旅行記よりもハウツー本の方が売れるのだろう
こちらは『自転車ロングツーリング入門(山下晃和・著)』の書評です。ロングツーリング入門とありますが、いわゆる入門書とは違って、個人の旅行記といったほうが正しいかもしれません。
作品の大半は「ハウツー」ではなく「旅行記」でしめられています。その合間合間にハウツーロングツーリングについて書いてあるという体裁となっています。
じゃあどうしてこういうタイトルにしたかというと、おそらく「自転車旅行記」というタイトルにするよりも、「自転車ツーリング入門」というタイトルにした方が本が「売れる」からだと思います。
私もロングツーリングのハウツー本かと思って読んだクチですが、著者と似たような傾向をもっているために、旅行記もひじょうに面白かったですね。
著者の山下晃和さんは、私は幕張メッセで開催されたサイクルモードで見かけました。普通に会場内で談笑されていました。自転車業界では有名人のひとりです。
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ロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。
※本書の内容
●通勤バイク四重苦とは?
●ママチャリ・ダンシング最強伝説
●スピードこそロードバイクのレーゾンデートル。通勤レースのすすめ
●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。体重ライディング理論。体重ペダリングのやり方
●アマチュアのロードバイク乗りの最高速度ってどれくらい?
●ロードバイクは屋外で保管できるのか?
●ロードバイクに名前をつける。
●アパートでローラー台トレーニングすることは可能か?
●ロードバイククラブの入り方。嫌われない新入部員の作法
●サブスリーランナーはロードバイクに乗っても速いのか?
●スピードスケートの選手がロードバイクをトレーニングに取り入れる理由
●デブでうんち(運動音痴)だからロードバイク乗りなのか?
●インポテンツになるという噂と対策
●スティーブ・ジョブズ「知の自転車」。論文の嘘を暴け
●旅サイクリングのやりかた
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先進国より発展途上国=オートバイより自転車
自分と傾向の似ている人だなあと感じました。まあ旅人、ロードバイク乗り同士ですからね。
山下さんはオフロードバイクから自転車にはまったそうです。私は通勤自転車からでした。
ロードバイク通勤実践講座。冬(寒いよ)、夜(暗いよ)、雨(冷たいよ)、虫害の四重苦に耐えられるか?
旅人としては、先進国よりも、発展途上国に興味があるそうです。それってつまりはオートバイの旅よりも自転車の旅に興味が行くということです。旅人もロードバイクも、感性の根っこのところはつながっているのです。
旅して生きていきたいという夢をもっていたので、神田外国語大学でスペイン語を学んだそうです。英語とスペイン語を武器に旅行業界に就職して、ツアーコンダクターになろうと目論見でした。
ちなみに英語を公用語にしている国、インドのように英語が通じる国を英語圏といいますが、英語圏の国は58カ国だそうです。
同じようにスペイン語を母国語にしている国は21カ国だそうです。合計すると79カ国です。世界の国々が196カ国なので、英語とスペイン語で世界のほとんど半分をカバーできてしまうというわけですね。
英語、スペイン語に対抗できる言語は、フランス語と、中国語しかありません。
こういうことを大学受験の18歳以前で気づいてしまうというのは、とても頭のいい人なのではないでしょうか。
旅をして生きていく

旅を仕事にしたいと山下さんは思っていました。今ならYouTuber という究極の手がありますが、当時はやはりツアーコンダクターが考えられる現実的な手だったのでしょう。
そして大学生活を送りながら、バイト感覚で芸能事務所に所属してモデルさんの仕事をやっていたそうです。
Google adsenseも未発達だったと思いますが、ノートパソコンを持参してブログを更新しながら、旅を続けたそうです。芸能人ですからアクセス数もあったのでしょう。
現在では芸能活動と並行してトラベルライターとしても活躍されています。
東南アジア自転車旅

大学でスペイン語を学んだことからわかるように、山下さんの究極の目的地は中南米でした。しかし中南米は旅人として、ロードバイク乗りとして、上級者コースになります。デカさもそうですが、治安の悪さ、なにより自転車で稼がなければならない標高差などが、初心者コースとはいえません。
夢の前に「脚ならし」で、山下さんは東南アジア自転車旅を敢行したようです。
香港、中国、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、マレーシア、シンガポールの旅でした。
「汁なしワンタンミーがうまい」という記述に「そうなんだよ」と私は呟きました。あの、安いワンタンミーが、家の近くで気軽に食べられるといいのに。
近くて安い屋台が、自炊不要にするのがアジアの国々ですよね。
ビザクリとはビザクリアのこと
中国ではビザクリのために急ぎました。ビザクリとはビザクリアのこと。ノービザで滞在できる期間は国によって違うため、期間内に出国しなければなりません。自転車で広大な中国などを進む場合、急がないとノービザの期限を超えてしまう可能性があるのです。
国ごとに通貨も違うし、ビザクリ期間も違うので、旅力が問われます。知らないとひどい目に遭いますよ。
自転車旅のようにいつ帰るかはっきりわからない旅の場合は「イミグレで帰りのチケットを見せろと言われる場合があるから、往復航空券を買って、帰りの航空券を手元に持っておく」ことを勧めています。
オープンジョーにして、適当な目的地(たとえばシンガポール)から日本への帰路便のチケットをもっていれば、日付はいつでも変更可能なのでとりあえずイミグレ関門は大丈夫だということです。
南米放浪のように最終的な目的地がはっきりしない場合は、片道の航空券も往復の航空券もたいして値段が変わらないので、復路チケットを手元に持っておいて、復路の航空券は捨ててしまうのも手だと山下さんに教えてもらいました。
中南米ロードバイク旅
東南アジア自転車旅で経験値を積んで、いよいよ中南米ロードバイク旅に出発しました。
旅力、アウトドア力、語学力、体力、精神力、自転車の知識、それらの集大成の旅でした。
相棒はクロモリのみずからプロデュースした旅用自転車です。ここらへんが芸能人だなあと感じました。
メキシコ、グァテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、コロンビア、ペルー、ボリビア、パラグアイ、アルゼンチンの旅です。
ニカラグアの首都で強盗に遭います。殴られ、首を絞められ、財布、コンパクトデジカメ、腕時計を盗まれてしまいました。鼻の軟骨が折れていました。
中南米の旅ではまずはセントロ(中心広場)に向かいます。そこにはカテドラル(大聖堂)があり安宿があります。食材はメルカド(市場)で探します。自転車のエンジンは自分自身です。
「旅は何とかなる」それが山下さんの旅の心構えでした。
洗濯物を乾かしながらの自転車旅でした。
ときには自転車を置いて観光に出かけます。ウァカチナで有名な砂漠のバギーツアーにも参加しました。グァテマラのティカル遺跡も、ボリビアのウユニ塩湖も、見てきました。
ホールドアップ強盗に遭ったニカラグアでは定番豆ごはんのガジョ・ピント(郷土料理)でエネルギーを補給します。
夢であった中南米自転車旅をしてみて、いちばん重要なのは、観光した経験ではなく、人との出会いだと山下さんは言います。
必死に生きている人を見て、自分も毎日全力で生きようと思ったのでした。
今この場所この瞬間を旅先のように生きる。集団よりも個を優先する生き方【トウガラシ実存主義】
旅自転車の専門用語集

山下さん本人も旅行記を書きたかったに違いありませんが、いちおう書籍のタイトルが『自転車ロングツーリング入門』なので、旅自転車に関係する専門用語もたくさん飛び出します。
ここではその旅自転車の専門用語を解説しておきます。
※クロモリ=鉄にクロームモリブデン鋼を混ぜたフレームの素材。外国の自動車ディーラーでフレームの溶接が可能。しなりがあり体へのダメージが小さい。
※ダボ=装着のためのフレームの穴。ガチンコの競技用ロードバイクの場合ダボがない場合があります。その場合、サイクルバック類が装着できない場合があるのです。
※フロントバッグ=自転車のハンドル部分に固定することができるバッグ。バッグの上部に地図を見ることができる透明なマップケースがあると便利。カメラ、財布、タオルなどすぐに使うものを入れる。
お金は、ドル、クレジットカード、国際キャッシュカード、の三種類を分散して持ちます。もはやトラベラーズチェックの時代ではありません。
※サイドパック=自転車の左右にふりわけて背負わせるパック
フロントサイドバック=コッヘル、シングルバーナー、アーミーナイフ、ヘッドライト、箸、防水スタッフバック、工具類、輪行バッグ(最重要)などを入れます。
※パニアバッグ=後輪のタイヤの横に備え付けるキャリーバッグのことです。三脚、レインウェア、テント、マット、サンダル、シュラフ、などを入れます。
※重量を左右均等になるように配置します。
※ロングツーリングの場合、バックパックやメッセンジャーバックなど身体に装着するタイプのバックは、体が疲れます。身体は楽にして、自転車に背負わせるのがセオリーになります。
タフな道具をもっていけ

山下さんはタフな道具をもっていけ、といいます。タフとは壊れにくいという意味ですね。
服装は自転車専用ウェアでなくアウトドア専用ウェアから選択しました。三セットのみ持参。使用中、次に使用するもの、洗濯・乾燥中のもの、の三種類です。ホテルなどで三日に一回洗濯します。
※イーメーターズ=サイクルコンピューター(サイコン)GPS付きが安心です。一日の走行距離の管理は重要です。一日100kmが目安。一日200kmだって走れますが次の日走れないのでは意味がありません。
※変換プラグ。ソケットの形が国によって違うので、変換プラグが必要。電圧も国によって違うのですが、iPhoneのような国際基準のマシンは全世界対応になっているので安心です。
※ノートパソコン。ホテルのWiFiを活用します。もはやはがきの時代じゃありません。
※USB充電ヘッドライト&自転車用ライト。パソコンから充電できることが重要。
※エネループ充電乾電池。使い捨てでは重量がかさみます。
※ヘルメット、サングラス、サンダル
※三日ぐらいは何とかなるような非常食を常に持参しました。海外に行くとシティとカントリーがすごくはっきりしていて、カントリーには売店も何もありません。そのため自転車旅の場合、非常食を準備しておくことが非常に重要です。
※山下さんはパンクがバーストした場合にそなえて、タイヤ(チューブでなくタイヤ)も持参しています。
山下晃和さんはJACC日本アドベンチャーサイクリストクラブにも所属されています。イケメンのモデルさんなので、自転車業界の「顔」として今後も活躍を期待しています。
石田ゆうすけ『大事なことは自転車が教えてくれた』

ここでは石田ゆうすけ『大事なことは自転車が教えてくれた』をネタに酒を飲むように自転車の旅について語っています。わたしは自分自身で自転車日本一周をしたことはありませんが、この手の本を読むのは大好きです。
自分自身は日本一周してません。ショート・トリッパーです。せいぜい三泊四日ぐらいで戻ってくる旅を楽しんでいます。
以降、赤字は石田ゆうすけさんの著作からの引用。黒字はわたしの感想です。
自転車で日本一周しても、あいかわらずしょうもないやつだった。自分の小さな殻を破れなかった。
→そうだと思います。わたしは車中泊と、青春18きっぷで日本一周をしていますが、だからといって人間は変わりませんでした。自転車でそれをやるのは難易度が段違いに上ですが——何も変わらないことは予想できます。
根本から変えはしなかったが、終えた後に腑抜けになるくらいには大きな体験だった。
→石田さんは目的に挑戦していないと腑抜けてしまうタイプのようです。次の目標が必要だったのです。それは物書きになるという夢でした。

自転車スゲエ。旅スゲエ。忘れていた。こんなにおもしろかったんだ。
→成長するためでなく、楽しむために乗るんですよね。読書も似ています。勉強するためでなく、楽しむために読むんですよね。
己のアホな人生を全部注いで、とことんやっていいのだ——
→このスピリッツで石田さんは自転車世界一周へと旅立ちます。世界に飛び出すと、人間が変わる、とまでいえる経験ができるかもしれません。わたしは大西洋上をのぞいて地球一周していますが、その経験を抜きにしては今の自分はありえないと思っています。それはつまり人間が変わったということでしょう。
たいへんな冒険をしたという感じはまったくない。力を抜いて気ままに走ったからだ。
→三泊四日の旅から日本一周を想像することは不可能ではありません。着替えなどは3セットを着回すのが基本だからです。三泊四日の旅がワンクールで、後はそれを延々と繰り返すだけなのです。
ホイールの選択ミス。タイヤは世界規格のものを選ぶ。MTB用の26インチタイヤがいい。仕方ないので日本大使館に4本づつ両親に送ってもらった。
→日本一周では問題なかったランドナーのタイヤ規格が、世界基準でなかったことから、石田さんはタイヤを両親に「次の訪問国の大使館」に送ってもらうスタイルでクリアします。26インチタイヤだったら各国の自転車屋で買えばよかったのですが——。
世界一周9万5千キロ。七年半。タイヤは37本使用。パンクは184回。病院にかかる病気は気管支炎、マラリア、お尻の膿(粉瘤じゃないかな? と思いました)
→七年半の旅もハンパじゃありませんが、パンク184回もゾッとしますね。チューブを交換するスタイルではなく、パッチで対応したのでしょう。4穴ぐらいまでならパッチで対応できます。その後はチューブ交換ですね。
わたしは日本一周をするなら「パンクしない自転車」をオススメしました。
→まあ日本一周ぐらいは問題ない耐久度だからです。しかし七年半の世界旅行となると——タイヤがツルツルになってしまうかもしれません。やはり消耗品は取り換える前提で旅をした方がいいでしょう。ママチャリの問題はパンクの修理です。チューブの交換の手間がです問題です。クイックリリースできないのでスパナでナットを外して、スタンド、チェーン、泥除けなどすべてを外さなければならないからです。……となると、やはりクイックリリースできる車体を選ぶべきということですね。

キャリアは折れたら現地で溶接しながら旅をする。だからアルミではなく鉄製のものを選ぶ。
→まさかキャリアが折れるとは……三泊四日の旅から日本一周を想像することは不可能ではありません。しかしまさかキャリアが折れる事態は想像できませんでした。さすがに経験者の言葉は違いますね。
フレームの崩壊。新しい自転車を買う——そんなこと、できるものか。自動車修理工場で溶接する。
→まさかフレームが折れるとは……三泊四日の旅から日本一周を想像することは不可能ではありません。しかしまさかフレームが折れる事態は想像できませんでした(笑)。さすがに経験者の言葉は違いますね。
日本は自転車乗りにやさしい国じゃない。「邪魔だ。どけ!」というクラクションがよくならされる。車道が車一台分の幅しかない。真剣に身の危険を感じる。
→わたしもロードバイクの縦列走行中によくクラクションを鳴らされました。自転車が車道を走っちゃいけないとでも思っているんでしょうか。

車道より盛り上がった細い歩道は日本独特。アップダウンのある歩道は、自転車を本当に走りづらくしている。歩道も車道も同じ高さで、歩道と車道のあいだにガードレールを置くだけで十分ではないか。
→はい。ウチの近くの県道もこのタイプです。ストレスフルで、まったく走る気になれません。
日本の道路計画がいかに自転車を無視したものだったかを痛感せずにはいられない。
→最近ではアスファルト上に自転車道のペイントをしている道路があります。……なにもしないよりましですが、本質的には道路を拡張してくれって話です。国土交通省のみなさん、わかってますよね?

飛行機輪行のオーバーチャージ。預け荷物の上限20Kg。機内持ち込みを重くして、預け入れ荷物を軽くする。
→はい。わたしもエアアジアなどのLCCでやりました。手荷物の重量を超過すると余計にお金を取られてしまうため、できるだけ手荷物にして(ダルマのようになって)預け荷物を軽くするのがテクニックです。
帰りのチケットがないため搭乗できない危機。不法就労されないためにも、きちんと帰ってくれる旅行者(帰りのチケット)しか歓迎しない。
→「往復チケットを買って、復路のチケットを捨てる」という手があります。しかし七年半の陸路大旅行では通用しませんね。
自転車で陸路を抜ける。エアチケットなんて持っているわけがない。向こうで働く気なんてない。カネはたっぷりある。船で出国する。船のチケットは現地でしか買えないから今は持っていない。要するにちゃんと出国しますよ、という証明があればいいんだろう。キャッシュカード、口座の残高を見せて主張する。
→要は「確実に出国する。労働しない」ことを証明すればいいのです。上海から船で日本に帰る予定だ、など旅のビジョンを持っておいた方がいいみたいですね。
ペルーの砂漠で起こった追剥ぎ事件。三人組の強盗に、拳銃を腹に押し当てられたあげく、自転車以外のいっさいがっさいを取られてしまった。
→わたしもネパール・カトマンズで盗難事件に遭ったことがあります。現金の盗難って保証されないんですよ。現金の場合、現地警察の盗難証明が出ません。
保険会社に保険請求。宿をとって部屋に荷物をキープする。チップを払って食堂など店の人に「見ておいてもらえませんか」と頼む。見ておいてね作戦。人の目がある状態で盗るというリスクを払うだけの価値がない状態。
→わたしも外国では道とかホテルとかオススメとか「人に聞く」ようにしています。スマホで調べられることでも「あえて人に聞きます」それがコミュニケーションになるからです。
最高の話しのネタが手に入った、心のどこかでほくそえんでいた。自分を客観視して笑いに変える、という作業は苦境から自分を救ってくれる。
→最終的に石田さんは「旅行作家」になるわけですが、作家志望はこういうところがあります。人生すべてが書くためのネタ探し、みたいなところがあります。わたしも同じです。
人を用心するより、人を信用する方が、旅はぜったい面白くなる。
※性善説と性悪説のことがモチーフに出てくる私の著作です。ぜひお読みください。
こっちから近づいて知り合った相手はまず問題ない。向こうから近づいてきた相手は用心してつきあう。
→自転車乗りというよりも、バックパッカーの基本技術のひとつです。客待ちしていて向こうが声をかけてきたタクシーには無視して乗らず、手を上げて止まった流しのタクシーに乗りましょう。
自転車は万病の薬。体調が悪くなると、休むのではなく、むしろ走る。
→石田さんの場合、痔も治ってしまったとか。人によっては前立腺炎になる人もいるので、注意が必要です。
【ロードバイク】インポテンツ(前立腺炎・尿道炎)になるという噂と対応策について

会話集は使えない。単語をひとつでも多くおぼえるほうが断然いい。語彙が増えるだけでいろんなことが伝えられるようになる。旅で使う単語はだいたい決まっている。走行中に単語を暗記する。挨拶の単語、数字。指示代名詞。goodとvery とa littleをそれぞれの単語で覚えると組み合わせで使える。場を盛り上げる単語を覚えるハッタリ旅会話。
→石田さんはチャリ友から「×語、ペラペラですね」とよく勘違いされるそうです。わたしは表情とゼスチャーだけで済ませるタイプですが……徒歩バックパッカーは、自転車旅ほど現地人の助けを必要としないせいもあるんでしょうね。
驚きこそ深く心に残る旅の宝だ。いい食、いい店、は旅に求めている「宝さがし」。個人店、ビールの銘柄、店内から笑い声、あたたかい見た目、地場産品応援の店、センスを感じる店の名などチェック項目がある。
→外国の旅にくらべて、国内の旅が退屈なのは「食うものが一緒」ということがあります。「お店が一緒」だから、海外旅行ほど国内旅行は刺激がありません。
ライダーハウス。寝袋持参で雑魚寝する簡易宿。フェリーの二等客室のような雰囲気。チャリダーでも徒歩ダーでも電車旅行者でも誰でも利用できる。一泊無料から千円ほど。毎晩持ち寄りで宴会。北海道旅人の減少以前の十分の一。四国お遍路さん相手の「善根宿」など。
→フェリーの二等客室、楽しいですよね。「山小屋」も似ています。わざわざ高い金を払って個室に泊る人の気が知れません。雑魚寝の方が楽しいもの。
世界一周ブーム。世界一周チケットを使って、数か月から1、2年かけて世界をぐるっと回る。
→問題は「どんな体験をするか」です。世界一周するだけなら簡単なんですよ。飛行機に乗ればいいんだから。陸路でやろうとするとメチャクチャ大変ですが。ましてや自転車となると。
陸路での入国を許していないミャンマーなどは飛ばす。ネパールからタイに飛行機で飛ぶ。
→猿岩石のユーラシア大陸横断で、オンエアされずに問題になった「飛行機」問題ですね。入国できない場合は飛ぶのもやむをえません。
日本の子どもに表情がない。
→同世代の数がすくないし、経済が停滞しているし、遊ぶのがへたくそなんですよ日本人って。……タイのパタヤでは夜通し若者が騒ぎまくってメチャクチャに汚した街を、翌朝、老人たちが一生懸命に掃除してました。
観光ビザでバンコクに住み続けている。どんなに部屋が安いか、どれだけ飯が安くてうまいか、いかに女がいいか。ビザ切れ前に一時的に国外に出るついでにマレーシア旅行をしている。
→わたしも海外移住するとしたら、タイは第一候補にあがります。バリ、マレーシアと勝負というところです。
ブロガー、ユーチューバー、アフィリエイト、株式投資は、リタイアメントビザの就業禁止規定に抵触するか?
日本語問題。日本にしか住めないのは日本語問題が最大のネック

六年半という時間を費やしても、いまだ出発した時と変わらず、日本を一途に目指して走っている。自由になり切れていない自分がいる。無頼に生きる勇気はない。
→けっきょく、日本語問題ではないのかなあ。ペラペラの日本語、まったく喋れないタイ語。病院はどうする? 事件に巻き込まれたら? タイで暮らすと本や映画などの娯楽をどうするか考えないといけません。
電子書籍、読む気にならないんだよなあ。読書は紙でしたいの、ボク。
挑戦——日本社会に見切りをつけ外に向かうのはいい。だが、そこに挑戦はあるのか。目的はあるのか。自分が思いきり納得できるのなら、何も問題はない。ハリがほしい。人と関わりながら思いっきり生きて、自分の命の意味を求めたい。
→さすが自転車で世界一周するだけの人ですね。ちなみにこのブログの作者は市民ランナーの三冠王です。ガチンコの挑戦でした。今はランニングを執筆にかえて、挑戦をつづけています。石田ゆうすけさんとわたしは同類ですね。
自転車は自分の足で地球を動かして前に進む。
→いい表現ですね。自分が進む、と書くのが普通ですが、地球を動かす、という表現にしびれました。
石田さんは読書家です。日本一周後の燃え尽き症候群の時も、家にこもって本ばかり読んでいたそうです。
ただ自転車で世界一周しただけでは本を出せません。表現力に秀でたものがないと。
脚は脚。筆は筆です。

