ウクライナ戦争のニュースのハシゴをして、軍事評論家ばりに詳しくなった。
わたくし、「紅旗征戎わが事にあらず」の大指針を完全放棄して、ウクライナ戦争ウォッチャーになっております。
昔、プロ野球ニュースをハシゴしている人がいました(読売テレビなら巨人が勝つかもしれない、と同じ試合の結果を何度も見ているプロ野球ファンがいたのです)が、それと同じ感覚でウクライナ戦争のニュースのハシゴをしています。
おかげでほとんど軍事評論家ばりにウクライナ戦争の状況について詳しくなってしまいました。
ウクライナ戦争後の世界。ロシアの分割統治(案)。日本は樺太をもらえ
アメリカCNNよりもイギリスBBCの方が英語が聞き取りやすい。
日本のニュースに飽き足らずBBCまで見てしまうほどです。CNNよりもBBCの方が英語が聞き取りやすいことをウクライナ戦争ではじめて知りました。BBCなら言ってることの半分ぐらいは理解できます。言ってることをそもそも知っているので聞き取れるのかもしれませんが。
その中で、5月23日に、ウクライナに捕虜となったロシアの兵士が裁判にかけられて、終身刑になったというニュースを見ました。
いやいやいや、それはおかしいでしょ。いくらなんでも。
軍隊というのは上官の命令に従わないと処罰されるところ
そもそも軍隊というのは上官の命令に従わないと処罰されるところなのです。末端の二十歳前後の子はそりゃあ上官の命令に従いますよ。
あなただったらどうです?
自分が二十歳前後の頃、平気で部下を撃つとわかっている銃を持った上官に命令されて、銃撃を拒否できますか? もちろん命令を拒否したら軍法会議で裁かれます。
わたしはあまり世間のルールに従わない人間ですが、そんなわたしでも簡単に命令拒否はできないと思います。
【ランニングマン宣言】すべての国ぐにのランナーよ、団結せよ!
進撃の命令が通らなければ軍隊は崩壊します。実際にウクライナ戦争中、ロシア軍の上官が部下を撃っているという報道がありました。
戦争をやっているのです。敵も味方もいたるところで人が死んでいます。もう「やっちゃいけないことの心の壁」はとっくにぶっ壊れています。命令無視の部下を撃つことぐらい何でもないことでしょう。
ウクライナ戦争。ロシア軍は兵装が古すぎる。ソ連製の戦車って。
最初に裁判にかけられた二十歳前後の子は、若い頃のプーチンに顔が似ていると思う
戦争中に上官に「殺せ」と言われたら、敵(の市民)を殺すか、自分が殺されるか、逆に上官を撃ち殺して逃亡するか。選択肢は三つしかありません。いずれにしても誰かが死にます。だとしたら敵(の市民)を殺す選択しか取りようがないと思います。そうしたくなくても、その場は従うしかないだろうと思うのです。
ロシア兵で最初に裁判にかけられた二十歳前後の子ですが、なんか若い頃のプーチンに顔が似ていませんか。わざとそういうツラの兵士を選んだんじゃないでしょうか。
それともスラブ人はわたしにはみんな同じ顔に見えるだけなのかしら。
慈悲を! ロシアの兵士がかわいそうじゃないか。
まあ顔はともかく、彼の状況を考えたら「終身刑」というのはヒドイと思う。罪を問うべきなのは命令した彼の上官ではないでしょうか。
人権意識が行き届いた現代の感覚からいうと、命令に従わざるを得なかった二十歳前後の子を終身刑にするのは、ちょっとかわいそうじゃないかな。
勝者が敗者を裁く「(罰の)みせしめ裁判」ではなく、まだ戦争途中で、勝者と敗者がはっきりしない中で一般裁判をひらくというのは、ロシア軍にたいする「(抑止力を期待した)みせしめ裁判」なのだろうと思います。
たとえ上官の命令であっても、ウクライナ民間人を殺すな、というメッセージなのでしょう。その抑止のために二十歳前後の彼が犠牲になっているようにしか見えません。
おれだって経験値の足りない二十歳前後で彼と同じ状況なら、やったと思います。祖国を愛していたら、自分が殺されることも、上官を殺害して逃亡することも選択できません。はじめから選択肢はひとつしかなかったのです。
今は暫定的に終身刑でもいいから、戦争が終わって、民間人殺害の抑止力を求めなくてもいい時代が来たら、減刑して彼を助けてあげてください。
ほんとうは非道な命令の犠牲者に過ぎないのに、終身刑だなんてあまりにもかわいそうだ。
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このブログの筆者の著作『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての感想と提言。
『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか?
●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか?
●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。
●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか?
●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。
ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすることが、人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。それに反する行動は人類全体に否決される。いつかそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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