エアコンは「夏に冷やすための用途」で「冬にあたためるための器具」ではない。
真冬です。寒い日々が続いています。私はアパートの二階で過ごしているのですが、ひとつ気づいたことがあります。なんか、俺の部屋だけ寒い……。
私にとってエアコンというのは「夏に冷やすためのもの」で「冬にあたためるためのもの」ではないので、普段はエアコンはつけていません。夏は全裸になっても暑いけれど、冬は着こめばなんとかなるからです。
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暖房器具は電気毛布オンリー。冬は着こんで体を動かせばなんとかなる
電気代のことも考えて、暖房器具は唯一「電気毛布」のみです。電気毛布を椅子の下に敷いて利用しています。電気毛布は電気代が安いのが最大の魅力。自分だけをピンポイントであたためてくれるので、とても暖かく、とても重宝しています。
雪の女王エルザ部屋。なぜか私の部屋だけが寒い!
寒い冬をたくさん着込んでなんとか耐え忍んでいる私ですが……寒い!! とくになぜか私の部屋だけが寒いのです。
リビングや妻の部屋はそれほど寒くないのに、なぜか私の部屋だけがやけに寒いのです。冷気が私の部屋のどこかから発生しているみたいです。氷穴か、ここは?
寒いよこの部屋。雪の女王(エルザ)が住んでいるんじゃないの?
とうとうエルザ部屋と命名されてしまいました。さ、さむー(泣)
窓ガラスの換気口が「開」になっていた!
本当にエルザが住み着いていないかとクローゼットの奥をすみずみまで確認しましたが(嘘です)誰もいませんでした。そもそもわたしの部屋だけが寒いというのは、論理的に考えれば、私の部屋がもっとも外気温に影響されているということだと思います。具体的には換気がいいということではないでしょうか。それしか考えられません。
窓ガラスの建てつけでも悪いのかしら……確認してみると換気口というものがあってそこが「開」になっていました。手をかざすとそこから外の冷たい風がピューピュー吹き込んできます。こいつがエルザか。これが原因か!
私は無言で換気口を「閉」にしたのでした。雪の女王よ、さらば……。
第一種換気、第二種換気、第三種換気設備とは何だ?
換気口を「閉」にしたら、エルザ部屋だけが極端に寒いことはなくなりました。
でも換気口には「第3種換気設備の給気口としてご使用いただく場合は、強風時以外、常時「開」でご使用ください」と書いてありました。気になります……。
第3種換気設備って何だ?
調べたところハウスダストなどの問題から、建築基準法によって2時間で部屋全体の空気が入れ替わるような換気設備の設置が義務づけされているとのことでした。
第一種換気は吸気も排気も機械式。第二種換気は吸気は機械、排気は自然まかせ。第三種換気は吸気は自然まかせ、排気は機械で行うもののことです。
外が寒いからといって窓を閉め切っていたら、いつしか部屋の中の酸素が不足してしまいます。だから住んでいる人が換気を意識しないでも(窓を開けるのを忘れても)強制的に空気の入れ替えができるシステムがアパートには備わっているのです。
うちのアパートはトイレとお風呂の換気扇が二十四時間ずっと回っています。この強制排気によって人が感じないぐらいのゆるやかな空気の流れがあるのでしょう。つまりウチのアパートは第三種換気です。たいていの一般家庭は第三種換気設備だと思います。つまり原則的には窓ガラスの換気口は「開」にしておかなければいけないということです。
空気の流れは出口(排気)と入口(吸気)がなければなりません。一方通行でなければ換気はスムーズに行えません。
エルザ部屋なんて呼ばれましたが、どうやらこれまでの使用法は正しかったみたいです。
換気口を「開」にしておくと外の冷たい空気が入り込んでくるため、エアコンなどの暖房効率が下がるという欠点があります。設定温度になっても換気によってどんどん部屋が冷えるため、エアコンはずっと頑張らなければなりません。電気代がかかります。そこがネックですね。
しかし電気毛布だったら関係ありません。もともと設定温度なんてありませんから……どうやら私の省エネな冬の過ごし方はきわめて正しかったみたいです。
車中泊の換気。夜中に息苦しくなってドアを開けている
どうして私がこれほど換気にこだわるのかというと……単純に寒いからという理由の他に「車中泊」の経験が大きく関係しています。車中泊をしていると夜中に息苦しくなることがあるのです。
私たち夫婦はステーションワゴンで車中泊をしています。夏は防虫ネットをつかっているので換気に問題はありません。閉めっぱなしでは暑くて眠れませんので酸欠以外にも風通しをよくする必要があるのです。
しかし冬の車中泊では寒いので窓ガラスは閉め切って寝ています。すると睡眠後4時間ぐらいするといつも私は息苦しくて目が覚めます。そしてドアを開けてしばらく空気の入れ替えをしています。
なぜ窓ガラスではなくドアなのかというと……スマートカーなのでエンジンをかけないと窓ガラスを開くことができないからです。昔の手で回すタイプの窓の方がよかったな……。
空気を入れ替えるとまたぐっすり眠れます。窓ガラスを開けることによって空気がフレッシュになるし、湿度も下がって快適さが戻ってきます。熟睡している妻は息苦しさを感じたことがないと言っていますが、それは私がいつも換気をしているせいでしょう。
乗用車の換気はどうなっているのか?
ところで乗用車の換気はどうなっているのでしょうか? 後部座席のドアを片側だけ開ける換気法の問題点は、吸気口と排気口が同じため効率的に換気できないことにあります。
私は冬の車中泊の夜、まるで団扇であおぐように、ドアを開いたり閉じたりすることがあります。こうして中の換気を促しているのです。
本当は二つの穴(吸気口と排気口)を確保して空気の流れがつくれればいいのですが……嫁を起さないかぎり、もう一方のドアは開けることができません。
このための対策ですが、まずは運転席でエアコンの送風モードを「外気導入」にしておくことです。これによって吸気口が確保できます。
送風モードを「外気導入」にしておくことは、デフォルトです。外気が汚れている時のみ例外的に「内気循環」にするべきです。窓ガラスの換気口と同じことです。「開」が基本です。
しかし最悪、エアコンの送風モードを「内気循環」にしてしまっていても、他から換気が行われています。車は完全な密封体ではないのです。クルマが水没するとどこからともなく水が浸水してくるのがその証拠。気密性が完璧であれば、浸水することはありません。
換気(ベンチレーション)は空気の流れを考える。給気口と排気口
エルザ部屋と呼ばれた寒い私の部屋の原因は、きちんと換気(ベンチレーション)を行っていたことにありました。
車中泊の冬の朝は、窓ガラスが吐息でびしょびしょです。呼気による湿気を逃がす場合にも、換気が有効です。換気を考えるときには、空気の流れを考える必要があります。給気口と排気口の二カ所を確保しましょう。
部屋の場合は窓ガラスの給気口から換気扇のある場所へ、クルマの場合は前(ワイパーのあたり)から後ろ(後部ガラスのあたり)へと空気は流れていきます。そこは塞がないようにする必要があるのです。
給気とともに冷たい空気が流れ込んでくるのが欠点ですが、健康のためには換気は欠かせません。
エルザ部屋とののしられても、家族の健康のために、私の部屋のガラス窓の換気口は「開」にしておこうと思います。