エコノミークラス症候群、別名、旅行者血栓症、肺動脈血栓塞栓症
サッカー日本代表選手だった高原直泰が、肺動脈血栓塞栓症にかかって代表を外れたというニュースのことをよく覚えています。胸の痛みを訴えて急遽入院したというニュースでした。いわゆるエコノミークラス症候群というやつです。「アスリートでもなるんだなあ」という漠然とした印象をもったのと、「たぶん日本代表選手はビジネスクラスでの移動だろうから、厳密にはエコノミークラス症候群とは言えないんじゃね?」という下手なツッコミを心の中で入れたものでした。
このエコノミークラス症候群、別名、旅行者血栓症とも言います。長時間同じ姿勢を続けることで血流が悪くなり、血栓という血の塊ができてしまう病気のことです。この血栓が肺につまった場合が、高原さんがなった肺動脈血栓塞栓症ですね。最悪の場合は命にかかわることもあるそうです。
なんでエコノミークラス症候群というかというと、飛行機のエコノミークラスの乗客がよくかかるから、そのように呼びならわされています。新幹線のように座席が広くていつでも立ち上がってトイレに行けるような乗り物と違って、飛行機のエコノミークラスは狭いし、隣の人にお願いしなければおいそれとトイレに立つこともできません。隣の人が眠っていた場合には、起こしてしまうことになります。できるだけおとなしく、ただ座っているというのがエコノミークラスのマナーではないかと思います。
肛門がいぼ痔になっている! 原因は血の塊
さて、ひさしぶりにハワイに行ってきた私ですが、帰国後にからだに不調が見つかりました。
う、肛門が痛い……。復路の9時間のフライトで、ずっと固い椅子に座っていたら、なんだかお尻にいぼ痔のようなものができてしまいました。OMG!
調べたところこれは血栓性外痔核というそうです。長時間、固い椅子などに座っているために、肛門あたりの血が鬱血して、そこに血栓ができるという症状だそうです。
私はランナーなので、このままいぼ痔だと走るときに問題が生じてこまります。
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しかし、基本的に血栓性外痔核は保存療法でなおるそうです。まるいふくらみの中身は血栓なので、それが自然に体内で融解すれば、自然となおるそうです。
ほっ。一安心です。
でも別の疑問が生じました。
これって一種のエコノミークラス症候群なんじゃありませんか? だってエコノミークラス症候群の定義にぴったりとあてはまります。長時間同じ姿勢を続けることで血流が悪くなり、血栓という血の塊ができてしまう病気のことをエコノミークラス症候群というのですから。私のいぼ痔は血栓です。痔といえば痔ですが、旅行者血栓症といえば旅行者血栓症であるに違いありません。
血栓性外痔核は、旅行者血栓症
ふだんのフライトでは二人席を嫁とならんで座ることがほとんどなので、隣の人に気を使うことはないのですが、ハワイ便は満席で、四人席の真ん中に嫁と並んで座ることになりました。隣にはまったく知らない人が座っています。いつもだったら貧乏ゆすりをしたり、足を伸ばしたり、トイレに立ったり平気でするのですが、今回は隣の他人に気を使ってできませんでした。おとなしくじっと座り続けていたのです。トイレに立つのも遠慮していました。
固い椅子にずっと座り続けていたせいで、肛門周辺の血が鬱血してしまったのでしょう。まさにエコノミークラス症候群です。これがビジネスクラスならば、いつでも立ち上がれるから、通路で屈伸運動したりして、痔にはならなかったでしょう。
まさか自分がエコノミークラス症候群にかかるなんて……。
長く旅してきた経験から、自分はそういうものにはかからないのだと、たかをくくっていました。しかしそうではありませんでした。この肛門の痛みと違和感は、血栓性外痔核という一種のエコノミークラス症候群に自分がなったことの証明です。過信は禁物ですね。
肛門のいぼ痔(血栓性外痔核)は、まちがいなく旅行者血栓症だ
エコノミークラス症候群というのは、動かずにずっと同じ姿勢でいることで、血流が悪くなることで体内に血の塊ができてしまう病気のことをいいます。人によってはその血栓が肺に詰まったりして重症化したり、死んでしまったりすることもあるわけです。
その意味でエコノミークラスで長距離フライトした結果生じた肛門のいぼ痔(血栓性外痔核)は、まちがいなく旅行者血栓症だといえるでしょう。
たまたま私の場合は肛門でおさまってくれたから、血栓性外痔核ですみましたが、血栓が肺にまで到達していたら、胸をおさえて倒れていたかもしれません。
たしかに、飛行機の中で、いつもよりもふくらはぎが張っているなあ、と思っていたのです。でも自分は大丈夫と思い込んでいました。やばい、やばい。こりゃあ隣の人に遠慮なんかしている場合じゃありませんね。積極的に体を動かしたり、トイレに立ったりするべきでした。
肛門にいぼ痔ができてしまいましたが、でも高原さんのように肺血栓塞栓症になるよりはマシだったんじゃないでしょうかね。肛門が、血栓を流出させず、そこでとどめてくれたから、肺が詰まって入院するというような重症にはならずにすみました。
座った姿勢で、いちばん体重がかかる部分だから、肛門はもっとも圧迫されやすいといえます。そして肛門というのは一種の血管のどんづまりだから、より血栓ができやすいのでしょう。
みなさんも、旅行者血栓症の一種である血栓性外痔核(いぼ痔)にはお気をつけください。機内で配られる枕をお尻の下に敷いたりするのも対策になるかと思います。
おお、アナルが痛い!
だたこれを、ひどいめにあったと捉えるか、ラッキーだったととらえるか、ここが境目でしょう。
おれの肛門よ、血栓が肺に行くのをよく防いだ! きみが身を挺してくれたおかげで、肺血栓閉塞症にならずにすんだのだ。
いぼ痔はきみの勲章のようなものだ。
よく頑張った!!