芥川賞作家が一作で消えてしまうのは「書きたいものだけ書く」スタンスだから

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サーファーショップの店長が介護事業に波乗りしていた件

若いころサーファーショップを経営していた知り合いが、介護事業をやっていて驚きました。この人、好きなことだけやって生きてきたと羨んでいたけれど、けっこう経営の才覚もあったのかもしれないな、と思いました。

老人の介護が好きな人なんていないだろうから、そこはビジネスチャンスを嗅ぎ取って波を乗り換えたんだろうと思います。

結局、本当に成功する実業家、経営者ってのは、「この仕事がやりたい」「好きなことを仕事に」ではなく「経営者になりたい」「一旗揚げてとにかく成功したい」という人なのだろうと思います。

分野を変えても経営者としてのスキルは流用できる

売る品物がサーフィングッズから介護サービスに代わっただけで、経営者としてはそんなに違うことをやっているわけじゃないのかもしれません。たしかに現場は全然違うかもしれないけれど、人を雇うことや、税務署への申告や、銀行からの融資などの経営者としてのスキルはサーフィンショップから流用できているのでしょう。けっしてゼロからはじめたわけではないと思います。

この人がサーフィン好きだったのは事実だけれど、それだけならば今はもうお店をたたんで老後を養っているだけになっていたでしょう。しかしそうではなくて経営者としての自分を確立していたからこそ介護サービス事業者として今も現役の経営者でいられるんですね。

芥川賞作家が一作で消えてしまうのは「書きたいものだけ書く」スタンスだから

このことから、たとえば作家として成功するのは「このネタで小説が書きたい」という人ではなく「とにかく文章を書いて生きていきたい」という人なのでしょう。前者は一本の小説でキャリアが終わりますが、後者はずっと書き続けることができます。芥川賞作家などスマッシュヒット一作で消えてしまう人がたくさんいますが、芥川賞作家が一作で消えてしまうのは「書きたいものだけ書く」スタンスだからなのだと思います。サーフィンが好きだからサーファーショップなら経営するよ、という経営者と同じです。しかし成功する経営者っていうのはそういう人ではないんだなあと感じました。商売として成功する作家も。

介護事業と文筆業、なんだかぜんぜん違うことを言っているように見えるかもしれませんが、実は同じことです。サーファーショップから介護事業に転職した知り合いを見て、そんなことを考えたのでした。

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