病気を治すのは人間が本来持っている免疫、自然治癒力。
こちらのページでは中村仁一の『大往生したけりゃ医療とかかわるな』(「自然死」のすすめ)という本について書評しています。著者は老人ホームの看取り医です。たくさんの死を見てきた経験から、延命医療が人の死を苦しめているのであって、自然死はそんなに苦しくないのだ、ということを知って、著作活動で啓発しているのでした。
「自然死のすすめ」というのは、①自然死は苦しくない②医学信仰は間違い。
という二本の柱から理論武装されています。
病院に行くと病気になる。病院ぎらいのはじめての人間ドック体験記。
病院(医者)は何もしてくれない。病気を治すのは自分
病気を治すのは人間が本来持っている免疫、自然治癒力です。
断食。エンザイム。オートファジー現象。血管内プラークで生きていく断食派の悟りの境地について
だからたとえば解熱剤は、熱によって免疫力をあげる自然治癒力を邪魔しているのです。
医者の診断は、病人の不安解消のためであることがほとんどで、病名がわかったところで治療方法がないことも多いのです。たとえば整形外科医はレントゲンを撮って湿布をくれますが、ほとんど何もしてくれません。直すのはあくまでも本人の治癒力です。
医療ミスによって重大な後遺症を負った場合、医者に損害賠償請求することができるか?
自然死は餓死、脱水症状。脳内モルヒネによって苦しくない

薬は人体にとって異物であって、自然治癒力を助けるものにすぎません。
自然死は餓死であり脱水症状による死だと筆者はいいます。
そもそも飢餓は脳内モルヒネ状物質が分泌されます。だからダイエットは癖になるし、ダイエット本は売れるのです。
快楽のランニング・ダイエット。アドレナリンが血糖値を上げ、食欲を抑える
脱水は血液が濃く煮詰まります、すると意識レベルがさがってぼんやりとした状態になる。つまり「苦しい」と感じにくくなります。意識がぼんやりすれば苦しむことなく死ぬことができます。
酸欠もまた脳内モルヒネ状物質が分泌されます。ランナーズハイという状態には酸欠の苦しさも関係しているかもしれませんね。たしかにしばらく走ると、走り始めた頃のよりもスピードは上がっているのに苦しくありません。
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雑誌『ランナーズ』のライターが語るマラソンの新メソッド。ランニングフォームをつくるための脳内イメージ・言葉によって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化して速く走れるようになる新理論。言葉による走法革命のやり方は、とくに走法が未熟な市民ランナーであればあるほど効果的です。あなたのランニングを進化させ、市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」「かかと落としを効果的に決める走法」「ハサミは両方に開かれる走法」
●腹圧をかける走法。呼吸の限界がスピードの限界。背の低い、太った人のように走る。
●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」の本当の意味は?
●【肉体宣言】生きていることのよろこびは身体をつかうことにこそある。
(本文より)
・マラソンクイズ「二本の脚は円を描くコンパスのようなものです。腰を落とした方が歩幅はひろがります。腰の位置を高く保つと、必然的に歩幅は狭まります。しかし従来のマラソン本では腰高のランニングフォームをすすめています。どうして陸上コーチたちは歩幅が広くなる腰低フォームではなく、歩幅が狭くなる腰高フォームを推奨するのでしょうか?」このクイズに即答できないなら、あなたのランニングフォームには大きく改善する余地があります。
・ピッチ走法には大問題があります。実は、苦しくなった時、ピッチを維持する最も効果的な方法はストライドを狭めることです。高速ピッチを刻むというのは、時としてストライドを犠牲にして成立しているのです。
・鳥が大空を舞うように、クジラが大海を泳ぐように、神からさずかった肉体でこの世界を駆けめぐることが生きがいです。神は、犬や猫にもこの世界を楽しむすべをあたえてくださいました。人間だって同じです。
・あなたはもっとも自分がインスピレーションを感じた「イメージを伝える言葉」を自分の胸に抱いて練習すればいいのです。最高の表現は「あなた」自身が見つけることです。あなたの経験に裏打ちされた、あなたの表現ほど、あなたにとってふさわしい言葉は他にありません。
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SMプレイで行為(セッ●ス)中に相手の首を絞めるというプレイがあるそうです。私はやったことありませんが、阿部定という有名な女性が相手の男性を殺してしまったのは殺意があってのことではなく「首絞めプレイ」が行き過ぎたためだと言われています。なんでそんなことをしたかというと、もちろん気持ちがいいからなんでしょう。酸欠は気持ちいいのです。
ンギモヂイイイイィィ!!!!
炭酸ガスが体内に貯溜することには麻酔作用があります。
なぜ自然死は苦しくないかという本書の根拠は、老化による自然死は一種の飢餓、脱水症状であり、それらは苦しくないような天性のシステムが備わっているからだ、というのが理由です。
死に際はそっとしておくのがいちばんの思いやりだと筆者はいいます。
食べないから死ぬのではない。死に時が来たから食べないのだ

ガンで痛みが出るのは、放射能を浴びたり、猛毒の抗がん剤で臓器を痛めつけるせいなのだそうです。対症療法の治療をしなければガンは痛い病気ではないそうです。
極限状態で脳内モルヒネ様物質が出るという話しは信じていいそうです。でも延命治療をすると、せっかく穏やかに死ねるチャンスを逸することになるのです。
回復する見込みがあれば辛い治療にも耐えるでしょうが、老化というのは異常があってあたりまえです、回復する見込みがないのにQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を失ってほんのわずか延命して何になるでしょうか。
【心臓弁膜置換術】死者蘇生の錬金術。止まった心臓が再び動き出す
命の火が消えかかっているときには、腹も減らない、喉も渇かない。と筆者はいいます。すると腹水などの余分な水は生命維持に必要な水分として消費されて消えるそうです。断食の発想を思わせますね。
病院に行くと病気になる。病院ぎらいのはじめての人間ドック体験記。
自然死は無事に死ねるのです。死が苦しいのは胃ろうや放射線治療のような医療行為のせいだというのが本書の主張です。
延命治療は拒否します。穏やかで安らかな自然死コースを選ぼう。

現代では「介護の拷問」を受けないと死なせてもらえないことになっているそうです。
悲惨と思われている「孤独死」「野たれ死に」はむしろ飢餓、脱水症状という穏やかで安らかな自然死コースなのだそうです。逆に悲惨なのはむしろ「延命治療」「介護の拷問」なのだそうです。
現代の医療は「できるだけ手を尽くす」が「できる限り苦しめて、たっぷり地獄をあじあわせる」とほぼ同義になっていると筆者はいいます。非常に印象的な言葉でした。
老化というのは避けられない症状です。どこかからだにおかしいところがあってあたりまえなのです。
リハビリ信仰も考えものです。手足がもげて無くなれば、もはや生えてくることはないとあきらめもつきますが、動かない手足に十年もリハビリして人生を空費する人も多いそうです。健康に戻れる希望に、諦めがつかないんですね。
なまじな希望が、地獄を生みます。年寄りが健康(若い頃と同じ状態)になるというのは、ありえない希望です。そこにこだわりすぎて人生を空費しないようにしましょう。
周囲に死にゆく姿を見せるのが生まれた人間の最後のつとめだと筆者はいいます。ポックリ死の希望者はケチの極みだとか。「死にざまを見せてやりゃあいいのに」
人間、ピンチの時に本性が現れます。『夜と霧』でフランクル博士が説いた「態度価値」は死に際してもっとも現れます。そのとき延命治療で意思表示もできないまま苦しみ抜くのではなく、天然モルヒネ状物質の助けを借りておだやかに自然死したいものだと思いました。

