- Youtube動画投稿。やってみると思わぬことにぶち当たる。
- 信号機などの点滅をフリッカー現象という。
- 人の眼にはそうは見えないが、信号は点いたり消えたりしている
- 網膜残像と脳内補正で、信号はずっと点灯しているように見えているだけ
- LEDライトが点滅して撮れてしまう原因は、fpsが倍数・約数関係にあるから。
- iPhone、androidともに手動で任意のfpsには変更はできない
- 動画編集フリーソフトAviUtlがフリーズしてしまう問題と対策
- そもそも論。なんで撮影した動画は網膜残像で脳内補正されないのか? 同じ理屈ではないか。
- 戦闘機のプロペラと機関銃の関係みたい。
- 『リングにかけろ』支那虎一城の扇風機特訓(ローリングサンダー)みたいなもの
Youtube動画投稿。やってみると思わぬことにぶち当たる。
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ボケーッと他人の動画を眺めているだけだとわからないことが、自分で動画を撮影するとわかってくることがあります。
「あれ? おれの動画、信号が点滅しているけどなんで?」
信号だけではなく、車のインパネの点灯なども同じように点滅しています。
これはいったいどういうことなんでしょうか。
なぜこんなことが起こるのか? そしてその対策は?
自分のために調べてみました。ここではその勉強した結果を発表しています。
ちなみに私は動画をiPhone8とpixel7で撮影しています。フレームレートはどちらも30fpsです。
信号機などの点滅をフリッカー現象という。
動画を撮影すると信号機などが点滅するこの現象のことを専門用語で「フリッカー現象」というそうです。このような言葉がある以上「よくあること」「ありふれた症状」だということですね。
人の眼にはそうは見えないが、信号は点いたり消えたりしている
小学生のころ「直流電流」と「交流電流」というのを習いました。そして電池は直流電流だけど、一般家庭の電気は交流電流だと習いました。
直流電流とは電気の流れる方向が一定で、交流電流は電気の流れる方向が行ったり来たりを繰り返している流れ方だと習いました。
だから乾電池製品は電池のプラスマイナスのセット方向を正確にしなければならないけれど、自宅のコンセントは左右を気にしないで差しても問題ないのですね。電流が行ったり来たりしているわけですからコンセントの左右は問題になりません。
この交流電流の行ったり来たりするリズム感のことを周波数といいます。西日本なら60Hz、東日本なら50Hzです。以下、60Hz基準で語りますが、50Hzでも話しの本質は変わりません。
信号などのライトは交流電流で点灯していますので、一秒間に60回電気の流れる方向が行ったり来たりしています。そしてちょうど電流の流れがゼロ地点にあるとき、ライトは消灯しているのだそうです。人の眼にはそうは見えませんがライトは点いたり消えたりしているのです。
網膜残像と脳内補正で、信号はずっと点灯しているように見えているだけ
人の網膜は残像効果があるためにずっと点灯しているように脳内補正されていますが、実際には信号は一秒間に60回点いたり消えたりしているのだそうです。
ところでスマホの動画はパラパラ漫画のようなシステムとなっています。一秒間に30コマ撮影してパラパラする場合、30fps(フレームレート・パー・セコンド)といいます。
この猛烈なスピードのライトの点滅と、動画のfpsが同期してしまうと、信号が消えた状態で撮影してしまう場合があるというのが点滅現象の正体でした。
一秒間に60回消える信号を一秒間に30回撮っているわけですから、シャッタースピードが完全に同期した場合、信号は本当は点いているのに、動画に撮ったら消えていたということが起こりえる可能性があります。実際にそういうこともあるそうです。
カメラの場合は、網膜残像とか脳内補正とかありませんので、光源が消えているときは消えているように撮影されてしまうわけですね。
動画再生(パラパラ動画)の中に、信号が点いている静止画と、信号が点いていない静止画が混在しているために、再生した動画が点滅してしまうのです。
でも疑問があります。
LEDライトが点滅して撮れてしまう原因は、fpsが倍数・約数関係にあるから。
一秒間に60回点滅するを、一秒間に30回のシャッタースピードで撮影したら、完全に消えているか、完全に点いている信号が撮れるんじゃないの? だって同期してるんだもの。
問題は60が30の倍数・約数関係にあるということです。これは同期してくださいといっているようなものです。タイミングがドンピシャで一致するわけですから、信号の光をずっと撮れるか、ずっと撮れないか、になるんじゃないでしょうか? アタリにせよ、ハズレにせよ、完全に同期するはずです。信号のLEDライトが撮れたり、撮れなかったりするのは理屈に合いません。だってリズム感が完全にリンクしているんだもの。
これに対する回答の仮説は、周波数(信号の点滅周期)もfps(コマ送りの撮影回数)もおよその目安であって完ぺきではないから、というものです。周期はおよその目安で完ぺきではないのならば、ライトが撮れたり撮れなかったりすることの説明がつきます。ずれているなら完璧な同期とはなりません。
逆にこの仮説からいえるのは、フリッカー現象を避けるためにはなるべく同期しないfpsを採用すればいいってことになります。公衆の電気の電力周波数を変更することはできませんので、手元のカメラのfpsを変更するのです。
たとえば27.5fpsとかに変更できれば……公衆電流の60Hzとは同期しにくいという理屈です。両者が倍数・約数関係にないからですね。実際にドライブレコーダーなどでは27.5fpsが一般的に使われているそうです。ドラレコは交通事故が起きた時、信号が赤だったのか青だったのかが重要なのに、シャッタースピードが点滅に同期して信号が消えていた、なんてことになったらドラレコの意味がありません。
iPhone、androidともに手動で任意のfpsには変更はできない
ところでわたしのスマホ iPhone8、pixel7 は手動でfpsを変更できるのですが……30か60fpsしか選べません。任意のfpsに変更することはできないのです。
駄目じゃん! どちらも60Hzに対して倍数・約数関係じゃん。なんでこんなドンピシャのfpsしか用意されていないのよ。手動で任意のfpsに変更できればいいのに。大雑把!!
動画編集フリーソフトAviUtlがフリーズしてしまう問題と対策
pixel7の方はよく見たら「自動fps」というのがあったので、そちらの設定にしてみることにしました。でも不安です……。
実はAviUtlというソフトを使って動画編集しているのですが、あまりにもfpsが大きかったり、高画質だったりすると、AviUtlがフリーズしてしまうのです。フリーズして動画編集ができません。
動画の画質を4Kではなく、FHDにしているのも、それが原因です。画質を落とさないとAviUtlがフリーズしてしまうのです。
これはAviUtlの問題ではなくパソコンの処理能力の問題です。パソコンにグラフィックボードなどが入っていれば問題なくサクサク動くのだと思いますが、わたしのBTOパソコンだとスペックの問題でソフトが止まってしまうのです。
AviUtlをフリーズさせないためには、高性能のパソコンに買い替えるか、処理している動画の情報量を減らすしかありません。そのために本当は「4K60fps」で撮りたいのに「FHD30fps」で撮っています。
もちろん60fpsの方が滑らかな映像になるのですが、テレビも30fpsだといいますので視聴に問題ないかな、と思っています。っていうかそれしか選択肢がありません。ちなみに映画は24fpsだそうです。30fpsでも視聴者維持率に問題ない!(ト信じたい)。
そもそも論。なんで撮影した動画は網膜残像で脳内補正されないのか? 同じ理屈ではないか。
信号を直接見る場合、網膜残像や脳内補正でずっと点灯しているように見えます。本当は信号は点滅しているのに。だとすれば、どうして撮影した動画を再生したときには点滅しているように見えるのでしょうか? これも同じように網膜残像や脳内補正によって常時点灯しているように見えてくれればいいのに。。。
これはおそらくfpsの枚数の問題でしょう。
一秒間に30枚ということは、一枚あたり0.03秒の持ち時間です。
それに対して60Hzの地域では一秒間に120回点滅しています。ひとコマの持ち時間は0.008秒です。この0.03~0.008のあいだに人間の神経の処理能力がちょうどあるのでしょう。だから信号は点滅しているように見えないのに、撮影した動画は点滅しているように見えるのです。
もちろんパラパラ動画の点灯、消灯の頻度によります。すべて消灯でとれてしまっていたら(完全に同期)ひとコマの持ち時間なんて関係ありませんから。
戦闘機のプロペラと機関銃の関係みたい。
この稿を書きながら、このLEDライトの点滅と動画のfpsの関係は、なんだか戦闘機のプロペラと機関銃の関係みたいだな、とずっと思っていました。
第二次世界大戦ぐらいのプロペラ戦闘機に、機銃座がプロペラの旋回範囲とモロ被りの機体があります。プロペラの後ろ側に機銃眼があるタイプの戦闘機です。ゼロ戦なんかもこのタイプがあります。
ちょっと同期がずれたら、プロペラは自分の機銃でボロボロです。プロペラの回転と機銃の発射スピードは同期していて、うまくプロペラの隙間をぬって撃てていたというのですが……ホンマかいな。
プロペラだってそうとうな速さで回転しているはずです。その隙間を縫うようにして機銃が飛ぶというのは相当精密な同期が必要なはずです。「プロペラ同調装置」というのがあってそれによってプロペラを避けて弾丸が飛んだようですが……おれだったらこんな戦闘機には乗りたくないね。信用できません。
『リングにかけろ』支那虎一城の扇風機特訓(ローリングサンダー)みたいなもの
『リングにかけろ』という漫画に、支那虎一城というシブいボクサーが登場します。彼は片腕が動かせません。それは幼い頃父親に強制された扇風機特訓が原因でした。
扇風機の羽根を刃に魔改造した凶器の隙間をぬって、刃の羽根の向こう側にある水晶玉をとるという特訓に失敗して片腕が動かなくなってしまったのです。
最終的には、この特訓の果てにローリングサンダーという必殺技を編み出すんですが、ほらね、失敗することもあるんですよ。電気の周波数と動画のfpsだって倍数約数関係にあるのに撮れたり撮れなかったりするんですから。
ちょっと調整がずれたらどうするんですか! アブナイアブナイ。戦闘機の機銃だってタイミングがちょっとずれたらプロペラがボロボロです。もう地獄……。
話しがそれましたが、要するに戦闘機のプロペラと機関銃の関係のように完全にうまい具合に同期することができれば、60Hzの地域で60fpsで撮影しても完璧に点灯しているLEDライトが撮れる、という話しですね。
ただ信号とカメラのあいだには「同調装置」をつけるわけにはいきません。ちゃんと同調できるかどうかは運まかせになってしまいます。
Youtubeもやってみるといろいろなことがわかります。やはり経験こそ最大の先生だということですね。
人間、トラブルにぶつからないと、あまりものごとを考えないということでしょうか。
さてフリッカー現象の解決策ですが、なすすべのないまま動画をアップしています。この稿を書いた日にアップした動画も車内インパネのLEDライトなどが点滅しています。
よかったら見てやってください。