医療ミスによって重大な後遺症を負った場合、損害賠償請求することができるか?
ひどい坐骨神経痛に悩まされています。最悪の場合には脊髄の手術が必要かもしれません。
【実体験】神経根型の脊柱管狭窄症(坐骨神経痛)は自然治癒するのか?
脊髄の手術ということで、下半身不随などの手術ミスが心配されます。万が一、医療ミスによって重大な後遺症を負った場合、医者に損害賠償を請求することはできるのでしょうか。気になったので調べてみました。
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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。
「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか?
いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」「かかと落としを効果的に決める走法」
●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム?
●ピッチ走法よりもストライド走法! ハサミは両方に開かれる走法。
●スピードで遊ぶ。スピードを楽しむ。オオカミランニングのすすめ。
●腹圧をかける走法。呼吸の限界がスピードの限界。背の低い、太った人のように走る。
●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
※カルペ・ディエム。この本は「ハウツーランニング」の体裁をした市民ランナーという生き方に関する本です。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。
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手術同意書(インフォームド・コンセント)と手術ミス。
オペの前にまず確実に「手術同意書」を書かされると思いますが、内容を熟読しましょう。
一般的に「手術同意書」の内容は、事前に手術内容について説明を受けており理解しました、というインフォームド・コンセントについての同意書であることがほとんどです。インフォームド・コンセントというのは自己決定権の確認のことです。「あなたには手術を受けない権利があります。でも自分の意志で手術を選ぶのですね?」という自己決定権の確認をしているのです。
手術の危険性や感染症の可能性があることなどを理解した上で体にメスを入れることを了承するという内容です。
だから手術の後で感染症などが起こって後遺症が出たりした場合には「想定されている」として医者に医療過誤の損害賠償請求はできない可能性があります。もちろん程度によります。しかし「想定されていない」ほどひどい医療ミスがあった場合にはこのかぎりではありません。
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このブログの作者の書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』のご紹介
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードをガチンコで競うようになるところまでを描いた自転車エッセイ集です。
※書籍の内容
●スピードこそロードバイクのレーゾンデートル
●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。体重ライディング理論。体重ペダリングのやり方
●アマチュアのロードバイク乗りの最高速度ってどれくらい?
●ロードバイクは屋外で保管できるのか?
●ロードバイクに名前をつける。
●アパートでローラー台トレーニングすることは可能か?
●ロードバイククラブの入り方。嫌われない新入部員の作法
●ロードバイク乗りが、クロストレーニングとしてマラソンを取り入れることのメリット・デメリット
●ロードバイクとマラソンの両立は可能か? サブスリーランナーはロードバイクに乗っても速いのか?
●スピードスケートの選手がロードバイクをトレーニングに取り入れる理由
初心者から上級者まで広く対象とした内容になっています。
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具体的な例で考える。脊髄の手術で下半身不随になった場合
ここで問いたいのは「想定されている」重大な後遺症のことではありません。「想定されていない」重大な後遺症のことです。
たとえばわたしの坐骨神経痛の場合、最悪の場合脊髄の手術が必要ですが、その手術で下半身不随になることまでは基本的には想定されていません。手術が失敗する確率は極めて低いとされている手術なのです。
それにもかかわらず、医者の明確な手術ミスにより下半身不随になった場合、損害賠償を請求できるか、ということです。
そもそも憲法・法律に違反する契約書・同意書は無効である
結論から言えば、たとえどんな内容の同意書であれ、明確な手術ミスによって下半身不随などの重大な後遺症が生じた場合、医療過誤の損害賠償請求はできます。
たとえどんな内容の同意書であれ、というのはたとえば「たとえどんな結果が生じようとも一切の責任を問いません」というような内容です。まともな病院でこんな同意書を書かされることはないでしょうが、ブラック・ジャック先生(ヤブ医者)なら書かされるかもしれません。「医療は賭けだ。リスクは承知の上だ」と叫ばれるかもしれません。
しかしそもそもどんな契約書、同意書を取り交わしていようとも、それが憲法、法律に違反する内容であった場合、取り交わした内容はそもそも無効なのです。
たとえば消費者金融でどんな高い利率の契約書を取り交わしても、利息制限法に定められた利率の上限を超えた部分は無効になります。
公序良俗に反する同意は無効です。そうでなかったら「内臓をお金で売る」同意書とか「安楽死を依頼する」同意書とか「手術ミスと見せかけて殺してもらう殺人依頼」だとか、すべてがまかり通ってしまいます。契約書や同意書が絶対ではないのです。
手術前の同意書は、儀式だと思ってサインしてしまって大丈夫です
わたしは医者でも弁護士でもないのですが、このコラムでは「~と思われます」とか「~可能性があります。専門家に相談しましょう」というような曖昧な表現を使いませんでした。「たとえどんな内容の同意書であれ、明確な手術ミスによって下半身不随などの重大な後遺症が生じた場合、医療過誤の損害賠償請求はできます」と断定する言葉づかいをしています。
それはこのコラムを書き上げるにあたって、裁判の判例や、過去の事例などを調べて書いているからです。
わたしは弁護士の資格を持っていませんが、弁護士の意見を引用して書き上げた場合、それは弁護士が書いているのと同じことです。
だから信じていただいて大丈夫です。
手術前の同意書にたとえどんな細則が書いてあろうとも、手術ミスによって後遺症が生じた場合、医療過誤の損害賠償請求はできます。
だから手術前の同意書は、手術前の儀式だと思ってサインしてしまって大丈夫です。