ランナーならば誰もが追求する「究極のフォーム」。しかしそれは幻想です。そんなものはありません。
なぜならその時々でフォームは使い分けた方がいいからです。
ランニングフォームは「究極のひとつの鋳型」に合わせるのではなく、複数持っておいた方がいいのです。
もしもある特定の筋肉がへたって理想のフォームが維持できそうにないときに考え方はふたつあります。
「理想のフォームを失ったらもう終わりなんだから意地でも理想のフォームにしがみつく」が「第二のフォームに移行する」か。あなたならどっちを選びますか?
※雑誌『ランナーズ』のライターにして、市民ランナーの三冠王グランドスラムの達成者の筆者が走魂を込めた書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。
言葉の力で速く走れるようになる、というのが本書の特徴です。走っている時の入力ワードを変えるだけで速く走れるようになります。言葉のイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く効率的に走ることができるようになります。踵着地とフォアフット着地、ピッチ走法とストライド走法、どちらが正解か? 本書では明確に答えています。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
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※※※YouTube動画はじめました※※※
書籍『市民ランナーという走り方(マラソンサブスリー・グランドスラム養成講座)』の内容をYouTubeにて公開しています。言葉のイメージ喚起力でランニングフォームを最適化して、同じ練習量でも速く走れるようになるランニング新メソッドについて解説しています。
『マラソンの走り方・サブスリー養成講座』
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理想のフォームは追求しないほうがいい。唯一無二よりも多彩なフォームが勝つ
みなさんは、走るときに、どこに意識をおいて走っているでしょうか?
いろいろ意識する箇所はあるでしょうが、サブスリーを目指すようなシリアスランナーほど「理想のフォーム」を追求する傾向があると思います。スピードが出て、疲れない、「究極の走り方」ってやつを。
しかし、私は理想のフォームの追求はすくなくともレース本番では「しないほうがいい」と思っています。
ハルトが、サブスリーを狙うのに「理想のフォームは追求しない方がいい」というのは、これと同じ意味です。
特定のフォームは特定の箇所に負担をかけます。複数のフォームを使い分けた方が、レースでは早くゴールすることができるでしょう。
理想を追えば、特定の箇所に疲労をためてしまう
ひとつのフォームにこだわりすぎるというのは、結局、特定の箇所に疲労をためてしまうことにつながります。
たとえばアキレス腱のバネを弾くようにして走ると速く走れますが、その走りを42.195km続けることはやめたほうがよろしい。
理想のフォームを追求するあまり、疲れ切った筋肉に引き続き頼ることは、結局、全体のタイムを下げることになりかねません。
それよりも、疲れていない筋肉をさがして、そこをメインの出力場所にするような意識で走った方がいいというのが私の結論です。
腰高のフォームの方がいいに決まっていますけど、疲労すれば腰はやがて落ちてきます。
その時、腰高のベストフォームを維持しようと頑張るよりも、別の場所に意識を切り替えてスピードを維持した方がいいのです。
頑張る場所を間違えてはいけません。
あなたはいいフォームを追求しているのですか? それともいいタイムを追求しているのですか?
もちろんタイムを追求しているのです。フォームはタイムのための方便にすぎません。
42.195kmも走り続けるわけですから、その間にフォームが変わってもいいと思いませんか?
脳ミソだって同じ箇所ばかり意識しつづけるのは疲れます。走りながら意識する箇所は変えた方がいいのです。そうすれば肉体も脳ミソも疲れが分散されます。
目的は理想のフォームを追求することじゃなくて、自己ベストを更新することなんですから。
複数のフォームを使い回せば、筋肉は復活する
疲れていないフレッシュな筋肉を探して、その筋肉に頼っているうちに、もうダメだと思っていた筋肉が再び使える状態に戻ってきます。そうしたら、またその筋肉を使えばいいのです。
それが複数のフォームを使い回すということの意味です。
たとえば頭を支えるのが辛くなったら、頭を下げてしまう瞬間があっても構いません。
頭を下げるとお腹がゆるんで呼吸が深くなり、リラックスして走りが復活する場合があります。
集団の先頭で頭を下げたら進行方向がわからなくなってしまいますから、『マラソン・プロトン走法』を駆使してください。『マラソン・プロトン走法』とはロードバイクの戦術を応用した集団の先頭に出ない走法のことです。プロトンとは集団の意味です。空気抵抗を避けて後方で力を貯める走法のことです。
集団の中なら頭を下げられます。先行ランナーのお尻あたりを見ていればいいのですから。
もし頭を下げたくなったら、集団の中で下げて、体重を先行ランナーに預けてしまいましょう。考えることも、見ることも、すべてを先行ランナーに預けてしまいましょう。
すべてを人任せにして、最後の力を貯めてゴール前ですべてを吐き出すのです。
ゴール直前で抜けば、あなたの勝ちです。
https://arikura.com/proton/
ピッチ走法か、ストライド走法か? 答えは「どっちも使え」
「ピッチ走法がいいのか? ストライド走法がいいのか?」よく問われます。
答えが欲しいですよね。
私の答えは「どっちも使え」です。
ピッチ走法は(比較的)足が楽だが、呼吸が辛くなります。
ストライド走法は(比較的)呼吸は楽だが足への負担が大きい。
勝負レースの本番では、その時々、楽な方を使えばいいんです。
ランニング講座では、走りが速い人ほど求道者的です。
そして「理想のフォームはこれだ!」みたいに教えています。
しかしハルトの『サブスリー養成講座』では「フォームは決めつけない。臨機応変に変える」ことを提唱いたします。
これは、本講座の最大の特徴のひとつだと思っています。
理想のフォームが崩れたらレースは終わり? そうではありません。
オリンピックのメダルを争っているんじゃないんですから。
目的は優勝じゃなくて、自己ベストの更新です。
フォームなんかにこだわらず、なりふり構わず走れ
ファーストフォームが崩れたらセカンドフォームで走ればいいんです。
それでもバテたらサードフォームで。
4番目のフォームが維持できなくなった頃には、再びファーストフォームで走れるようになっていることでしょう。
フォームなんかにこだわらず、なりふり構わず走りましょう。
フォームのためのフォームであってはいけません。
フォームなんか意識しないでスピードのみを追求しましょう。
理想のフォームはやがて崩れることを前提に、複数のフォームを持っていて、それらを使い回せた方が、結局はいいタイムで走りきることができるでしょう。
リラックスして、楽に、軽く。
※「マラソン極意。複数のフォームを使い回す」と双璧をなす「ランニングの奥義。あなたが一番早く走れる方法はあなたの肉体が一番知っている」はこちらからどうぞ。
※最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんのランニングの参考になりましたでしょうか。このブログでは他にもランニングの技術を紹介しています。よろしかったらこちらをご覧ください。
※雑誌『ランナーズ』のライターにして、市民ランナーの三冠王グランドスラムの達成者の筆者が走魂を込めた書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。
言葉の力で速く走れるようになる、というのが本書の特徴です。走っている時の入力ワードを変えるだけで速く走れるようになります。言葉のイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く効率的に走ることができるようになります。踵着地とフォアフット着地、ピッチ走法とストライド走法、どちらが正解か? 本書では明確に答えています。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
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