もはや事実ベースの記事で、人間の書き手が、大規模言語モデルに勝つのは無理
昨日、生成AIのフェイク動画に騙された体験談と、黒人ロックAI歌手による演歌に感動したエピソードをブログにアップした。
パーソナライズドはおそろしい。世間がちゃんと見えなくなる。生成AIも、現実がわからなくなる
げに昨今のAIのレベルアップは恐ろしい。私はブロガーであるが、もはや事実ベースの記事(✕✕について教えます系の記事)では大規模言語モデル(Large Language Model)AIに勝つことはできない。私に書けるのは血肉の通った個人的なエピソードだけだ。そこはAIの知ったこっちゃない領域だからね。

私が決定的にAIに敗北宣言をしたのは、ハワイのシルクドソレイユの舞台『アウアナ』の予約をしたときである。階段の直上席が空席だったのだが、そこから舞台がよく見えるのかどうか、私は知りたかった。
ダメ元でChatGPTに席番号を入力して聞いてみたところ、同じ席に座った人のSNSに「よく見えた」と報告があるので、よく見えるでしょうと教えてくれたのだ。
検索でも同じことができるだろうって? グーグル先生に聞いてもそりゃ無理だ。なぜなら私はせいぜい日本語と英語しかわからないから。
その同じ席に座った人というのは、スペイン語とかインド語とかギリシア語とか、私のわからない言語でSNSをあげていた。それを大規模言語モデルが日本語に訳して私に教えてくれたのだ。
グーグル先生がたとえ検索で情報をピックアップしてくれたとしても、そこに書かれている言葉が読めなければ、そもそもそれが適正な記事なのかどうかもわからない。LLMだからこそ、わかったのだ。
もはや脱帽レベルである。人工知能が人間の能力を超える閾、シンギュラリティーはもう起きていると私は思った。
シンギュラリティーはまだまだ。AIよ、まだまだ修行が足りんのう
ところが先日、「AIもまだまだだな」と思うようなエピソードがあったので、紹介したい。
私はYouTubeで英語の勉強をしている。日本語字幕をつけて、英語の記事を聞いている。この日本語字幕というのは、AIが英語をまず自動生成し、それを日本語へと変換している。字幕をつけているのは動画制作者ではなくて、あくまでもYouTube側のAIがサービスで付けくわえてくれているものだ。
高市早苗首相の、台湾における存立危機事態発言に、中国の習近平主席が激怒しているという内容の記事を英語で聞いていた。習近平のことは、英語ではシー・ジンピンという。しゅうきんぺいと呼ぶのは日本人だけである。そのシー氏がタカイチ氏を非難しているという記事を英語で聞いていたのだが、
「シー コンデムンド タカイチ」(習は高市を非難した)
というのを、AIは
「彼女は高市を非難した」
と和訳するのである。
シー・ジンピンのシーを、彼女と誤訳しているのです。
最初、私はshe(彼女)とは中国のことだろうか、と思った。中国という国のことを、女性扱いしているのかと思ったのである。そう解釈することで意味も通った。
マザーネーチャーと英語ではよく言う。母なる自然、だ。つまり大自然は女性扱いするのが一般的な英語の考え方なのだ。
だから私の中国=女性という発想は間違ってはいなかったのだが、しばらく聞いているうちに、AIがXiとSheを誤訳しているのだとわかった。シンギュラリティーはまだまだなのかもしれない。
She 女性代名詞(母なる地球。マザーネイチャー)よりも大きな he 男性代名詞
日本語でも母国という。父国とは呼ばない。だから国のことを女性名詞あつかいすることはおかしなことではない。
地球のことも女性あつかいすることが普通である。母なる地球とよく言う。
たとえばギリシア神話では大地母神はガイアといって女性の巨人である。
船乗りは自分の船のことを女性名詞でSheと呼ぶことが多い。日本語でも母船と言ったりする。
逆にナイフのような尖ったり刺したりするような道具は男性名詞なのだろう。ナイフをsheと呼びかけるのには違和感がある。
そう考えると、大きなものはたいてい女性名詞なのではないか? と仮説がなりたつ。大地や地球が女性名詞では、男性名詞は大きさにおいて太刀打ちできない。
それでは、男性あつかいされる名詞で、もっとも大きなものは何なのだろうか。
大規模言語モデルAIに訊いたところ、答えは「神さま」でした。
キリスト教の神様は、天なる父、ファーザーとよく呼びます。男性代名詞で呼ばれる最大のものは神様なのでした。

