直前割引、ファイナルコールの旅人に出会った実体験
かつて年末年始の海外旅行でモロッコに行ったときに、えらくラフな格好の日本人旅行者に会ったことがあります。彼は本当にそこらへんの近所に出かけるみたいな格好で、しっかり準備をしてきた旅人には見えませんでした。
彼は忙しいサラリーマンで、普段は休みが全然とれないのですが、年末年始の休暇だけはとれたので、いわゆる「直前割」「ファイナルコール」で安いプランを見つけて、急遽モロッコに来たそうです。別にモロッコに来たかったから来たのではなく、たまたま直前割で出ていたのがモロッコだったから来たのでした。帰国はパリ経由で、ルーブル美術館を見て帰ると言っていました。
その時の私は「そんな人もいるの」かと驚きました。「なんて行き当たりばったりな野郎だ」と呆れたものですが、今の私なら同じことができそうです。必携三点セット（パスポート、現金、スマホの電子チケット）さえあれば、明日飛び立てと言われても行けそうです。残りのものは全部現地で買えばいいのです。ビザ問題だけはよく調べましょう。
私は国内では車中泊の旅を楽しんでいます。車中泊旅行の場合、行く日と帰ってくる日だけは決まっていますが、どこに行くとか、現地で何をするとか、予定を立てることはまずありません。移動中に次のTo doをスマホで探しながら進むというのスタイルです。それと同じことを海外旅行でやればいいだけのことです。
ときどき行き先がわからない「ミステリーツアー」のようなものを旅行会社が企画していることがありますが、あれだって同じようなものでしょう。
具体的なファイナルコール、直前割がある会社
今どきですから、ファイナルコールはネットで探しましょう。
STW（エス・ティー・ワールド）
トラベルコ
ツアー・ネット
スカイゲート
などで、ファイナルコールの特集をしています。
いまさらですが、直前割というのは一種のキャンセル待ちです。なので、ツアーのキャンセルが無料から有料に変わるタイミングで一発目の直前割ブームが来ます。
そして親の危篤とか交通事故とかやむを得ない事情で有料でもキャンセルする人がでますので、そこでも出ます。そのタイミングは旅の直前です。
一般的な目安は出発日の１４日から２日前ぐらいです。
しかし……日本の航空券のチケットは世界一高いといわれるほど、年末年始やGWの価格は高く設定されています。ですから……そもそも直前割のプランが出ないことが多いのです。出ても需給バランス（売り手市場）でそれほど安くなりません。
直前割を狙うなら、なんでもない平日のツアーで、空席を飛ばすよりはマシという買い手市場の時がいいでしょう。
私も年末年始のファイナルコールをトライしてみましたが、うまくいきませんでした。私がモロッコで出会った旅人は、とてつもなく運がよかった人だったのでしょう。
やはり６か月前ぐらい前から早期割引で予約しておいて、じっくりと旅の攻略法を予習するというスタイルが日本の海外旅行の王道だといえるでしょう。直前割に頼り切っていると、どこにも行けないということになってしまうかもしれません。私の場合は車中泊があるので、海外旅行は諦めて、そちらに切り替えます。
