カミュ『ペスト』この世から病気がなくなっても、死と別離はなくならない。

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『ドラクエ的な人生』とは?

心の放浪者アリクラハルトの人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

書籍『市民ランナーという走り方(マラソン・サブスリー。グランドスラム養成講座)』。『通勤自転車からはじめるロードバイク生活』。小説『ツバサ』。『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』『読書家が選ぶ死ぬまでに読むべき名作文学 私的世界十大小説』『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』。Amazonキンドル書籍にて発売中。

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感染症の時代の生き方を歴史に学ぶ。カミュ『ペスト』

このページではアルベール・カミュ『ペスト』という書籍を通じて、感染症の時代の生き方を歴史に学んでいきたいと思っています。

感染症がもたらすものは畢竟「死」と「別離」だけです。

「死」と「別離」は感染症がなくなっても、この世から消えてなくなるものではありません。

今はコロナウィルスで人と人とがソーシャルディスタンスで隔てられていますが、やがて人は触れ合うようになるのです。間違いなく。

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このブログの著者が執筆した「なぜ生きるのか? 何のために生きるのか?」を追求した純文学小説です。

「きみが望むならあげるよ。海の底の珊瑚の白い花束を。ぼくのからだの一部だけど、きみが欲しいならあげる。」

「金色の波をすべるあなたは、まるで海に浮かぶ星のよう。夕日を背に浴び、きれいな軌跡をえがいて還ってくるの。夢みるように何度も何度も、波を泳いでわたしのもとへ。」

※本作は小説『ツバサ』の前編部分に相当するものです。

アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。

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感染症の時代はきっとそのうちに終わる

2020年の現代日本では新型コロナウィルスによる外出自粛要請という日々が続いています。

この病気の恐ろしいところは「うつされる心配」よりも「無自覚のまま他人にうつして(結果)命を奪ってしまう」ことにあるのではないでしょうか。

親孝行な人は老父母に会えませんし、老父母は生き甲斐の孫に会えないという時代になってしまいました。

ことに私が同情するのは、婚活適齢期の若者たちです。外出自粛じゃデートもできませんし、そもそもパートナーと知り合うことさえできません。オンライン飲み会なんて、楽しくあるべき人生が半分以下しか楽しめていないのと同じことです。

動物たちが会話もなしにコミュニケーションが成り立っているのは体と体でふれあっているからで、人間もそれは同じだと私は思っています。

でも安心してください。このような時代は長くは続きません。

なぜなら、感染症の脅威に人類が怯えたのは、これがはじめてではないからです。

過去、何度も、感染症の猛威は地球上を覆いつくしました。

1918年から1919年におきたスペイン風邪というインフルエンザでは約40,000,000人が死んだとされています。

第一次世界大戦(1914~1918年)の戦死者が10,000,000人ほどなので、かの有名な世界大戦の戦死者よりもスペイン風邪で死んだ人の方が4倍も多いのです。

『武器よさらば』
たとえ楽園が見つからなくても、探し求める旅の中に生きるのが旅人である。やるだけやった満足と一緒に死にたいのだ。それがおれの死に対するスタンスだ。古今東西の人類は、おれたちの先輩たちは、どう生きて、どう死んでいったのか。生きているあいだに何を掴み、何を感じて死んでいったのか?

このウィルスが戦争を終わらせた、とさえいわれるのも「むべなるかな」ですね。

しかし、このような最悪のパンデミックでさえも、いつのまにかおさまっているのです。

新型コロナウィルスの死者数は2020年8月現在まだ800,000人ほどです。スペイン風邪にくらべれば「(今のところ)たいしたことありません」。

もっとひどい感染症の時代も生きのびることができたのですから、今回の感染症もきっと生きのびることができるのだろうと思います。

それが歴史が教えてくれることです。

コロナ感染症の時代は四年で終わる。2024年4月に終息し日常生活が取り戻せる

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【書評】カミュ『ペスト』。黒死病ペストの感染隔離とロックダウンの人間模様

「昔も大丈夫だったんだ。今も大丈夫」と思えれば、勇気が出るのではないでしょうか。

そして感染症といえばもうひとつ黒死病と呼ばれた恐怖の「ペスト」を忘れることはできません。

今回はこのペストによる都市封鎖ロックダウンを描いたノーベル文学賞作家カミュの『ペスト』を通じて、感染症の時代をどう生きればいいのかを、みなさんとご一緒に考えていきたいと思います。

シーシュポスの神話。その徒労感に、人は耐えられない
「生きている歓び」は肉体を使うことでしか感じられない とあるビルディングの7階で働いている。私はエレベーターは使わない。マラソンランナーであるため、脚には自信がある。 仕事中にはなるべく自分の体を使うことにしている。およそ「生きてい...

はじめに物語の梗概を紹介することについての私の考え方はこちら。

物語のあらすじを紹介することについて
あらすじを読んで面白そうと思ったら、実際に照会している作品を手に取って読んでみてください。ガイドブックを読むだけでなく、実際の、本当の旅をしてください。そのためのイントロダクション・ガイダンスが、私の書評にできたらいいな、と思っています。

最初に、この小説はフィクションです。

ペストという感染症は現実のものですが、事実に取材したものではありません。

あくまでも作家の想像力の中でつむいだ物語です。それを知っておくことは大切なことです。

さて、ペストというのは、蚤によって媒介される感染症です。

よくネズミが原因と誤解されますが、ネズミに寄生するノミの吸血が原因です。

ノミが寄生するイヌやネコもペストの媒介者たりえます。

自宅待機に最適なペットはハムスター
感染症クラスターによる生活の変化 新型コロナウィルスの影響で、休校、自宅待機などで人々の生活が変わりはじめている。 託児所や小中学校が閉鎖している都道府県もあり、感染拡大を防ぐために自宅待機を要請されていることから、これまで外食や旅...

過去、猖獗をきわめたペスト。

滅び去ったと思われたペストが、鼠の死骸とともにある町に再び姿を現しました。

そして突如、知事がロックダウン宣言をします。

人々を脱出させないために、突然だったのでしょう。
事前通告したら、みんな街から逃げ出してしまいます。

そして何者も街の外に出ることができなくなってしまいました。

旅行好きな人は、旅行なんてできなくなってしまいました。

でもそんなの大した問題じゃありません。

問題は「死の恐怖に直面している」ことと「愛する人に会えなくなった」ということです。

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城塞都市は西欧型都市では普通。ロックダウンは日本では実施不可能ではないか?

日本で暮らしていると想像しにくいと思いますが、西欧型の都市は都市と田園がはっきりと分かれていて、往々にして城壁で囲まれています。

つまり門さえ塞げば、簡単に都市封鎖できてしまうのです。

ドラクエ的にいうと城塞都市メルキドは、西欧では珍しくありません。

逆に日本では都市と田舎が明確に分かれていません。

東海道新幹線に乗って東京から京都に向かっても、だらだらと住宅がひろがっていて、いつ都心を出たのかわかりません。

街と街の境目さえはっきりとしません。かろうじて川が住宅街を分けているだけです。

そのような日本でロックダウンというのは不可能に近いと思います。すべての道を塞がなければなりません。
そんなことできるのかいな。

たとえば千葉県野田市は市域をぐるりと川に囲まれています。全市民に莫大な補償・賠償を与えた上で、一度、そのような場所でロックダウン実験してみてはいかがでしょう? 野田市ならば封鎖は簡単です。数本の橋を塞げば原則OKですから。

でも北朝鮮みたいに川を徒渉して流山・柏に抜ける人が後を絶たないかもしれません。グライダーで亡命する人もいるかな?

日本では難しそうでも、城塞都市ならば可能です。

作品のモデルはフランス領アルジェリアのオラン市ですが、やはり壁と門がある都市の設定です。

実際に市の門が閉じられると、さまざまな不都合が生じます。

たとえば家族や恋人が分断されてしまいました。

一時的な別れと思っていたのでろくな挨拶もせずに別れた人と、金輪際会えないかもしれません。

妻が療養に出かけていた夫は突然妻に会えなくなってしまいました。

仕事でオラン市に来ていた男はパリの恋人に会えなくなってしまいました。

愛する人との再会を夢見る囚人や流刑者のような生活が、ロックダウンされた市で始まります。

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市民全員が囚人暮らし

物資は市外から搬入されますので飢え死にすることはありませんが、食料購買は制限され、ガソリンは割り当て制です。

観光都市だったオラン市の観光業は壊滅状態で、休職者が続出です。

客も来ないし、売るものもなければ、商売になりません。

やることのなくなった人々が、ストックしていた酒を飲みます、映画を観ます、カフェでだべって、街をブラブラしています。

伝染病で隔離という世界では、これまでの人権が通用しなくなります。

会いたい人に会えなくなります。町の外に出られなくなります。

人権も、自由も、ありません。そして、やることのない人々が広場にあふれています。

医者がペスト患者を認定すると、家族の愁嘆場が演じられます。

家族ですら一緒に暮らせません。そしてこれが永遠の別れかもしれないのです。

「ペストはすべてのものから恋愛と友情の能力さえも奪ってしまった」

カミュは書きます。

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カミュ『ペスト』の世界観から進化したインターネットの世界

カミュ『ペスト』の世界観にはインターネットがありません。逆にいえば、インターネット時代は「これまでになかった試み」ができるということです。オンライン飲み会や、テレワークなどが、これまでになかった試みだといえるでしょう。それを試せるのは、現代を生きる私たちの特権だといえそうです。

ネットのない世界で、市民全員が囚人になったような中で、個人的生活が始まります。
と同時に、個人的なものを断念する暮らしが始まります。

囚われの囚人が、何を求めて生きるのか? 愛する人との暮らしの他に?

ここでペストは、戦争を暗示しているかもしれません。

軍隊に隔離されて、死に直面しつつ、愛する人に会えない中で、何のために生きるのか? 何を求めて生きるのか?

ペストの前に愛は役に立ちません。

人と人は接触できず、死別により引き離されるだけです。

人と触れ合えば感染症という世界で、どうして恋愛や友情が育めたでしょうか。

あるいは囚人や獄中というものをペストは比喩しているといってもいいでしょう。

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どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか? このページは『刑務所なう。』について書いています。 著者はホリエモンこと堀江貴文さんです。 私は大学の卒業論文で『サド侯爵夫人』を書いて以来、獄中、牢獄と...
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『サド侯爵夫人』は三島由紀夫とサド侯爵の共著といってもいい作品。きわめてキリスト教的な作品です。神の敵について考えれば考えるほど、神についても考えざるを得ないからです。サドの光はイエスの光あってこそのものでした。神の天敵は、神のごとき存在なのです。
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えっ? いまさらキリスト教の神不在論争? 300年ぐらい時代錯誤じゃないか?

ペストの猖獗は「神の罰」だというキリスト教の司祭が登場します。

罪なき者が目を潰されるとなれば、キリスト教徒は、信仰を失うか、さもなくば眼を潰されるか、ということになります。

ペストで無垢な子供が苦しんで死んでいきます。

それを神の罰だと認めない人々は、神をも認めません。

キリスト教司祭は今こそ宗教の復権だと思いましたが、市民は宗教ではなく享楽に走りました。

死の影によって浪費に走ったのです。

私はちょっと驚いてしまいました。

えっ? いまさらキリスト教の神不在論争? 

まだ神との問答を続けているのか。

いい加減、卒業したら?

カミュは300年ぐらい作品の主題を時代錯誤してしまったのではないかと思いました。

古代、中世、ルネッサンスという歴史の流れがあります。

古代という時代が、キリスト教によって覆われて終わりました。

中世という時代になります。

神がすべてだった中世は、西暦400年ぐらいから1500年ぐらいまで続きます。

それがルネッサンスという人間中心の時代になってようやく終わりを告げるのです。

神の存在、不在論争は、中世のメインテーマです。

人間の理性と愛は、聖書に書いてあることと矛盾しないのか?

それが西洋文学のテーマでした。

千年以上にわたり延々とやってきた神の実在・不在論争を、まだやっているのか、と思いませんか?

そろそろ西洋文学も進化していいのではないでしょうか?

カミュは1960年に交通事故で死んだ作家です。

16世紀ぐらいまでで打ち止めしたはずの神問答を、20世紀までやる気なのかと、ちょっとうんざりしました。

神の実在を問う問答は、もういいんじゃないか?

とっくに時代遅れだという気がします。

もう神はいないってことでいいんじゃないか?

日本人の私などはそう思います。

勇気がないから、それを認められないのでしょうか?

あっさりそう思えないとしたら、刷り込み教育とはげに恐ろしいものです。

しかしこの世の秩序が死の掟に支配されている以上、人間が人間を求める以上、神不在論争はやむことはないのかもしれません。

魂の絶対の消滅に、人は耐えられないのかもしれません。

でもありとあらゆる動物が神など知らず死んでいくのですから、人間も同じでしょう。

文学的にはキリスト教問答だけではどん詰まりだと思います。

しかしカミュは神の不在問答だけでは終わりません。

不条理の作家と呼ばれる本領発揮はこれからです。

物語は神の論争だけでは終わりません。

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人間模様。ペストは昔からあったし、今もあるし、これからもある

物価は上がって生活必需品は足りないのに、ぜいたく品が乱費されました。

「恐怖のペスト禍」の中で奇妙な「やすらぎ」を感じる者もいました。

犯罪者は自分一人が逮捕に怯え裏切りを恐れ孤独だったのに、住民全員が怯え孤独な状態となって、奇妙な連帯感、安らぎすら感じていました。

ロックダウンされた街を逃亡しようとしていた者は、自分だけが非合法に抜けることを「恥」と感じてオラン市に残る心境変化をします。

愛する者から離れてまでペストの街に生きる値打ちはないと信じているのに、なぜという理由もわからず、そうしようとする自分の心境がわからない。

物体のようになすがままに処置を受けて死んだ司祭は、神の罰を受けたのでしょうか?

隔離された人々は、空漠たる目つきで、ものもいわず、呆然として、何もしていません。

息子を亡くした判事は人を裁く仕事ではなく志願のペスト事務に精を出します。

ペストのロックダウンの前から不条理という閉塞に苦しめられていた者は、いわばペストに苦しめられていたのと同じことです。今に始まったことではありません。

世界から追放され、何の価値もない人間になってしまったゆえに、生きる意味を探し求める。

「おれたちははじめからペスト患者だった。ペストの中でしか知れないこともあるんだ」

つまりそれが人生ってもので、それだけのことさ。

愛のない世界はさながら死滅した世界のようでした。牢獄や仕事や勇猛心にもうんざりして、人は愛情を求めるようになります。

こうして戦争(ペスト)は終わるのです。

理由もわからず、突然、引いていきます。

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感染症は不条理にも突如現れ、理由もわからず突然終息した

1月上旬の寒さの中、ペストは力を失いました。

有効な薬が開発されたわけでもなく、人間が何かをしたのではなく、勝手に退いていったのです。

「これで助かる」

わずかな希望で、ペストの恐怖は忘れさられたかのように見えます。

いまやロックダウン解除という時に、ペストに死んだ者もいました。

あとちょっと生きられたら、元通りの暮らしを送れたのに……そう思いますか?

ペストを知ってしまったら、もう平和はありえません。

戦争を終結させ、平和を不治の苦痛たらしめるところの沈黙の敗北、死を知ってしまいました。

主人公は、妻の死さえも平静をもって受け入れることができました。

心の準備はロックダウンの街で、シミュレーションができていました。

何の前触れもなく、人は突然いなくなる。それがペストの世界では常識だったからです。

ペストの時は呆然とした民衆だったのに、ペストから解放されたときには連帯感をもって共に祝いました。

しかしやってきた汽車の煙のよろこび(旅立ち、解放)に、連帯感はたちまち消え去ってしまったのです。

感染症は不条理にも突如現れ、理由もわからず突然終息しました。

また個人的な生活が再び始まります。

「すっかり削ってしまいましたよ、形容詞は全部」

ペストは心の中に巣くっていました。

恋人や家族を失った人には、相変わらずペストが続いていました。

いつかまたペストはやってきます。

「ペストなんて、つまりそれが人生ってもんで、それだけのことでさ」

ロックダウンが解除されても、人々は相変わらず同じようでした。

民衆の歓喜は常に脅かされます。
ペスト菌はけっして死ぬことも消滅することもありません。
どこかの幸福な都市に、いつかそれはやってきます。

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感染症がなくなっても死と別離はこの世からなくならない

ペストはやってきて去ったのではない。はじめから心の中にあって、今も存在する。忘れているだけで、いつかまたやってくる。

カミュは感染症をこう感じていました。

感染症がもたらすものは畢竟「死」と「別離」だけです。

「死」と「別離」は感染症がなくなっても、この世から消えてなくなるものではありません。

ここでのペストを人生の懊悩と捉えてもいいでしょうし、戦争と捉えることも可能です。

もちろん文字通り感染症と捉えることもできます。

新型コロナウィルスが猖獗する現在では、むしろ文字通り感染症と読む読み方が好まれていると聞きます。

この小説から学べることは、

・病気は不条理。流行に理由はない。

・感染症は、突如、理由もわからずおさまる。

・人間は忘れやすいもの。常に不意打ちされる。

たとえば洪水直後は海辺に住むのを止めようと思いますが、しばらくたつとまた海辺に家が建ち並びます。

今はコロナウィルスで人と人とがソーシャルディスタンスで隔てられていますが、やがて人は触れ合うようになるのです。

間違いなく。

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サハラ砂漠で大ジャンプする著者
【この記事を書いている人】

アリクラハルト。物書き。トウガラシ実存主義、新狩猟採集民族、遊民主義の提唱者。心の放浪者。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。山と渓谷社ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。ソウル日本人学校出身の帰国子女。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。放浪の旅人。大西洋上をのぞき世界一周しています。千葉県在住。

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●◎このブログ著者の小説『ツバサ』◎●
小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
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×   ×   ×   ×   ×   ×  (本文より)知りたかった文学の正体がわかった! かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。 しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。 世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。 すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。 『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。 その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
https://amzn.to/43j7R0Y
×   ×   ×   ×   ×   × 
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×   ×   ×   ×   ×   × 
◎このブログの著者の随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』
随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

Amazon.co.jp: 帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル (民明書房) eBook : アリクラハルト: 本
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随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

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●◎このブログ著者の書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』◎●
書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての提言 『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』 ●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか? ●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか? ●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。 ●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? ●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。 「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」を信条にする筆者が渾身の力で戦争を斬る! ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすること。それが人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。人々の暮らしを邪魔する行動は人類全体に否決される。いつの日かそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
https://amzn.to/47hnbeF
書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての提言 『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』 ●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか? ●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか? ●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。 ●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? ●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。 「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」を信条にする筆者が渾身の力で戦争を斬る! ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすること。それが人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。人々の暮らしを邪魔する行動は人類全体に否決される。いつの日かそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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