ジュール・ヴェルヌ『海底2万マイル』ネモ船長は何を求め、何に復讐しているのか?

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にも『世紀末の詩』にも

東京ディズニーシーに海底2万マイルというパビリオンがありますが、アレの原作です。観たことはありませんが、ディズニーが映画にしているそうです。

『海底二万里』これはベルヌの最高傑作ではないでしょうか?

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でドク・ブラウンジュール・ベルヌを読むほどの女性なら私と話しが合うかもしれないといって、ある女性に惚れてしまうシーンがあります。それほどの科学知識で『海底二万里』は彩られています。今でいう科学オタクの作品という感じがします。

野島伸司脚本の『世紀末の詩』というドラマがあります。副主人公の百瀬教授が死んだあと、小学校時代のタイムカプセルを開封すると、なんとそこには黄色い潜水艦の絵が!! 教授は自分でも何でこんなものつくっているのかわからぬままにイエローサブマリンを建造していたのですが、もはや自分でも忘れてしまっていた小学校時代の夢だったんですね。

百瀬少年に潜水艦の夢をはぐくませたのは、ジュール・ヴェルヌの『海底二万マイル』だったのではないでしょうか?

主人公はネモ船長。

「あなたにとってわたしはネモ(ラテン語で誰でもないという意味)船長でしかありません。」

まるでオデュッセイアみたいな話しですね。オデュッセウスも一つ目巨人のキュクロプス相手に「ポリフェモス(誰でもない、という意味)」と名乗って「誰にやられたんだ?」「誰でもない!!(ポリフェモス!!)」というギャグっぽいくだりがあります。

「誰でもない」ギャグは文学の伝統のようですね。しかしこのネモ船長の名は、伝説として独り歩きすることになります。そこがポリフェモスとの違いです。

圧倒的な潜水艦をもっていると「独立国」を宣言したくなるものでしょうか。海江田艦長の『沈黙の艦隊』を思い出しました。ネモ船長のノーチラス号も陸地と縁を切ったいわば独立国です。

発表は1870年。描かれている時代は1866年から1867年です。この時代性が重要な点です。

つまり現代の原子力潜水艦も、Uボートのことも知らないでヴェルヌは海底二万マイルを書いているのです。未来を先取りした小説だったわけです。

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このブログの著者が執筆した純文学小説です。

「かけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。むしろ、こういうべきだった。その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と」

「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」

本作は小説『ツバサ』の後半部分にあたるものです。アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。

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物語のあらすじと詳細

今では誰でも知っている潜水艦のことを描いた作品です。ただしヴェルヌは想像で潜水艦を描いたので現在の潜水艦とは違ったところもかなりあります。

いちばんの違いは攻撃手段。現代の潜水艦は魚雷で攻撃しますが、ノーチラス号は突っ込んでツノでぶっさして船を沈めます。

昔の軍艦は衝角といって、ツノがありました。突っ込んでぶっ差して船を沈没させたのですが、ノーチラス号もこの能力をもっていました。

 

だから最初はモビーディックのような巨大なイッカクと誤解されます。その謎を解明するためにパリ自然科学博物館の生物の教授で海洋学者ピエール・アロナックス教授(語り手)が軍艦に乗り込みます。その弟子のコンセイユ、アメリカ合衆国のフリゲート艦の銛打ちのネッドランドとともに。

海洋学者と銛打ちが乗り込んだのは、あくまでも潜水艦ではなく、巨大なイッカクだと思っていたからです。巨大な力を持った海の怪物の正体は? 物語の最初は無気味な怪物が描かれます。そんな性能の潜水艦はありえないことだと否定されます。現代人が見るとありえるんですけどね。

しかし軍艦は沈められて、アロナックス教授は失神してしまいます。気づくとノーチラス号にいました。そして捕虜としてノーチラス号に軟禁され、ネモ船長と一緒にノーチラス号の冒険を体験するのでした。ヴェルヌの科学知識が物語をぐいぐいと引っ張っていきます。

教授殿、あなたはわたしの船ですごされる時間を後悔なさらないでしょう。あなたが海底について公刊なさった著書……あなたはご存知じゃないのです。あなたは驚異の国を旅行なさるのです。新しい海底世界一周の見学に。誰ひとりとして見たことのないものを見ることができるのです。この地球はあなたに最後の秘密を引き渡すことになるのです。

ノーチラス号では陸地で食料を積み込むのではなく、地引網で魚を狩りしてそれを調理していた。衣服なども海の資材からつくりあげていた。

ネモ船長は陸地とは縁を切っていて、すべてを海の恵みで養っている。

現代の原潜ですら地上と完全には縁を切れませんが、ノーチラス号は違います。

海はすべてです。海上では不正な法律がまだ施行され、戦争をし、殺し合い、地上のあらゆる恐怖をそこに及ぼしています。しかし水面下10メートルになりますと、かれらの権力は断たれ、かれらの影響は消え去り、かれらの力はなくなるのです。ああ先生、海の中で生活しなさい。そこにだけ独立があるのです。そこでは私は自由なのです。

ノーチラス号は電動式です。図書室もあります。電球の明かりで本が読めます。その電気も、陸地とは関係なく海からつくられています。ネモ船長には陸地から補給しようという発想がありません。海で完結した潜水艦なのです。こういうところは現代の原子力潜水艦をも超えた存在です。

海の森を散歩するシーンがあります。現代でいうダイバーですね。海底世界を探索する。冒険作家の面目躍如といったシーンです。

十九万二〇〇〇年だよ、コンセイユ君、聖書に出てくる日数を、はるかに越えるもんだね。なお付け加えておくが、聖書の日々というのは、太陽が出てから没するまでの時間ではなくて、時代時代というわけなんだよ。なぜならば聖書そのものによれば、太陽にしても天地創造の太初からあったものではないとあるからね。

海底に沈む船の残骸を眺める。

「ああ。船乗りとしてりっぱな最期です。このサンゴの墓は静かな墓です。願わくば、わたしも、わたしの仲間も、こういうところに眠りたいものです。

人食い原住民(古い西欧の作品にはよく登場します)に潜水艦の甲板に乗り込まれますが、電気網の電気ショックで撃退します。

ノーチラス号の船員を埋葬する。ここにはただのひとりの人間さえも来ないであろう。あいかわらず、人間社会に対する猛烈な、執念深い不信だ!

人が近寄ることのできない、なんでも自分の思うがままにやってのけることができる、この環境に逃避した。

ノーチラス号はただネモ船長の自由に対する欲求からばかりではなく、なんらかの恐ろしい報復の手段として働いているのだ。

ミドリイシ島でダーウィン氏フィッツロイ船長とが訪れたことがある。

『種の起源』人類はやがて絶滅する(ダーウィン名探偵はDNAを知らない)

 

ダーウィンの進化論は1859年に発表されました。エジソンの電灯が1879年です。1870年に電気で潜水艦を動かす発想がいかにSFだったかわかるでしょう。

フネダコはその殻から離れることは自由である。だが決して離れない。ネモ船長も同じことをやっていますね。ですからこの船をアルゴノートと命名したらよかったんです。

アルゴノートとはイアソンのアルゴー船の冒険にちなんだアルゴー船の乗組員という意味です。ヒュドラー殺しのヘラクレス、ミノタウロス殺しのテセウス、地獄から生還したオルフェウス、アキレウスの父、アイアースの父などそうそうたるメンバーです。

ちなみにノーチラスはオウムガイの意味。かつては海の王者でした。生態系の頂点に君臨していたこともある生き物です。ギリシア語で水夫という意味もあるそうです。

あのインド人は圧迫されている国の住民ですよ。そして私は今でも、いや、最期の息を引き取るときまで、そういう国の側に立つでしょう。

100年後に第二のノーチラス号が見られるかどうか、誰が知っているでしょう。あなたの船は現代よりも一世紀、いやおそらく数世紀も進んでいます。

ネモこそがフェルナン・コルテスが征服し、インカ民族から奪ったそれら財宝の分配者なしの唯一の相続人なんだ。これらの財宝を集めているのは自分のためではない。この地上には苦しんでいる人々や圧迫されている民族や、なぐさめてやるべきあわれな人々、復讐してやらねばならぬ犠牲者が多数いることをわたしが知らないとでもお考えなのですか?

彼が海底の独立を求めるに至った動機。結局彼はひとりの人間としてとどまっていたのだ。彼の心は今なお人類の苦悩に波うち、彼の広大な慈悲心は圧迫されている民族に向けられているのだ。

この海底地方を写真に撮るということはなんのわけもないことです。電気に照らされた水の世界。

さあ、ネモ船長。この陸地(南極大陸)に最初に足を踏み入れる名誉はあなたのものです。

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ネモ船長は何を求め、何に復讐しているのか?

『海底二万マイル』の語り部は「深海底の神秘」という本の著者アロナックス教授です。いわば深海の専門家という立場なのですが、彼の知識はことごとくネモ船長に否定されてしまいます。実際にネモは見ているので、反論できません。

アロナックス教授は、自分の専門分野を探検するノーチラス号の冒険に興味があってたまらないのです。それに対して幽閉された潜水艦を脱出して陸に逃げたいネッド・ランドとは利害が対立しつづけます。

氷山(氷の壁)に閉じ込められて酸素不足におちいるという潜水艦ものにありがちのシーンもあります。

クラーケン的な怪物に襲われるシーンもあります(全長8メートルのオオダコ)。心臓が三つもあるという彼らはなんという力強い動きをすることか。

タコには心臓が三つ、脳が九つあるそうです。そういうことが1870年にはもう知られていたんですね。

ノーチラス号はアトランティス大陸の遺跡も探検しています。盛りだくさんだな!!

ギリシアのよさは「島」にあり。サントリーニ島写真集

ネモ船長は沈んだ船を見に行きます。マルセイユ号。フランスの船でイギリス艦隊と戦いました。最初はこの船の船員だったのかな、と思いましたが、74年前に自沈した別名ヴァンジュール号ですから年代が合いません。

ネモは燃えるような目で栄光に輝く沈没船を見つめていた。彼が何者であるのか、どこからきたのか、どこへ行くのか、たぶんわたしには永久にわからないだろう。ネモ船長と彼の仲間とがノーチラス号に乗り込むことになったのは、ありふれた人間ぎらいのためではなかった。時とともに消え去ることのない崇高な、だが奇怪な憎しみのためなのである。

ノーチラス号の乗組員十五人ばかりが船長をかこんでこちらへ進んでくる船をはげしい憎悪のこもった目で見つめていた。みんなの魂が同じような復讐の思い出燃えているのが感じられた。

貴様はノーチラス号の衝角を逃れられないのだ。

魚雷で沈めるのではなく、あくまでツノで突き刺す戦法です。潜水艦としては危険きわまりない戦い方ですね。爆雷にやられそうですが……。

「わたしは被圧制者で、やつらが圧迫者なんだ。わたしが愛し、尊敬していたもの、祖国、妻子、父母、すべてが滅んだのは、やつらのせいなのだ。わたしの憎むすべてのものがあそこにいる!」

そのときわたしは低いオルガンの音を聞いた。それはいうにいわれぬ悲しい調べであり、まさに地上とのつながりを断ち切ろうとする魂のすすり泣きであった。わたしは全霊をこめてそれに聞き入っていた。

「全能の神よ、たくさんです! もう、たくさんです!」

けっきょく、ネモ船長が何を求め、何に復讐しているのか、具体的には最後まで分かりません。

ただ何となく、地上で抑圧されて、父母や妻子を戦争や支配に殺されて、国まで滅んだため、海底に逃げて復讐しているようだ、ということだけはわかります。

たとえばフランス人でイギリスに復讐しているというように具体的に示さないことが、ネモ船長を永遠の反逆者、革命家へと高めたのでした。

ネモ船長の憎しみが消え去ってくれるように! 数々の自然の驚異をみることによって彼の復讐心が消えてなくなるように! 深淵の底を究め得たるもの、果たしてありや? に対し、いまふたりだけがそれに答える権利をもっている。ネモ船長と、わたしである。

アロナックス教授は意識を失っているあいだにノーチラス号に取り込まれて、また意識を失っているあいだにノーチラス号から離れます。

ノーチラス号とネモ船長のことは、夢だったといえなくもない設定でした。でも本人はあれは真実の冒険だったと確信しています。

世界初の原子力潜水艦には、ノーチラス号という名前が付けられました。『海底二万マイル』に描かれた超潜水艦ノーチラス号の面影がイメージになかったと誰がいえるでしょうか。『海底二万マイル』はそれほど画期的なSF小説だったのです。

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このブログの著者が執筆した「なぜ生きるのか? 何のために生きるのか?」を追求した純文学小説です。

「きみが望むならあげるよ。海の底の珊瑚の白い花束を。ぼくのからだの一部だけど、きみが欲しいならあげる。」

「金色の波をすべるあなたは、まるで海に浮かぶ星のよう。夕日を背に浴び、きれいな軌跡をえがいて還ってくるの。夢みるように何度も何度も、波を泳いでわたしのもとへ。」

※本作は小説『ツバサ』の前編部分に相当するものです。

アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。

https://amzn.to/44Marfe

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サハラ砂漠で大ジャンプする著者
【この記事を書いている人】

アリクラハルト。物書き。トウガラシ実存主義、新狩猟採集民族、遊民主義の提唱者。心の放浪者。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。山と渓谷社ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。ソウル日本人学校出身の帰国子女。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。放浪の旅人。大西洋上をのぞき世界一周しています。千葉県在住。

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書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。 その過程で、ママチャリのすばらしさを再認識したり、どうすれば速く効率的に走れるようになるのかに知恵をしぼったり、ロードレースは団体競技だと思い知ったり、自転車の歴史と出会ったりしました。 ●自転車通勤における四重苦とは何か? ●ロードバイクは屋外で保管できるのか? ●ロードバイクに名前をつける。 ●通勤レースのすすめ。 ●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。 ●ロードバイク・クラブの入り方。嫌われない作法。 などロードバイクの初心者から上級者まで対応する本となっています。
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●◎このブログ著者の小説『ツバサ』◎●
小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
×   ×   ×   ×   ×   ×  (本文より)知りたかった文学の正体がわかった! かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。 しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。 世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。 すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。 『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。 その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
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◎このブログの著者の随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』
随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

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随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

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私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
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●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
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●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

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●◎このブログ著者の書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』◎●
書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての提言 『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』 ●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか? ●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか? ●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。 ●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? ●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。 「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」を信条にする筆者が渾身の力で戦争を斬る! ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすること。それが人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。人々の暮らしを邪魔する行動は人類全体に否決される。いつの日かそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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