デフ陸上。なぜデフリンピックは、パラリンピックと統合しないのか?

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デフ陸上、デフリンピック。デフとは耳が聞こえないこと

英会話の勉強をしています。その中で「音痴」という言葉が必要になりました。私は単語を知らず、英語で音痴と言えなかったのですが、英語で音痴はtone deafといいます。

ああ、そういうのか。と思いました。

デフ陸上、デフリンピックというのがあります。聴覚障がい者の陸上大会のことです。つまりデフとは「聴覚障害」という意味ですね。

デフリンピックはもちろんデフ+オリンピックの造語です。デフリンピック競技としては、陸上、水泳、バドミントン、バレーボール、自転車、テニス、サッカーなど本家オリンピックに遜色ない内容になっています。

私はマラソンの著書もある市民ランナーですが、マラソンにおいてデフであることは、まったくハンデキャップにならないと思います。沿道の応援が聞こえないからって急に走れなくなるとは思えません。三半規管の異常で頭がクラクラするなら話しは別ですが。

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マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」の本当の意味は?
●【肉体宣言】生きていることのよろこびは身体をつかうことにこそある。
(本文より)
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個人競技の場合、デフはハンデにならない

おなじ陸上競技でも、たとえば100m走なんてむしろ耳なんかまったくオフにして走るのではないでしょうか? スタジアムの歓声を聞きながら走っているとは思えません。そんな余裕はないはずです。聴覚なんて必要ありません。ほかの競技でも、たとえばテニスなど個人競技はまったくデフはハンデにならないのではないでしょうか?  水泳なんかは健常者でも水の中だとどうせ水の音しか聞こえませんので、競技力にまったく影響がないでしょう。

団体競技の場合は、声をかけてコミュニケーションをとる場合もあるので、デフはハンデになると思います。

なぜデフリンピックはパラリンピックと統合しないのか?

しかし視覚障がい者にくらべたら、聴覚障がい者は、健常者にくらべてそれほどハンデキャップにはならないのではないでしょうか?

その点、目が見えないと天と地ほどのハンデキャップがあるでしょう。かつて私はマラソン大会で、左目のコンタクトレンズが上のほうにずれて元に戻らなくなってしまったことがあります。涙があふれてきて、しかたがないので目を閉じて走りました。目を閉じて走ったといっても、十秒に一回ぐらいは右目をちらっと開けて周囲を確認したので、それほどハンデを感じませんでした。しかしずっと盲目となると話はぜんぜん別でしょう。

視覚障がい者にはパラリンピックという身体・視覚・知的など全般的に障害のある人のための大会があります。一緒にやれば一回で済むのに……と思いますが、デフリンピックがパラリンピックに統合されないのは、ハンデキャップの差が違いすぎるためでしょう。目の見えないブラインドの人と、耳の聞こえないデフの人でサッカーをやったら、そりゃあデフの人たちがぜったいに勝ちますよ。

マラソンならば勝負になるかもしれませんが、たとえば健常者が耳を塞いで走ったケースと、目を塞いで走ったケースで、同じタイムが出るとは思えません。何かにぶつかるかもしれない恐怖が、無意識にストライドを縮めるはずでしょう。

最速のストライド走法フォームの作り方。後ろに蹴るのではなく、前に突き出してストライドを稼ぐ

っていうか、そもそも私は普段いつもヘッドフォンで音楽を聞きながら走っています。はじめから周囲の物音は聞いていないのです。レース本番でもヘッドフォンをかけて走ったこともあります。それと同じことではないでしょうか? デフはまったくハンデになりません。

これほど差があると、たぶん一緒にパラリンピックをやったら、誰もデフの人を応援してくれないでしょう。手足の欠損者や、視覚障害者を応援したくなるに決まっています。それゆえに統合しないのでしょう。文化の土壌が違いすぎます。

音痴。日本語と英語の言葉のセンス、発想は同じ

音痴は、日本語で言うと音に対して痴呆というニュアンスで「音痴」ですが、英語のつくりも同じ発想ですね。

英語で音痴はtone deafというわけですが、tone は音とか音階という意味ですし、deafは聞き取れないという意味ですから、なるほどtonedeafは音痴だな、ということがわかります。

私の場合は、デフ陸上を知っていたので、tonedeaf 音痴という英単語をすぐにおぼえることができました。

英単語というのは、こういうふうにおぼえると、労力が少なくて済みます。

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