バーベキューを禁止にしたら、お客さんが激減してしまったという話し
千葉県の鴨川市に仁右衛門島という観光地があります。そこへは船で渡っていかなければなりません。その船の船頭さんと話しをしたときに感じたことを、このブログでは書いています。
仁右衛門島では島でバーベキューをやるお客さんが多かったんだそうです。しかしコロナ禍でキャンプが流行したあたりから、具体的には残飯を放り投げる、ゴミを持ち帰らない、炭を放置するなど、バーベキューをする客のマナーがとても悪くなったのだそうです。
島でいくらゴミの持ち帰りなどのルールをよびかけても守ってもらえないことから、バーベキューを禁止にしたら、お客さんが激減してしまったのだということでした。
なんだかかわいそうな話しではあります。マナーの悪いバーベキュー客の、みんなが被害者です。仁右衛門島も迷惑ですが、ちゃんとしたマナーのバーベキュー客も迷惑したことでしょう。そこでBBQできなくなってしまったわけですから。
ゴミ処理代、掃除代込みで、キャンプ代・BBQ代を高く取ればいいのではないか?

しかし……しかしですよ。そんなにバーベキュー客頼みで、禁止したら客が激減したっていうのなら、いっそ別料金とって、自分たちでごみ処理したらどうなのよ?
お客さんは残飯や灰などは本土に持ち帰らず、島に全部置いて行っていいことにして、その分、ゴミ処理代、掃除代込みで、キャンプ代・BBQ代を高く取ればいいのでは?
ゴミを自己責任で持ち帰らせようとするからいかんのではないでしょうか。たしかに自分で出したごみは持ち帰るのがマナーだとは思うが、そもそも炭の残りカスなど持ち帰るのが難しいシロモノだってあります。
別に有料サービスにして問題ないと思います。はじめからごみ処理代、清掃代込みで料金を取ってしまえばいいのではないでしょうか。自分たちで残飯を処理するのがいやなら清掃業者に外部委託したっていいのです。それでこそカネが回るというものです。
そういうことを考えたうえでボツにしたのならいいのだが、日本人のきれい好きとかマナーといった神話に頼りきって、海辺で暮らすお爺ちゃんたちがどうすることもできなくて困り果てているように見えたので、こんなことを書いてみました。
日本人のマナーに期待するビジネス設計は、やがて限界が来る

なにもこれは仁右衛門島だけの問題ではありません。お客さんのマナーに困っているすべての施設に言えることです。
たとえばタイのカオサンでは路上にゴミを捨てる人が多くて、客のマナー頼みではあっという間にゴミの町になってしまうでしょう。しかし早朝に清掃業者が毎日のようにやってきてストリートをごっそり掃除しています。
その清掃業者に払う費用は、おそらく街全体でまかなっているのでしょう。最終的にはカオサンを訪れるお客さんの飲食代に紛れ込んで賦課されているはずです。結局は受益者負担なのです。
客のマナーの悪さにバーベキューを禁止にしたら、客が激減して困っているというのなら、受益者負担にしてビジネス化すればいいのではないでしょうか?
そのぶん利用料が高くなるから客が来なくなるって? そんなことはないでしょう。自分でゴミ処理しなくていい。残飯などを持ち帰らなくていいということにメリットを感じて、お金を払ってもいいという人がいるはずです。
そもそも船でないと渡れないという条件で商売しているわけですから、やってみる価値はあるでしょう。
今後、人口の10%は外国人になるといいますし、日本人のマナーに期待するビジネス設計は、やがて限界が来ると思います。

