どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?
私の職場にはバイリンガルの女性がいます。日本語と英語を話せる日本人女性です。彼女は特技を生かして職場でも英語をつかっているのですが、聞いていてときどきびっくりしてしまうことがあります。
英語で喋ると突然お下品になるバイリンガル
彼女が普段、日本語で喋っているときはとてもお上品です。
「はい。〇〇でございます。おはようございます。いつもお世話になっております。今日はどのようなご用件でしょうか」
バイリンガルになるぐらいですから、育ちがいいのか、学歴が高いのか、どちらかでしょう。
日本語で話しているときには、非常に上品な女性です。
ところが英語モードになると、
「イェ。ヤー。ア。ハーン。イエ。オウ。ソゥ~。ア。ハー。イェ。オウ、イエ~」(ラッパーじゃありません。ものすごい発音のいい英語です)
みたいに、突然、びっくりするほどお下品になるのです。品があり丁寧な日本語で話す彼女が、突然「はすっ葉・すれっからし女」みたいに変貌するので、非常にびっくりします。
なんで英語になると急にそんなブロークンで下品になってしまうのでしょうか。使っている言語でまるで別人に見えます。
英語は、バカにしてんのか、ぐらいの発音でちょうどいい
フランスでの話です。カフェで搾っていたオレンジジュースが飲みたくて「オレンジジュース、プリーズ」と私は注文しました。パリはフランス語ですが、いくら何でもオレンジジュースは絶対に通じるはずです。オレンジはオレンジです。名詞は名詞です。いくらなんでもパリで「オレンジジュース、プリーズ」が通用しないはずはありません。
ところがカフェの女性は私が何を言っているのか聞き取れないみたいなのです。「何を言っているのかわからない」というゼスチャーをみせます。
そんなはずはありません。
たしかに韓国ソウルの居酒屋で「ビア(ビール)」が通じなかったことがありました。「麦酒(メクチュ)」と言わなければ通じませんでした。正直、ビアーが通じなかったことに驚いた覚えがあります。
中国・蘇州のタクシーで行き先を告げる時「ステーション」が通じなくて困ったこともあります。その時は筆談でノートに「鉄道」「駅」と書いたけれども通じず、「列車」「停車場」「連結車両」「停止場所」「乗換」「地点」など連想ゲームみたいに漢字を書きまくったら、どの漢字がヒットしたのかわかりませんが、何とか通じました。「站」と書けば一発で分かったようです。「駅」は中国では「站」と書きます。
世界には「ビア(ビール)」や「ステーション」が通じない場所があることは事実です。
しかしヨーロッパ圏のパリで「オレンジジュース」が通じないとは信じがたいことです。茫然と私が立ち尽くしていると、イロハが「オゥレンジ・デュース・プゥルィーズ」と芸人がウケ狙いで白人のモノマネをするときみたいな誇張した発音でカフェの女に話しかけたのです。そうしたら何と通じました。
「バカにしてんのか」ぐらいの発音ですよ。
お笑い芸人がウケ狙いで外人のモノマネをするときに、誇張しすぎて人種差別だと非難されることがあります。そのぐらいの誇張した発音でした。「いや。それは失礼でしょ」ぐらいのハデにデフォルメした発音ですよ。そうしたら通じたのです。
本当にびっくりしました。
芸人がウケをとるぐらい下品にデフォルメした方が通じる
職場のバイリンガルの女性は「急にお下品になった」のではありませんでした。耳コピーしたネイティブの発音をそのまま発声していたら、日本語とのあまりのギャップに聞いてる私が「お下品に」聞こえただけだったのです。
諸国語には固有の音階があります。
たとえば韓国人が日本語を喋るとみんな似たような発音の日本語になりませんか?
「カンコクデハー」とみんな同じ発音で話しますよね。
あれが諸国固有の音階です。母国語の音階はなかなか抜けないし、他国語の音階を真似るのは簡単ではありません。
タモリさんが「メチャクチャだけどいかにも本当に喋っているように聞こえる外国語のモノマネ」を得意にしていましたよね。諸国語固有の音階があるからこそ、あのような芸が可能になるのです。
日本語は淡々としゃべる抑揚のすくない音階ですが、下手くそな芝居のように大げさな抑揚の言語も外国には存在します。日本人からすると普通に喋っているのに怒っているように聞こえてしまう言葉はすくなくありません。
私は日本語の抑揚のない音階で淡々と「オレンジジュース、プリーズ」と言ったので通じなかったのです。
モノマネ芸人のように、相手を怒らせちゃうんじゃないかぐらいに強調して喋ったほうが、むしろ通じます。お経を読むようなジャパニーズ発音では通じるものも通じません。
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英語は、芸人がウケをとるぐらいお下品にデフォルメした方が通じます。
このことを覚えておいて損はありません。