左右別のシューズを履いて走る、ちんば練習
市民ランナーのランニングシューズの選び方をここでは解説しています。
最高の結果を残すためのシューズとはどんなものでしょうか。何を基準に選べばいいのでしょうか?
「弘法筆を選ばず」という考え方もありますが、ランニングシューズに関してはそうではありません。登山靴では速くは走れません。1秒でもいいから速く走りたいと考えるならば、ランニングシューズのことは、熟慮する必要があります。
ここでは市民ランナーのランニングシューズの靴底ソールの問題をとりあげています。
はっきりいって最適のシューズはいくら頭で考えてもわかるものではありません。実際に履いてレースペースで走ってみるしかありません。
最適のシューズは、理屈でなく、おのれの肉体に訊いてください。

どのシューズが自分に合うか、わからなかったら左右別シューズを履いて走る「ちんば練習」をして、レース前に確かめることをオススメします。
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雑誌『ランナーズ』のライターが語るマラソンの新メソッド。ランニングフォームをつくるための脳内イメージ・言葉によって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。
(本文より)
【入力ワード】写真からランニングフォームを学ぼうとする人が多いので注意喚起したいと思います。写真からフォームを学ぶのはお勧めできません。写真というのは瞬間を切り取ったものなので、間違った解釈をする可能性があるからです。「振り上げた脚」(往路)なのか「戻ってきた脚」(復路)なのか、写真ではわかりません。大地を蹴ったように見えている脚が本当に大地を蹴っているのか、大地を蹴ったように見えているだけなのか、写真からはよくわからないからです。写真で振り上げた膝の高さを見て「ふむふむ、膝はここまで上げるのか」と思い込んでマネするのもよくありません。慣性の法則で結果として脚がそこまで上がっているだけで、実際のランナーの意識としてはそこまで上げようとしていないかもしれません。「結果としてのフォーム」と「ランナー本人の走るときのフォーム意識(入力ワード)」は、必ずしも同じではないのです。
【腹圧をかける走法】そもそも息をするのは、酸素を吸うためです。吐くことよりも、吸うことに意識をおくほうが自然な発想です。肺の中に残っている空気(残気量)は、どうせゼロにはできないのです。吐き切るという努力は、動かない壁を押すような無駄な努力です。そこに力を割くべきではありません。持ち上がらないバーベルを無理やり持ち上げようと喘ぐと、余計に息が苦しくなってしまいます。楽に息するのとは真逆のことです。それよりも思いっきり吸うことです。そのための走法が腹圧をかける走法です。肺を絞って痩せた人のように走るのではなく、腹はたるんたるんと力を抜いてだらしなく腹が太った人のように走ります。そもそも重力は下向きなのだから、横隔膜を下げることは理にかなったことです。それに対して、吐き切ることを意識すると、重力に逆らって横隔膜を持ち上げながら肺を絞らなければなりません。どちらが楽にできると思いますか?
【ストライド走法】ピッチ走法には大問題があります。実は、苦しくなった時、ピッチを維持する最も効果的な方法はストライドを狭めることです。高速ピッチを刻むというのは、時としてストライドを犠牲にして成立しているのです。
【踵落としを効果的に決める走法】私はカラテ素人ですが、サブスリーランナーとして、すくなくとも「踵落とし」を無力化する方法をすぐに思いつくことができます。答えはカンタン。攻撃側が踵を振り上げて止まったポイント(これを上死点といいます)に、自ら打撃ポイント(脳天など)を近づけていくことです。上死点では運動エネルギーがゼロになっているために、破壊力もゼロです。上死点から距離をとらないことで「踵落とし」というキックを無力化できます。
ストライドを稼ぎたいあまりに、未熟ランナーほど振り出した前足が最も伸びきったところで着地してしまうのです。つまり「膝が伸びきったまま」「踵から着地」してしまうのです。これは「踵落とし」の運動エネルギーがゼロになっている上死点で着地してしまっているのと同じことです。これでは速く走ることはできません。
言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化して速く走れるようになる新理論の書。言葉による走法革命。とくに走法が未熟な市民ランナーであればあるほど効果的です。本書はあなたのランニングを進化させ、市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」「かかと落としを効果的に決める走法」「ハサミは両方に開かれる走法」「腹圧をかける走法」
●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」
●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
●【肉体宣言】生きていることのよろこびは身体をつかうことにこそある。
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※※※YouTube動画はじめました※※※
書籍『市民ランナーという走り方(マラソンサブスリー・グランドスラム養成講座)』の内容をYouTubeにて公開しています。言葉のイメージ喚起力でランニングフォームを最適化して、同じ練習量でも速く走れるようになるランニング新メソッドについて解説しています。
『マラソンの走り方・サブスリー養成講座』
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日曜劇場『陸王』。靴底ソールの差は確実にある
ひとりの市民ランナーとして、テレビドラマ日曜劇場『陸王』を、パートナーのイロハと一緒に面白く視聴していました。イロハはランニングはシロウトなので、ランニング雑誌に執筆していた経験もある私にテクニカルなことを質問してきます。
イロハ「へえ。陸上競技って靴で決まるんだね~」
ハルト「いやいやいやいやいや!! 決めるのはアスリートの肉体で、靴じゃ決まらんよ」
思わず猛烈にツッコんでしまいました。勝負が靴で決まるわけがありません。決めるのは肉体です。
アシックスやアディダスといった大企業が威信をかけてアスリートに提供しているフラグシップモデル同士で、片方が故障を誘発し、片方が故障しにくいというほど性能差があるなんてことは現在ではありえません。
しかしソールの差ってものは確実にあるから、その差を誇張して『陸王』のように表現にすることは“あり”だと思います。
実際、ランニングシューズは、ラスト数秒の決め手にはなってくれるでしょう。
イロハ「やっぱり靴底の差はあるんだ」
ハルト「もちろんあるよ。たとえば、クライミングシューズって知ってる? フリークライミングの時に使用する専用靴だ。
中国の纏足女性の靴みたいに足を丸めて小さくして履くシューズなんだけど、ランニングシューズとは比較にならないぐらい靴底がカチカチに硬いんだ。どうしてだかわかる?」
イロハ「壁の上で小さな突起物につま先部分だけで乗っかってる時に、靴底がぐにゃりと曲がると困るから?」
ハルト「そのとおり! 靴底が柔らかすぎると体重でグニャっと曲がって突起から落っこちちゃう。靴底っていうのはそういう役割を担っているのさ。同じように陸上選手にも、彼のフォームにふさわしいソールっていうのがあるんだよ」
イロハ「ハルトにもそういうのがあった?」
ハルト「ドラマ『陸王』の場合、ニューイヤー駅伝レベルのトップアスリートの世界の話しだから、選手個人の足型があってスポンサー企業の特注で作られている場合もあるんだ。
市民ランナーは市販の量産シューズの中からもっとも自分に適している靴を選んでいくわけだけれども、やっぱり速く走れる靴、長く走れる靴、ジョギングが気持ちいい靴、いろいろあったよ」
ちんば練習。左右別シューズでの試走のすすめ
イロハ「そういうのって履いて全然違うの? どうやって選べばいいの?」
ハルト「おれは左右別のシューズを履いて試してた。右はアシックスの『ターサー』。左はアディダスの『REN』という具合に」
アシックスのターサージャパン。何足も履きつぶした主力シューズのひとつです。
同じくアディダスのアディゼロREN。わたしがサブスリーを連発したシューズです。実際にどちらのシューズを履くべきか、頭でいくら考えてもわかるものではありません。
そういう場合、私は両方のシューズを買って左右別々に履く「ちんば練習」で決めていました。
イロハ「うわっ。カッコ悪い! 左右別々の靴で走ってたの?」
ハルト「それが一番、自分に合うシューズがわかるんだよ。お米の種類を味でわかる人がいるけど、同時に一緒に食べないと判別するのは難しいんじゃないかな?」
イロハ「たしかにイチゴ狩りに行っても一種類しか食べないと種類の違いがわからないけれど、同時に数種類を食べると明らかに味の違いがわかるものね。シューズも同時に履くからこそ微妙な違いがわかるのか。でも…恥ずかしくなかった?」
ハルト「夜ラン派だから大丈夫。暗くなってから走ってたから、誰もおれの足元なんて見ていないよ」

イロハ「そっか。左右別々のシューズで走ってたのか。女子ランナーにはちょっと微妙なところね。恥ずかしすぎる」
ハルト「微妙な接地の感触を確かめるためだよ。左右別々の靴で走る練習。これを『チンバ練習』と名付けよう」
イロハ「ところで、ちんばって何?」
ハルト「あれ? 関東じゃ言わない? 左右非対称のことをチンバっていうんだけど、名古屋あたりの方言かな?」
※このコラムの執筆者は名古屋の出身です。
決戦用シューズはチンバ練習トーナメント戦のすえに選ぶ
ちんば練習で大事なのはレーススピードで走ってみることです。
走るスピードで体の前傾具合や、靴底が接地する位置などは変わってくるから、レースシューズはレーススピードで走って選ばないと本当のことは何もわかりません。
よくスポーツショップで軽くジャンプしたり、店内を軽くジョギングしてみてランニングシューズを決めている人がいるけれど、あれはフィット感を確かめているだけです。本当に自分のフォームに合ったシューズかどうかまではわかりません。
秒単位で削る気持ちでシューズを選ぶなら、めぼしい靴を数足買って『左右別シューズでの試走』チンバ練習をすることをオススメします。
イロハ「試走は夜にね(笑)」
ハルト「チンバ練習には、走る感覚が変わって練習が退屈しないというメリットもあるよ。
起伏のない市街地に住んでいる市民ランナーの練習はどうしても単調になりがちだから、左右違うシューズを履いて走るのは、イベントみたいなものなんだ。左右のシューズの何が違うのか、どうして違うのか、それを研究することは、自分の走りを研究することでもあるんだよ」
イロハ「なるほど。ランナーじゃない私にもよくわかった」
ハルト「秒単位で勝負する最適のランニングシューズを選びたいのならば、数足買って、チンバ練習トーナメント戦の末に選ぶことだよ。
おれが試してみてほしいシューズはこれだね。

人間は本当は左右の足の長さだって違うし、路面だって雨水が溜まらないように路肩側が低くなっているのだから、左右別のチンバシューズでレースに出るという手だって本当はあるはずなんだ。
左は27センチの靴、右は27.5センチの靴が最適だったら、市民ランナーは違うセットのシューズを組み合わせるしかないじゃん。
やれることはすべてやる。それが秒単位でタイムを縮めるということの本質なんだよ」
イロハ「チンバかあ。恥ずかしいけど、自己ベストのためになりふり構わず、だね!」
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雑誌『ランナーズ』のライターが語るマラソンの新メソッド。ランニングフォームをつくるための脳内イメージ・言葉によって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。
(本文より)
【入力ワード】写真からランニングフォームを学ぼうとする人が多いので注意喚起したいと思います。写真からフォームを学ぶのはお勧めできません。写真というのは瞬間を切り取ったものなので、間違った解釈をする可能性があるからです。「振り上げた脚」(往路)なのか「戻ってきた脚」(復路)なのか、写真ではわかりません。大地を蹴ったように見えている脚が本当に大地を蹴っているのか、大地を蹴ったように見えているだけなのか、写真からはよくわからないからです。写真で振り上げた膝の高さを見て「ふむふむ、膝はここまで上げるのか」と思い込んでマネするのもよくありません。慣性の法則で結果として脚がそこまで上がっているだけで、実際のランナーの意識としてはそこまで上げようとしていないかもしれません。「結果としてのフォーム」と「ランナー本人の走るときのフォーム意識(入力ワード)」は、必ずしも同じではないのです。
【腹圧をかける走法】そもそも息をするのは、酸素を吸うためです。吐くことよりも、吸うことに意識をおくほうが自然な発想です。肺の中に残っている空気(残気量)は、どうせゼロにはできないのです。吐き切るという努力は、動かない壁を押すような無駄な努力です。そこに力を割くべきではありません。持ち上がらないバーベルを無理やり持ち上げようと喘ぐと、余計に息が苦しくなってしまいます。楽に息するのとは真逆のことです。それよりも思いっきり吸うことです。そのための走法が腹圧をかける走法です。肺を絞って痩せた人のように走るのではなく、腹はたるんたるんと力を抜いてだらしなく腹が太った人のように走ります。そもそも重力は下向きなのだから、横隔膜を下げることは理にかなったことです。それに対して、吐き切ることを意識すると、重力に逆らって横隔膜を持ち上げながら肺を絞らなければなりません。どちらが楽にできると思いますか?
【ストライド走法】ピッチ走法には大問題があります。実は、苦しくなった時、ピッチを維持する最も効果的な方法はストライドを狭めることです。高速ピッチを刻むというのは、時としてストライドを犠牲にして成立しているのです。
【踵落としを効果的に決める走法】私はカラテ素人ですが、サブスリーランナーとして、すくなくとも「踵落とし」を無力化する方法をすぐに思いつくことができます。答えはカンタン。攻撃側が踵を振り上げて止まったポイント(これを上死点といいます)に、自ら打撃ポイント(脳天など)を近づけていくことです。上死点では運動エネルギーがゼロになっているために、破壊力もゼロです。上死点から距離をとらないことで「踵落とし」というキックを無力化できます。
ストライドを稼ぎたいあまりに、未熟ランナーほど振り出した前足が最も伸びきったところで着地してしまうのです。つまり「膝が伸びきったまま」「踵から着地」してしまうのです。これは「踵落とし」の運動エネルギーがゼロになっている上死点で着地してしまっているのと同じことです。これでは速く走ることはできません。
言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化して速く走れるようになる新理論の書。言葉による走法革命。とくに走法が未熟な市民ランナーであればあるほど効果的です。本書はあなたのランニングを進化させ、市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」「かかと落としを効果的に決める走法」「ハサミは両方に開かれる走法」「腹圧をかける走法」
●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」
●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
●【肉体宣言】生きていることのよろこびは身体をつかうことにこそある。
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