ドラクエ的な人生

マラソン・トレーニング用語の強度別の解説

このページでは雑誌『ランナーズ』『マイ・トレーニング』の元ライターである筆者がマラソンのトレーニング用語について解説します。箱根駅伝に出場したようなランナーにインタビューすると、専門のトレーニング用語が会話の中でバンバン飛び交います。このような用語を知らないと、ランニングライター稼業はつとまりません。

そこで初心者の方にもわかりやすいように強度順に並べて解説してみました。参考にしてください。

厳密には、LT値の何パーセントとか、主観的強度の何パーセントとか、細かい定義があるのですが、そこは省略します。乳酸性閾値とか最大心拍数とかは人によって違うので、数字に頼って説明しようとすると、説明が難しくなってしまうからです。

大切なのは「どういう意図で、何を鍛えようとしているのか」察することです。

もともとトレーニング用は「どんなランナーにも使える言葉」なので、ランナー毎に必要なトレーニング強度は違います。ランナーごとに実力が違うのですから当然のことです。ですからトレーニング用語は、キロ何分で走る、と説明できるようなものではないのです。

トレーニング用語に縛られてトレーニングするのではなく、「どういう意図で、何を鍛えようとしているのか」察してトレーニングすることが大切です。

トレーニング用語というのは、どちらかといえば主観的なものです。ですからここではわたしの書籍『市民ランナーという走り方(グランドスラム養成講座)』同様に、数字は一切使わずに説明します。

スピードの遅いほうから速い方に順番にトレーニング用語を並べています。スピードの「速い」「遅い」は自分の中のトレーニングの「辛さ」「ハードさ」を基準に考えてもらえればと思います。

オーバートレーニング(疲労回復よりもトレーニング疲労が大きく疲れが抜けない状態)にご注意ください。

※※※YouTube動画はじめました※※※

書籍『市民ランナーという走り方(マラソンサブスリー・グランドスラム養成講座)』の内容をYouTubeにて公開しています。言葉のイメージ喚起力でランニングフォームを最適化して、同じ練習量でも速く走れるようになるランニング新メソッドについて解説しています。気に入っていただけましたら、チャンネル登録をお願いします。

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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。

「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか?
いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」って何?
●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム?
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マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
※カルペ・ディエム。この本は「ハウツーランニング」の体裁をした市民ランナーという生き方に関する本です。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。

Bitly

星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。

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↓ジョギング。疲労回復ジョグ

いちばん強度のないトレーニングがジョギングです。ジョギングはトレーニングとはいえないようなもので、家で寝転がっているよりは外で走った方が血が循環して疲労が回復するだろうぐらいの最弱強度の走りです。「ロングジョグ」「疲労回復ジョグ」という文脈でよく使われる言葉です。

フォームとかペーストは何も気にせず、気の向くまま自由に走ります。もっともゆっくりなペースで走るのがジョギングです。

走ることそのものを自由に楽しむものです。

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↓LSD。無限に走れるペースで走る

LSD。ロング・スロー・ディスタンス。長い距離をゆっくり走るトレーニングです。ほとんど無限に走れるぐらいのペースで、ゆっくり走ります。速く走ってはいけません。高速で走る車が急に細い道に曲がれないように、血流が早くなりすぎると毛細血管に血が流れません。力を抜いてリラックスして走ることをLSDを通して覚えます。

ある程度まで距離を走りこんだ後は「あと100kg走るよりも、あと1kg体重を減らした方が速くマラソンを走れる」という境地に達します。ダイエットです。

体脂肪量を減らそうという時にLSDが役に立ってくれます。

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↓ロング走。走った距離は裏切らない

人類最速のマラソンランナーがウサイン・ボルトではないのは、ボルトはゴールまでスピードを維持できないからです。42.195キロのマラソンを速く走るためには、とにかく止まらずにゴールまで走り切ることが何よりも重要なので、せめて30kmぐらいまではトレーニングで走っておきたいというのがロング走です。LSDとの違いは、スピードです。後述のレースペース(戦闘速度)の80%ぐらいの力で、けっこう頑張って走ること。フォームも意識します。マラソン本番を見据えたトレーニングの王道になります。

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↓LT走。テンポ・ラン。持久走の醍醐味

速く走ると乳酸がたまっていきます。乳酸が一定値を超えると、人間は急激に走れなくなって足が止まってしまいます。このポイントのことを乳酸性閾値(LT)といいます。速く長く走るためにはこのLTポイントあたりで走る必要がありますが、このLTポイントはトレーニングでレベルを上げることができます。

LTポイントのギリギリ手前ぐらいのペースを「LTスピード」といいます。このペースでする練習がLT走です。

テンポ・ランとは、最大心拍の85%で50~60分走ること。狙っているのはもちろんLTポイントです。

トレーニングの狙いは「速く走ることを脳が覚える」ではなく「乳酸を除去して長く走れることを身体が覚える」です。

乳酸の発生量と除去量が「つり合いのとれた」ギリギリの状態をイメージしてください。そのギリギリの境地を追求することが面白かったりするトレーニングです。

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↓ミドルペース走

ミドルペース走は、後述のレースペース(戦闘速度)の90%ぐらいの高速で10kmほどを目安に走ります。

LT(乳酸閾値)を超えているので、体力はどんどん削られていきます。そのつらい状況でマラソン本番の四分の一ぐらいの距離を通して走ることでスピード持久力をつけるためのトレーニングです。

距離を優先して走ったロング走に対して、ミドルペース走はスピードを優先します。ロング走よりもキロ当たり15~30秒ほどスピードを上げてスピード耐性をつけていきます。ロング走のペースが上がれば、ミドルペース走のペースもあがっていきます。

距離という負荷よりも、スピードという負荷の方が、身体には大きな負担がかかります。スピードを出すことで、スピードを出すにふさわしいランニングフォームや筋力がつくのです。それを期待したトレーニングになります。そのぶん、きついトレーニングになります。

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↓快調走。ウインドスプリント。スピードプレイ。流し

「快調走」は「走るの気持ちいい~! 快調~!」と言える範囲のスプリントで短い距離を走ります。風を感じるほどの高速で走るので「ウインドスプリント」と言ったりします。長い距離だと苦しくなるぐらいのスピードを出します。そのスピードを楽しむことから「スピードプレイ」と言う人もいます。今日は調子がいいなと思えるプラスのイメージでトレーニングを終了します。走ることが気持ちいいイメージで次のトレーニングに繋げるために練習のラストに行うことが多く「流し」と言う人もいます。

膝を高く上げてスピードをあげることを覚えます。着地の衝撃に身体を慣らします。マラソン2時間台(サブスリー)を狙うなら、ここからが本格的に「狙うための練習」ということになります。

効率の悪いフォームでもゆっくりなら走れるけれど、効率のいいフォームでないと速く走ることはできません。速く走る練習をすればフォームがそれにふさわしいものに矯正されていきます。スピードを出さなければ、スピードにふさわしいフォームは身につきません。

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レースペース走。戦闘速度

マラソンは、体力のゲージが100でスタートして、ゴール地点でゼロになっているというのが、最高の走り方です。そのスピードがレースペースです。マラソンは消耗戦です。籠城みたいなものです。城内の食料(体内のエネルギー)はどんどん減っていきますが、ゴールまでもてばいいのです。

そのギリギリの速度が、あなたの戦闘速度です。このレースペースがあなたの成績を決めます。他のすべてのトレーニングはこの戦闘速度をペースアップためのものです。

もしマラソンが人に感動をあたえる芸術だとするならば、体力ゲージが100から0になる計算されたパフォーマンスの構成美、というのがひとつの側面です。

乳酸バランスがつりあうLT走が持久走の醍醐味だとすれば、42.195m先のゴール地点で体力ゲージをゼロにまでもっていくレースペースはもうひとつの持久走の醍醐味です。おもしろさといってもいいでしょう。

そのレースペースで走るのがレースペース走です。練習距離は42.195kmなくてもいいので、とにかくレースペースを維持して、5km3本とか、2km5本とか、本番さながらに走ります。

レースペース走は本番さながらに走ることを目標にしたトレーニングです。マラソン大会に出場して「今回は練習」という人は、大会をレースペース走の練習がわりにしているのです。

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↑インターバル・トレーニング。スポーツ心臓をつくる

ヘルシンキ・オリンピックで5000m、10000m、マラソンのすべてで金メダルを獲ったエミール・ザトペックが考え出した緩・急を織り交ぜるトレーニング法です。1000m5本などの練習メニューをレースペース以上のスピード(キロ10~20秒速く)で走ります。長くはもたないスピードを出すことで心肺機能が鍛えられます。走れなくなるのは、心拍数が上がりすぎるためです。心拍数が上がりすぎると、肉体に運動を停止する命令が発せられて走れなくなるのです。この運動停止命令は生命に関わるので、意志の力で跳ね返すことはできません。対策としては心拍数が上がりすぎないようにすることです。

鼻呼吸でリラックスして上手に走ることも心拍数を上げない工夫ですが、いちばんいいのは心臓そのものを鍛えてしまうことです。インターバルトレーニングをすると心臓と血液の循環系(心肺機能)が鍛えられて平常時の心拍数が下がってきます。するとちょっと運動しても心拍数が過度に上がらないようになるわけです。

心拍数とは一分間に心臓が脈を打つ回数です。平均は60~80回だと言われています。

シドニーオリンピック金メダリストの高橋尚子さんは30台だったそうです。サブスリーランナー・グランドスラム達成者のわたしハルトの全盛期の平常時心拍数は40台でした。心拍数の正常値を下回っていていわば異常値ですが、こういう心臓のことを「スポーツ心臓」と言ったりします。マラソンを走る肉体になっているということです。

インターバルトレーニングでゆっくり走るときには、次の急走にそなえて呼吸を整えなければなりません。力を抜いてリラックスすることがどれほど大事か実感できるでしょう。

地脚が強くなるので、マラソンだけでなく、10k、ハーフマラソンのタイムが激上がりします。ザトペックのように。

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↑レペティション・トレーニング

MAXスピード。力の限り全力で走ります。速く走る方歩を知りたければ、速く走ってみればいいのです。

通称「レペ」。短距離の走り方です。自分が長距離ランナーであることは忘れて、100m走を走る短距離選手がやるように全力疾走します。自分のスピードの限界を知ることができます。強くなろうとするときには現在の限界を知っておくことも大切です。MAXスピードとレースペースのスピード差はどれぐらいあるのか。何が違うのか? などたくさんの発見があるでしょう。

本当に速く走っているときには、大腿骨を大きく前に振り上げていることがわかるでしょう。そして大腿骨を大きく前に振り上げるためには骨盤が寝ていては無理だということも。

最速のフォームでは骨盤を立てて膝を高くあげて宙に浮くようにして走っているはずです。速く走るためにはストライドが大切だ、ということをレペティション・トレーニングは教えてくれるでしょう。

この最速スピードに比べたら、マラソンのレースペースなんて楽なペースのはずです。レースペースが楽なペースであると知ることも、この最速の練習のもたらす効果のひとつです。

もっとも効果的なフォームというものは、自分の肉体が知っています。最速スピードを出すことによって、あなたの天才の肉体が走るとはどういうことかをあなたに教えてくれるのです。

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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。

「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか?
いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」って何?
●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム?
●ピッチ走法よりもストライド走法! ハサミは両方に開かれる走法。
●スピードで遊ぶ。スピードを楽しむ。オオカミランニングのすすめ。
マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
※カルペ・ディエム。この本は「ハウツーランニング」の体裁をした市民ランナーという生き方に関する本です。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。

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星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。

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