海外で両替するときの基本的なノウハウ
海外で両替する場合、通常はこのような原則に従って行動します。
円の方が外貨よりも強いマネーの場合は、行った先(外国)で両替します。世界中の人がベトナムドンよりも日本円を欲しがります。そういう場合は行った先のベトナムで両替します。この記事はこのようなケースを想定して書かれています。
円の方が外貨よりも弱いマネーの場合は、国内で両替します。ドルやユーロの場合は国内で両替します。アメリカで円を両替しようとしても「そんなものいらん」と安く買い叩かれてしまうことが想像できると思います。
渡航先が日本に縁がなさそう(日本なんかに興味がなさそう)に思える場合は、国内で両替します。「日本円、何それ?」という国の場合は言葉も通じるし信用もできる日本の銀行で両替します。空港の銀行窓口でじゅうぶんです。
海外の空港での銀行両替と、街中での両替商両替。we sell、we buyの意味とは?
海外で円を外貨に両替する場合、空港の銀行で両替するのは少額にして、メインは街中の両替屋で両替します。経験上、空港で両替すると損すると思ってほぼ間違いありません。
空港で必要なのはダウンタウンに行くためのタクシー代と初日の宿代、翌日の朝食代ぐらいでしょう。
市街地の両替商の場合、レートの基準は一つしかありません。例えばフィリピンの場合「¥japanese yen currency=3.82」といったような基準で取引されます。市街地両替商の場合、旅人の需要がそっち方面しかないので、円で外貨を買う場合のレートしか提示しないのです。この場合、10,000円渡すと3,820ペソもらえます。街中両替の場合、数字が大きいほど旅人に有利になります。できるだけ数字の大きな両替屋で両替するようにしましょう。
ところが空港の両替(ほとんど銀行の窓口です)の場合、指標が二つ存在します。we sell と we buy の二つの指標です。空港の場合、帰国前に残った現地通貨を日本円に再両替する人がいるので指標が二つあるのです。
この場合we(私たち)の主語は「両替する銀行」です。sell(売る) buy(買う)ですが、円を主語にしているのか、ペソを主語にしているのか、何を主語にするかで内容が全然違ってきます。
正解は、こう覚えましょう。銀行はちゃんとしたまともな商売をしているので、自分中心ではなく、お客さまであるあなたの通貨を主語にして話してくれます。つまり日本人の場合は円を主語に喋っているのです。We buy は円を買う場合、です。
銀行は円(buy、sell)と自分たち(we)を主語に話している
旅の初めに、日本人旅行者は円を売ってペソが欲しいわけですよね? 円を売ってペソを買う場合、円が主語なので、we buyのレート(銀行が円を買うときのレート)を見ればいいわけです。we buyを見る時、レートの数字は大きい方が旅行者に有利です。
万が一、帰国前に再両替をする場合、余ったペソを売って円が欲しいわけです。その場合we sell(円が主語なので、銀行が円を売る時のレート)を見ます。あくまでも円が主語です。we sellのレートで円を売ってくれます。あくまでも日本円が主語なんですね。この場合、レートの数字は小さい方が旅行者に有利です。
あくまでもお客様主体の言葉づかいになっていると覚えておいてください。
両替レートの表記単位はそれぞれ。およそのレートを知っておく必要がある
両替レートの表記単位(桁数)ですが、これが両替屋によって違うので難しいところです。たとえば上記図のレートを例に説明します。これは外国人が日本で円が欲しい時のレートです。アメリカ人は1ドルで107.50円をもらうことができます。では韓国人は1ウォンで8.4円がもらえるかというとさにあらず。おそらく100ウォンで8.4円がもらえるということでしょう。「韓国ウォンは日本円のおよそ十分の一のレート」という知識がないとこの判断はつきません。
ここが両替の難しいところです。フィリピン・ペソの場合、3.82と表記されたり(10円渡せば3.82ペソ)、0.382(1円渡せば0.382ペソ)と表記されたりする場合があります。両替商によって表記(基準単位)が違います。相手によって柔軟に対応しなければなりません。そのためにはおよそのレートを知っておく必要があるのです。
通常、日本でレートを検索すると「フィリピンの1ペソは2.61円(例)」と表記されます。これはどういうことかというと、1万円渡したら3,831ペソほど手に入るということです(10,000÷2.61=3,831)。「¥currency=3.82」だった私の場合、1000÷382=2.61 と割りかえした数字とちょうど合致しました。現地フィリピンで買い物をするとき、日本円でいくらかと知りたかったらペソ表記に2.61を掛ければ円での金額がわかるというわけです。
信じられないようなレートの通貨もある。だから海外旅行はおもしろい
ドルやユーロ、フィリピンや韓国、タイなどの場合はまだわかりやすいのですが、ベトナムなどは通貨レートが常識外れなので、何が何だか分からなくなってしまうこともあります。1ベトナムドン=0.0061円(例)。これは1万円渡したら1,639,344ドンが手に入るということです。10,000÷0.0061=1,639,344円。100万ドンですよ。私はベトナムで100万ドンを請求されて本当に正しいのかと手が震えたことがあります。ひょっとしてめちゃくちゃぼったくられているんじゃないだろうか……。日本で買い物して100万円請求されたことなんて生涯ただの一度も経験したことがありませんからね。紙幣で100万をやりとりしたときには、頭がパニックになりました。ユーロの国では1桁数字ばかり使っていたのに、いきなり7桁でしたから。
このように通貨というのはとんでもないものなのです。
海外旅行Tips。現地通貨を再両替せずに使い切る方法
最後に海外旅行Tipsです。海外旅行に行くときには、千円札をたくさん用意していきましょう。
旅の初めは一万円単位で両替していいと思いますが、旅の後半は千円単位で両替するのがおすすめです。外貨を使い切って帰るためです。再両替はすると損になるので(その差が銀行の利益なので、旅人はそれだけ損をします)、できるだけ使い切ることをおすすめします。私はこのやり方で、銀行で再両替なんてしたことがありません。
空港までタクシーで乗りつけたら、もう現地通貨の出番はありません。少額の残金は帰国する前に使い切ってしまいましょう。
私が現地通貨を使い切る方法をお教えします。空港の売店や飲食店で残りのお金を全部見せて「これが持ち金全部だ。これで買えるものを売ってください」と頼みます。すると残金に見合った何かを見つくろってくれるでしょう。また、残金と、現金で足りない分はクレジットカード払いで対応してくれる売店も空港にはよくあります。
いずれにしても現地通貨は使い切って再両替はしないようにしましょう。損するとわかりきっているわけですから。そのためには手元に千円札を用意しておくことです。市街地の両替商で少額両替すればいいのです。
さて、両替のレートの見方について解説しました。しかし両替の表記単位がまちまちなので、およそのレートは知っておく必要があります。
最後に、市街地両替の場合、お店によってレートがすこし違ったりします。わたしは営業努力を買って一円でも安い両替屋をさがして歩き回るタイプです。しかしさんざん両替屋をめぐって歩き回っても、結果的には1万円両替して200円ぐらいしか差がなかったりします。その程度の差は気にしないで受け入れるという旅のしかたももちろんありだと思います。
ずっと居られるわけじゃないのだから、わずかなお金よりも時間の方がはるかに大事だったりします。旅先では。