史上最高の文学? 狂気と正気のラ・マンチャの男『ドン・キホーテ』

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ディスカウントストアの話しではありません。1605年に出版されたスペインの小説『ドン・キホーテ』についての書評です。

ちょっと頭のおかしい騎士が風車に突撃していくシーンは誰でも知っていると思いますが、それは『ドン・キホーテ』のほんの冒頭にすぎません。

世界54か国の著名な文学者100人の投票による「史上最高の文学百選」で1位を獲得したということもある近代小説の元祖といってもいい『ドン・キホーテ』についてのお話しです。

このブログの著者が執筆した「なぜ生きるのか? 何のために生きるのか?」を追求した純文学小説です。

「きみが望むならあげるよ。海の底の珊瑚の白い花束を。ぼくのからだの一部だけど、きみが欲しいならあげる。」

「金色の波をすべるあなたは、まるで海に浮かぶ星のよう。夕日を背に浴び、きれいな軌跡をえがいて還ってくるの。夢みるように何度も何度も、波を泳いでわたしのもとへ。」

※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。

アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。

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ドン・キホーテ。サンチョ・パンサ。ロシナンテ

騎士物語にいかれた地元の郷士ドン・キホーテと愛馬ロシナンテ、そしてちょっと頭のゆるいサンチョパンサが主要な登場人物です。

周囲の人々は正気なので、騎士物語に狂ったドン・キホーテを、バカにしつつ、たしなめます。

あんたらはおかしい、正気にかえれ、と。その異常と正気の対比がおもしろいのです。

比較的、日常のサイドから穏当なものいいをするサンチョ・パンサに対して、ドン・キホーテは常に騎士物語から得た妄想の知識にしたがって行動します。そのドン・キホーテの騎士道的価値観は、現代でもそれなりに感情移入できる正義感なところがもの悲しくもあります。

主従二人の時はサンチョが、ドン・キホーテをたしなめます。「あんたはおかしい」と。しかしそもそもドン・キホーテの従者をつとめるぐらいですから、サンチョ・パンサもじゅうぶんに浮世離れした欲をもっています。

ドン・キホーテが国王になった暁には、自分は爵位をもらって地方領主になれるということは本気で信じているのです。

風車を悪魔と見立てて突っ込んでいくシーンばかり有名ですが、それは作品の冒頭の一冒険にすぎません。

風車に突っ込んだ時も、怪我をしています。それ以外にも、歯を折ったり、ろっ骨を骨折したり、けっこうな大怪我しています。

相手が市民であっても、キリスト教騎士の伝統に従って、時代錯誤の常識を振りかざすので、まともな市民に袋叩きにされたりしています。

その正気と狂気の対比が面白いのです。

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ドン・キホーテは日本の戦国武将だと見立てると急に面白くなる

『ドン・キホーテ』の読み方ですが、こういう読み方をしてみると面白いのではないでしょうか。

『ドン・キホーテ』は1605年刊行。江戸時代が1603年に始まったわけですから、『ドン・キホーテ』の執筆・構想期間は、日本でいう戦国時代です。

つまり『ドン・キホーテ』は、時代的に日本の戦国武将だともいえるのです。

騎士道に狂ったドン・キホーテは、いくさに明け暮れた戦国武将と同時代の人物です。

騎士と武士の違いはありますが、戦って一国一城の主になろうというドン・キホーテの姿は、戦国武将そのものです。

実際に日本の戦国時代には槍働きひとつで城持ち大名になった人物がたくさんいます。

しかしドン・キホーテがいくら槍を振るっても、お城の城主になることはできませんでした。

それは当時のスペインが、そういう時代ではなかったからです。

騎士道物語とはおもに十字軍のエルサレム遠征の時代を背景としています。11世紀末から13世紀ごろには終了しています。その後、騎士道物語というのが16世紀ごろまで流行したようですが、もはやその時代も過去になっていました。

1600年前後にも戦争はありましたが、1588年にスペイン無敵艦隊のアルマダの海戦があったことからわかるように、もはや騎士が「やあやあ、我こそは……」と名乗りを上げるような時代ではありませんでした。

しかしそれが日本だったらすこしもおかしくありませんでした。

ドン・キホーテのような人物は、日本だったら物笑いではなかったでしょう。たとえば1615年大阪夏の陣で死んだ真田幸村なんかは、古めかしい士道に生きた侍として後世から賞賛されています。

ドン・キホーテは生まれた時代を間違えたというよりは、生まれた国を間違えたのかもしれません。

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人間の気持ちに進化はない。

ドン・キホーテは前田利家とか徳川家康と同時代人です。

そう考えると、遠い異国の物語であった『ドン・キホーテ』が、急に身近なものに感じられます。戦国時代の人たちがこんなこと考えていたのか、と。

出世とか、恋のために生きる、とか、人間の気持ちにあまり進化はないんだなあ、ということがわかります。

ドン・キホーテの心情を理解することで、戦国武将の心情がより身近に感じられます。

私達が無駄に死にたくないように、私たちが幸せになりたいように、私たちが悩むように、戦国時代の彼らも生きていたのだ、ということがわかります。

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人権思想は日本の勝ち。フェミニズムはスペインの勝ち

繰り返しますが、スペインの場合ドン・キホーテはアナクロニズムということになっていますが、日本の戦国時代だったらリアルな感情でした。

日本が遅れていたのでしょうか??

スペインのコンキスタドール、エルナン・コルテスがアステカ帝国を滅ぼしたのが1521年、インカ帝国をフランシスコ・ピサロが滅ぼしたのが1533年でした。

70年もたてば、大昔の話ってことになるのでしょうか。

豊臣秀吉がスペイン人フランシスコ・ザビエルが伝えたキリスト教を禁止したのは、日本人の人身売買に激怒したからだ、という説があります。1587年のことです。

ドン・キホーテの従者サンチョ・パンサの願いは領主になりたいということでした。もらえる領地がアフリカだったらどうしようと心配するシーンがあります。もらった領地がアフリカだったら、黒人は人買いに奴隷として売ろうとサンチョは思っているのです。

70年前のコンキスタドールと、人権思想は進歩していないように見えます。

当時のスペイン人が、野蛮なやつらに見えますか?

しかしドン・キホーテの騎士としての行いは、あくまでも自分の思い姫ドゥルシネーアに捧げられているのです。

女のために戦うというところがエスパニョーラですね。しかし戦国時代の日本の男たちは、女のために戦ったという人はほとんどいないのではないでしょうか。

フェミニストという意味ではスペイン人の勝ちだという気がします。

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ラ・マンチャの狂気の騎士の物語は語り継がれて、彼が憧れた騎士道物語をむしろ読んでみたくなるという矛盾

ドン・キホーテには後編もあります。後編では狂気の騎士が、正気に戻っていくさまが描かれます。

風車を巨人の怪物と見て突撃したドン・キホーテは、海戦という現実の冒険をまえに何もなすことができませんでした。

そして銀月の騎士と名乗るナンチャッテ騎士と一騎打ちをして破れます。銀月の騎士はドン・キホーテの村の一人で彼を故郷に戻すために、勝った褒美に騎士の仕事を一年間お休みして放牧の仕事をするように命じます。

甲冑や槍を取り上げられたドン・キホーテは、もはや狂気に生きる騎士ではありませんでした。現実に敗れた中年の男でした。

そして正気に戻ったと同時に死んでしまいます。これはセルバンテス以外の作者が勝手に続々編を書くことを危惧してのことでしょう。

セルバンテスは狂気の騎士を滑稽に描くことによって、荒唐無稽な騎士道物語の流行を終わらせました。

しかしラ・マンチャの狂気の騎士の物語は語り継がれて、正当な騎士道物語が滅び去った今、むしろ彼が憧れた騎士道物語を読んでみたいと思うのは私だけでしょうか?

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「前の人の短所を次の人の長所で埋めたって、前の人の長所を次の人はきっと持ちあわせてはいない。結局は違う場所に歪みがでてきて食い違う。だから人はかけがえがないんだ」

かけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。むしろ、こういうべきだった。その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と。

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