どのスポーツから転向してきた人が、ロードバイク乗りに向いているのか?
どうもハルトです。みなさん今日も元気にロードバイクに乗っていますか?
現在、ロードバイクにはまっているみなさんも、最初のスポーツが競技自転車だったという人はすくないのではないでしょうか?
新城幸也選手はもともとはハンドボールの選手だったそうです。ロードバイクの本場ヨーロッパならともかく、日本では「自転車競技部」をもっている学校なんて少ないですから、はじめは何か別のスポーツをやっていて、きっかけがあってロードバイクをはじめたという人がほとんどなのではないかと思います。
それではどのスポーツから転向してきた人が、ロードバイク乗りに向いているのでしょうか?
強いロードレーサーになるのは、どのスポーツからの転向組でしょうか?
マラソン選手とサッカー選手、どちらがロードレーサーに向いているのでしょうか?
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このブログの作者の書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』のご紹介
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードをガチンコで競うようになるところまでを描いた自転車エッセイ集です。
※書籍の内容
●スピードこそロードバイクのレーゾンデートル
●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。体重ライディング理論。体重ペダリングのやり方
●アマチュアのロードバイク乗りの最高速度ってどれくらい?
●ロードバイクは屋外で保管できるのか?
●ロードバイクに名前をつける。
●アパートでローラー台トレーニングすることは可能か?
●ロードバイククラブの入り方。嫌われない新入部員の作法
●ロードバイク乗りが、クロストレーニングとしてマラソンを取り入れることのメリット・デメリット
●ロードバイクとマラソンの両立は可能か? サブスリーランナーはロードバイクに乗っても速いのか?
●スピードスケートの選手がロードバイクをトレーニングに取り入れる理由
初心者から上級者まで広く対象とした内容になっています。
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マラソンとロードバイクの両立は可能か? マラソンからの転向組の現状
この記事の執筆者はマラソンからの転向組です。ランニングの世界では市民ランナーの三冠王グランドスラムを達成し、やりきった感をもっています。そこで新しい世界をもとめてロードバイクの世界に転向しました。
※私のマラソン本です。言葉のイメージ喚起力で速く走れるようになるという新メソッドを提唱しています。
過去に一度、自転車(ロードバイク)とランニングは両立できるのか、検証をしています。
まとめると要旨はこうなります。
「そのスポーツに最適の筋肉量や体重というものがあります。上位レベルになればなるほど、その競技に適した筋肉の付き方をしているかどうかが問題となります。レベルが上がるほど両立は難しくなります。
マラソンもロードレーサーもどちらも世界一ということは無理です。しかし市民レベルならば心肺機能や毛細血管の発達など共通部分も多いから高いレベルをキープすることは、可能でしょう」
という内容でした。
『ロードバイク(自転車)とランニングの両立は可能か? サブスリーランナーはロードレーサーに乗っても速いのか?』
いわば筋肉にスポットを当ててマラソンとロードバイクの両立を検証をしたわけですが、今回は、脳ミソの部分ではどうなのか? にスポットを当てて、ロードバイクに向いているスポーツを探ってみましょう。
自転車は他のスポーツからの転向者が多い
ロードバイクのマンガ『弱虫ペダル』。主人公・小野田坂道くんが、他のスポーツはぜんぜんダメだけれど、ロードバイクは速いというキャラクター設定になっています。
漫画的な誇張はありすぎですが、これは決して嘘ではありません。
小野田くんをロードバイクの世界の誘う場面で鳴子章吉くんが「たいていのスポーツでは体重の処理が大問題だけれど、ロードバイクは車体が体重を支えてくれるから問題にならない。ただ前に進む筋肉だけあればいい…(だからキミは向いている)」的なニュアンスの発言をします。
さすが作者の渡辺航先生はよくわかっているなあ、という気がします。さらりと核心を突いた奥深いセリフだと思っています。
自転車(ロードバイク)は転向者が多い競技です。最初にはじめた競技スポーツが自転車だという人は日本には少ないのが現実です。これは競技自転車が、ちょっとテニスを始めるのとは比較にならないお金がかかることと、あまりにも危険であること(場合によっては死ぬこともある)が、初心者の敷居を高くしている原因だと想像されます。
小野田坂道くんの進学した総北高校には自転車競技部がありましたが、そもそも自転車競技部なんかないという学校も多いのではないでしょうか。もしも野球部がない学校だったら「まともな学校か?」と疑ってしまうほどですが、自転車競技部がなくても別にフツーの学校だと思ってしまいます。
そういう状況もあって、自転車はたいていが他の競技からの転向者です。
自転車にはどの競技からの転向者が向いているのか?
どの競技からの転向者がもっとも自転車の世界で成功するのでしょうか?
まず最初に思い浮かぶのは陸上選手ではないでしょうか。同じように脚を回転させる競技(ピストン運動に近い)ですから。
ミスター競輪・中野浩一選手は陸上(短距離)からの転向組だそうです。
ちなみに競輪選手=短距離走者なら、ツール・ド・フランスのようなロードレーサー=長距離走者です。
私がそう考えたように、マラソン走者がロードレーサーに乗ったら成功するのでないか、そう思っても不思議はありません。しかし現実は、そんなに単純な話しではありませんでした。
ロードバイクに転向した時、師匠格の人に言われた忘れられない言葉があります。
「ロードバイクは陸上系の人よりも、野球やバスケなど球技系の人の方が上達することが多いんだ」
なるほど、よく観察された、重みのある一言だと今では思っています。
禅(無心)の境地にいたるのが瞑想ランニングの極意
孤独な長距離ランナーたちは、こう考えています。
本当の全力とは己のすべての力をつかって、自分の領域(ゾーン)に行くことだ。熱中とか全力というものは個人的なものだ。本当の熱狂とは他者を無視するものだ。人を待ったり、人に合わせたりするものではなく、他人を置き去りにするものだ。
孤独な長距離ランナーはそんな風に感じています。
無心になることが最高の境地です。走っている時には何も考えていません。禅の境地にいたるのが瞑想ランニングの極意です。
周囲に気を配るという意味で、ロードレーサーに似ているのは陸上系よりも集団球技系からの転向組
ところが自転車(ロードバイク)は、無心でなんかいられません。路面状況や、集団の動きや、ローテーションなどで、常に周囲に意識を配っていなくてはなりません。無心でいたりしたら、たちまち周囲と接触して落車してしまうでしょう。
つまりランニングとロードバイクは似て非なる競技だということです。単純な筋肉運動の繰り返しであることは似ていますが、頭の中身はぜんぜん違うということです。
周囲に気を配るという意味で、ロードレーサーに似ているのはむしろ球技です。
野球やサッカーのような球技はひとりではできません。仲間や敵の動きを見ながらプレイするものです。そういう脳の働きが似ているから、陸上選手よりも球技系の選手の方が上達することが多いと私の師匠は言ったのでしょう。
個人競技に見えて、実はビックリするほど集団競技なのが、ロードバイク乗り
スポーツは筋肉だけで行うものではありません。頭を使って行うものです。
無心や思索を愛する長距離ランナーよりも、コミュニケーションをとって連携したり一体感を重視する球技系の選手の方がロードバイクには確かに向いていると言えるかもしれません。
孤独な長距離ランナーに向いているのは、受験勉強とかゲームとか、プログラミングとか執筆のような個人的な作業です。
スポーツ選手は脳筋バカか? マラソンは受験、セックスに似ている
しかし戦争にせよ、政治にせよ、会社の企業努力にせよ、人は一人では何もできないのですから、本当の意味で大きな仕事を成し遂げるのは、マラソンよりも集団球技系の人たちなのかもしれません。そしてロードバイク乗りも、意外なことに、こっちのタイプに含まれます。
個人競技に見えて、実はビックリするほど集団競技なのが、ロードレーサーです。孤独に見えて、実はそうではありません。