アマゾンのプライムビデオで「恋の始まりは出馬から!?~すべき就職はしないで出師表~」という韓国ドラマをやっています。これが面白そうだったので、妻と一緒に見ています。
BTSだけでなく、最近では米国アカデミー賞まで韓国映画が受賞して、エンタメの実力には定評のある韓国ですが、本作は脚本賞を受賞しているそうです。
その中で区役所の職員である主人公(男性)が、5級公務員の事務官だというのが謎の存在すぎて、妻と議論になりました。
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このブログの著者が執筆した「なぜ生きるのか? 何のために生きるのか?」を追求した純文学小説です。
「きみが望むならあげるよ。海の底の珊瑚の白い花束を。ぼくのからだの一部だけど、きみが欲しいならあげる。」
「金色の波をすべるあなたは、まるで海に浮かぶ星のよう。夕日を背に浴び、きれいな軌跡をえがいて還ってくるの。夢みるように何度も何度も、波を泳いでわたしのもとへ。」
※本作は小説『ツバサ』の前編部分に相当するものです。
アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。
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5級公務員って何だ?
妻と議論になったのは、要するに5級公務員というのは職級(たとえば課長とか係長)なのか、それとも就職の際の試験区分(たとえば国家公務員試験一種合格)なのか、というところです。
そこのところがドラマを見ているだけではわかりません。
男性側の主人公(ソ・ゴンミョン)は5級公務員です。ところが「彼は僕より階級が上だ」という請願室の室長みたいな人物が登場します。そしてその人物が上席で課長のような仕事をしているのです。
なんで階級が上の人が末席に座ってるのよ? 階級が下の人が課長やってるのよ?
そしてソ・ゴンミョンは、議会事務局のようなところへ異動します。するとそこに「ヨンギュさんはきみより階級が下だが彼を手伝いながら仕事を教えてもらって……」という謎の後輩の下で最初から最後まで下働きをさせられます。コーヒーカップを洗ったりとか。
韓国では先輩・後輩は移動先での勤務年数で決まるのでしょうか。なんとなく年齢で決まるようなイメージがありますが……謎すぎます。
韓国の地方公務員制度
妻の意見は5級公務員というのは職階(たとえば課長とか係長)だろう、わたしの意見は就職の際の試験区分(たとえば国家公務員試験一種合格)だろう、というものでした。
調べてみると、やはり試験の段階から違っているようです。
男性主人公は区役所職員なので地方公務員です。
韓国の公務員は、1級から9級まであって数字が小さいほど上級となるそうです。5級というのは真ん中ぐらいですね。
しかし5級以上は管理職だということです。ソ・ゴンミョンは「事務官」という肩書がついたエリートなんですね。
ちなみに就職試験は5級、7級、9級で行われるそうです。日本でいうと地方公務員上級試験、中級試験、初級試験に相当するそうです。
ソ・ゴンミョンは5級なので地方公務員上級試験の合格者ということです。でも同時に管理職というのが解せないな。
日本だといくら上級試験合格者でも、入庁していきなり管理職というのはありえないと思います。たとえ国家公務員一種(キャリア官僚)でも入庁していきなり管理職というのはありません。
まあ韓国での話なのでそれはアリとしても、なんでソ・ゴンミョンは議会事務局で一番下の扱いでコーヒーカップ洗ったりしてるわけ? 管理職なのに(笑)?
また級というのは、同時に職階でもあるそうです。
日本でいうと1級が事務次官、4級が課長、5級が課長補佐、9級は係員レベル相当だそうです。
5級の事務官というのは、入試の時からレベルの高い試験に合格して、入庁当時から5級事務官という高い地位にいる人という意味でしょう。9級から一歩一歩上がってきた生え抜きの公務員ではないという意味ですね。
日本とはだいぶ違う韓国の公務員制度?
これでいちおう韓国の公務員の「級」については理解できました。
妻もわたしもどちらも正解でした。5級というのは職階でもあるし、就職試験のレベル別でもありました。
でもこれで謎が解けたわけではありません。
男性主人公ソ・ゴンミョンは、地方公務員上級試験に合格した事務官で管理職であるが、なぜか自分より階級が下の人の部下であり、異動先でも後輩の指示に従っている存在。
しかも予算編成課から市民相談課に異動して、議会事務局にスライドして、議員秘書になってしまうという正体不明の人物なのでした。
韓国の公務員制度は日本とはだいぶ違うようですね。
っていうか、このドラマ、ちゃんと現実の公務員制度に即しているのかしら?
銀行員が見ると「この銀行ドラマおかしいよね」。警察が見ると「この刑事ドラマおかしいよね」。そんな風になっているのではないでしょうか。
「コメディだから細かいことは気にすんな」ってことで、韓国の公務員制度をリアルに反映していないのかもしれません。
出師表とは何か?
ちなみにウチの妻は「出師表」を知らなかったので、解説しておきます。
出師の表というのは、「これから戦いにおもむきます」という表明のことです。とくに蜀の諸葛亮孔明が劉禅アホに行った出師の表が有名です。
「いまや蜀の国は、危急存亡の秋(とき)。先帝劉備玄徳の三顧の礼の恩義に報いるために、巨大な敵(魏)に対して、勝てないかもしれない遠征をしかけます。劉備に託された大事のために命をなげうつ覚悟です」といった内容の文です。感動的な内容で、漢文の名文としても有名です。孔明が人気者なのはこの「出師の表」のおかげといっても過言ではありません。
つまり「出師表」とは「たった今から出陣します。戦ってきます」という決意表示のことです。
女主人公ク・セラ(ちょっと石原さとみ似)は、地方議会の議員という「たたかい」に、すべき就職はしないで立候補したわけですから、選挙に立候補することを出陣と見立てて「出師表」と表現しているのです。
なかなか面白いドラマです。プライムビデオに加入して視聴してみてはいかがでしょうか。
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旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。
【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●日本海も東海もダメ。あたりさわりのない海の名前を提案すればいいじゃないか
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●もしも韓国に妹がいるならオッパと呼んでほしい
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●「トウガラシ実存主義」国籍にとらわれず、人間の歌を歌え
韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。
「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。
帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。
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