ドラクエ的な人生

夏休みの自由研究。稲刈り体験記

どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?

ゴールデンウィーク頃に植えた稲はいつごろ収穫の時期になるのでしょうか。

地域にもよりますが、8月下旬から9月ごろが収穫の時期になります。ちょうど稲刈りを体験させてくれるというイベントがあったので参加してきました。

その体験記です。

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「米」「小麦」「大豆」

 

「田植え体験」したのと同じ田んぼで、「稲刈り」の体験をしてきました。

8月の下旬のことです。植えたのが5月ゴールデンウィーク頃ですから、5カ月ほどで収穫できてしまうのです。(執筆者は関東在住なので、以下は関東のことを書いています。地方の方は収穫時期などが違ってきます

ビニールハウスで4月から播種して育苗していますので、実際に田んぼで育つ期間+1カ月は生育までに期間を要しています。だから5カ月と書きました。

それにしても早いね。熱帯雨林地方なら簡単に二毛作できそうです。

品種改良で「おいしくて、たくさん獲れる品種」をつくり出そうとしていることは容易に想像がつきますが、「収穫期間」だって短くなるように交配していることでしょう。「害虫に強く」もなっているでしょうし「寒い地域でも獲れる」品種も開発されていることでしょう。

研究者のみなさま。いつもおつかれさまです。

収穫期間が短くなったおかげで二毛作だって簡単にできそうですが、日本でお米を二回やる二毛作は難しいようです。稲はもともと熱帯の植物ですので、裏作で水稲をやるには本州は寒すぎるのです。

日本の田んぼは一毛作のところが多いので、年の半分ぐらいは田んぼは田んぼとして利用されていないのですね。お休みしています。このお休みしている田んぼをどうにか有効活用できないものでしょうか。

政府は一方で減反(生産調整)しているのに、一方で食料自給率不足に頭を悩ませているのです。

日本の食料自給率はカロリーベースで約39%だそうです。42.195kmのマラソンにたとえれば、日本の食材だけだと16.5kmほどしか走れません。お米だけではハーフマラソンを完走できないのです。

お米で二毛作が無理なら、他の作物で二毛作すればいいじゃないか。誰だってそう考えますよね?

マラソンランナーのレース前の食事といえば「お米」か「小麦」です。

炭水化物を燃料としてレース前に体にため込むことをカーボローディングと言います。ピーキングの超重要技術になります。

小麦は「粉もの」小麦粉として、ラーメンやパスタやパンに化けます。ランナーの超重要作物です。

小麦は10月ごろ植えて翌6月ごろ収穫だそうです。収穫まで8カ月もかかるのです。お米がどれほど短期間で収穫できるかわかりますね。

ところが「米→小麦」だと1年ローテーションで回すことができません。田植えの時期と麦の収穫期が被ってしまいます。

そこで頭のいい人は考えました。もう一作物を加えて、二年三作で土地を使い回したらいいだろう、と。

たとえば豆腐や味噌や豆乳の原料になる「大豆」の栽培期間は6月~12月ぐらいなので「米→麦→大豆」と主要食物を二年で回せば、土地を無駄なく使用することができるだろう、という発想です。実際にそうやっている地域もあるようです。

大豆は植物なのにたんぱく質が豊富という、ランナーにとって欠かせない食材です。とくにウルトラマラソン系アスリートにはベジタリアンのトップ選手が数多くいますが、肉を食べない彼らは豆類からたんぱく質を摂取しています。比叡山のマラソン・モンク阿闍梨様の超人的な偉業も、ももちろん豆類によって支えられているのです。

なんだかプロ野球のピッチャーのローテーションのようですね。

連作障害とか、手間のわりにお金にならないとか、いろいろ難しい問題もあります。追求すると小学生の「なつやすみのじゆうけんきゅう」ではなく、学会の論文レベルになってしまうのでここではやりません。

ただ、やはり人間、自分の命を支えている主要な作物ぐらいは、どうやって育ち、自分の口に入るのか、知っておいた方がいいと思います。そのためには「稲狩り体験」がお勧めだということです。

尊敬する堀江貴文さんは「これからは遺伝子改良で収量が増えて食材の値段はものすごく安くなるのだからあくせく働かなくたってわずかな賃金で生きていける」的ニュアンスの発言をされています。本当にそうなったらどれだけ人生は生きがいのあるものになるか! 蚊を絶滅させる研究の次に、この食材価格をゼロにする研究に本腰を入れて取り組んでいただきたいものです。研究者のみなさま。心から期待しています。今すぐにお願いします。

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「稲刈り体験」

 

さて「稲刈り体験」です。具体的にはどのようなことをするのでしょうか。

早朝から「稲刈り体験」させてくれる田んぼに集合します。

田んぼ用の長靴があればそれを履きますが、普通の長靴で問題ありません。

この時期の田んぼは水を落として乾いているので、田植えの時期のように泥に足が埋まって動けなくなってしまうということはありません。

「湘南国際マラソン」 のrunnovationシャツ(NB)を着た、稲刈り体験者のランナーが「なんだ泥水の中に入れると思っていたのに」と呟いていたのを聞いてしまいました。「泥土トレーニング」は田植えの時期はできても、稲刈りの時期はできません。この時期は海岸(砂浜)を走ってください。

服装は「肌の出ない」「汚れてもいい」長袖・長ズボンがいいと思います。

肌が稲に触れると痒くなります。人に寄りますが稲はアレルギーの原因にもなりますのでご注意を。

主催者側が貸してくれる「稲刈り鎌」を使って、稲を根元から刈り取ります。

ノコギリ、カンナ等と同じく日本の道具「鎌」は引いて使います。刃にギザギザのノコギリがついているので軽い力でザクリと稲を刈ることができます。

宍戸梅軒が使う「鎖鎌」みたいに直角の鎌を想像していたのですが、稲刈り用の鎌はだいぶ傾斜がゆるい設計になっています。これで撫でるように引くと、ザックリと稲を刈ることができるのです。

収穫の快楽がくせになりそうです。いや正確には収穫という建設的快楽ではなく「刈り取る」「命を奪う」という破壊的な快楽であるような気がしないでもない。木こりなんかも「木を切り倒す」っていうのは面白いのだと感じますね。

とにかくザクザク刈り取っていくのがやみつきになります。やはり農業、土いじりというのは基本的に「面白いもの」なのだと感じます。

刈り取った稲は根元で束ねて、ハザにかけます。稲架とかけてハザと読むようです。はさむから「ハザ」というのですね。単管パイプのハザでした。

そこで天日で乾燥させてから、脱穀するのです。

私が申し込んだ「稲刈り体験」では、ハザに架けるまでの体験でした。

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夏休みの自由研究におすすめ

現在の農業では、機械で脱穀します。脱穀というのは稲と実(米)を分離することです。

昔は叩いたり、足踏み式脱穀機といって回転体にこそげとらせたりしていましたが、機械化農業ではコンバイン(ハーベスタ)を走らせるだけで、刈り取りから脱穀まで一気にやってしまいます。

広い田んぼなら「ドライブするだけ」で収穫できてしまいます。江戸時代の農民のように腰が曲がってしまうことはもうありません。

それを見るだけでも十分に「いい経験」になりますが、やはり鎌をつかって自分の手で稲を収穫することに意味があると思います。

命をいただいている」感じが、刈り取ったこの手に残っています。

稲刈りの時期には、カエルがたくさんいます。

小学生ぐらいの女の子が「トウキョウダルマガエル」を捕まえているの、と話しかけてくれました。でもなかなか捕まらないようだったので、手伝ってあげることにしました。人懐っこい女の子はいいなあ。かわいいよ。

親子連れでの参加でしたが、両親は畔に張った簡易テントで休憩中のようです。稲刈りの体験の敵は「暑さ」です。真夏のいちばん暑い時期が収穫期ですから熱中症の予防が必要です。

しかしこの「カエル族」そう簡単に手で摑まえられません。子供の頃は手でカエルを掴んだような気がしたのですが、気のせいだったのかな。

とにかくピョンピョンジャンプして逃げるので、手づかみで摑まえるのは至難の業でした。

人間のようなのろまな生き物が、敏捷性だけで生き延びている小さな生き物を捕まえるのはそう簡単なことではありません。カエルを手で摑まえるのは想像以上に難しいことでした。

生い茂った稲の中に逃げ込まれてはもう摑まえることはできません。捕まえようにも稲が邪魔だし、そもそも視界から消えてしまいます。

ここは人間らしく、知恵を使わなくては。

まずは「稲刈り鎌」をつかって、田んぼの角の一帯をすべて刈り取りました。カエルが身を隠せないようにして、そこに追い込む作戦です。

ところが姿を隠せない状態にしても、カエルを手で摑まえるのは難しかった。地面すれすれの低いところをジャンプするので、腰をかがめて追いかけなければならないのです。普段腰を浮かせる陸上部の走りをしているランナー族には、この格好は想定外の負担です。

まるでニワトリを手で摑まえるトレーニングをしたロッキー・バルボアのようです。

マラソンのレース中にもよくこの「ロッキーのテーマ」が流れていますよね。なんでボクシング映画なのにマラソンレース中にテーマ曲がよく流されるのでしょうか?

私は、曲のノリがいいのはもちろんですけど、映画の中でロッキーがとても「よく走っているから」だと思っています。

とりわけ「ROCKYⅡ」で「ついてくる子供たちを全速力で引き離してフィラデルフィア美術館の階段を駆け上がってバンザイするシーン」が大好きです。

サブスリーランナーの意地で私もカエルを追いかけましたが、まあ捕まりません。追い抜くのは簡単なのですが…。長距離ランナーに敏捷性はいらない…かな?

結局、女の子と共同戦線を張り、私がカエルをおどかし、彼女がアミで摑まえる「ライオン作戦」でカエルを捕まえることができました。

アミがあると捕獲率が確実に上昇します。道具というのはすばらしいものです。

トウキョウダルマガエルはトノサマガエルとどこが違うんだか、私にはさっぱりわかりませんでしたが、彼女には見分けがついているようでした。賢い子です。おれも勉強しなくちゃなあ。

水稲でなく、トンボなど様々な生物に触れることもできる「稲刈り体験」。ちょうど夏休みの終わりごろがシーズンです。

夏休みの自由研究のネタに困ったら、格好の材料を提供してくれるのではないかと思います。

インターネットで探せば、いくらでも「稲刈り体験」させてくれる農園が見つかります。

一度、体験してみてはいかがでしょうか? おすすめします。

 

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