勝負レースは、体温の三分の一ぐらいの気温の時期に、なるべくタイムの出やすいフラットなコースを選びましょう。

同じ走力でも、コース次第で1~2分ぐらいは軽くタイムが変わってきます。

冬は北風が吹くから、南から北に走るレースよりも、北から南に走るレースの方が追い風になって有利なはずです。私はそこまで考えてレースを選んでいました。それが秒単位でタイムを削るということなのです。

つくばマラソンは真っ平らでタイムが出やすい大会です。11月の大会なので、よほど10月に走りこんでいないと、まだまだ足が本調子になっていないことが多いのが欠点です。時期的に準備不足で本番を迎えやすいレースということです。私は受験でいう「度胸試し」「滑り止め」でよく走っていました。「滑り止め」は本気にならず肩の力を抜いてリラックスして走りましょう。勝負レースではできない実験も「滑り止め」で試します。

私は千葉県の人間ですが、勝負レースに決めていたのは、山口県の防府読売マラソンです。新幹線をつかってわざわざ走りに行ったのです。サブスリー突破のために。
防府読売マラソンは、真っ平らなタイムの出やすい大会です。
コースの高低差を調べて、選びました。12月の大会です。時期もぴったりでした。年末年始はランニングを忘れて放浪の旅に出たかったので、年内に決戦したかったからです。陸連公認のエリートレースであるため、正午スタートというのが特徴です。つくばマラソンのような一般レースとは違い、昼食をどうするかに悩みます。
年に一回の勝負レースはいつも防府読売でした。

泉州国際市民マラソンもフラットでいい大会なのですが、経験上、なぜか逆風のことが多いです。北から南に走るコースなのですが……。
この向かい風とスカイブリッジ、マリンブリッジのアップダウンが「あと数秒」の関門突破ゲームでは最大の難敵となって立ちふさがるでしょう。

2月の大会なので、年末年始で遊び呆けた体に活を入れて、シーズン最後かつ「第二志望」としていつもエントリーしていました。

私の場合はひどい花粉症であり、毎年3月中旬~5月上旬は「鼻水が止まらない」「生きているだけでダルイ」時期になります。この時期は、花粉症のために何度挑戦してもベストパフォーマンスを発揮することはできませんでした。

走り始めの頃には何度も挑戦しましたが、花粉症の時期には15%ぐらいは戦力(走力)ダウンすることがわかって、この時期に勝負レースは外すようになりました。

最終的には10月~2月下旬までをマラソンシーズンと決めて、花粉症がはじまる3月以降は「膝を休める時期」にして、練習も抑える一年間のパターンができあがりました。

年を通して走り続けるのではなく、シーズンオフを導入すると、ゆっくり休養することが出来ます。

そのかわり10月のオンシーズンに向けて、はじめから(ダイエットとジョギングから)やり直さなければなりません。

しかし、人間、一度できたことはすぐにできるようになるものです。

自転車の新城幸也選手とか、スケートの高橋大輔選手などが、大怪我・大手術などで健常者以下の脚(歩くことさえできない)になっても、トレーニングするとまた人並み以上のパフォーマンスを発揮できるようになることがその証拠です。

スポーツは、筋肉だけでなく、脳でやるものだからでしょう。

そこに素晴らしい筋肉があったことを脳が覚えているから復活できるのです。素晴らしいパフォーマンスができたことを脳が覚えているから、怪我したマイナスの脚からでも、みごとに復活できるのです。

1年間の恒例ルーティーンができあがることで、生活にリズムが出てきます。
季節感を楽しみながら、体力や集中力を高め、受験生のようにマラソンに挑戦していました。

そして万が一、勝負レースで目標タイムを達成できなかったときには、残念ですが、一年間の浪人生活に突入です。

すぐ次のレースで自己ベストが達成できるかもしれないと思いたいのが人情ですが、ベストコンディションで、ベストパフォーマンスを発揮して達成できなかったのでしたら、力不足です。いさぎよく諦めましょう。次のレース、次のレースとズルズルとやっても、ペストパフォーマンスは発揮できません。来シーズンまで、きっぱりと諦めましょう。

そして来年のベストシーズンが来たら、またベストバージョンの自分が発揮できるように、積み上げていくのです。

やっぱり、マラソンって受験に似ていると思いませんか?

万が一、自己ベストが更新できる条件の整ったレースを走れたら、幸運を神に感謝しましょう。それは滅多にないことです。

この次のレースなんてありません。「いま、ここ」このレースで自己ベストを更新すべきです。

遊びだからこそ、全力を尽くして勝ちに行きましょう。それが楽しく遊ぶということです。

紹介した以外にも、たくさんの市民マラソンレースがあります。ご自身にとってベストパフォーマンスが発揮できる大会を選んで、そこにフォーカスして全能力をぶつけていくことがゲームを面白くする魔法の粉だと思います。

※最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんのランニングの参考になりましたでしょうか。このブログでは他にもランニングの技術を紹介しています。よろしかったらこちらをご覧ください。

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このブログ著者の小説『結婚』
小説『結婚』
愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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このブログの著者の小説『片翼の翼』
小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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【この記事を書いている人】

アリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。

【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。 市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。 また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。 そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。 その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。 登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。
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