金が尽きるよりも先に、体力と時間が尽きるのが人間のさだめ
旅から戻ってきました。タイのプーケットへの渡航でした。今回の旅では、飛行機に乗り遅れるとか、現金を盗まれるとか、パスポートを紛失するといった致命的な大事件はなかったものの、小さなトラブルがありました。備忘録的にそれらを書き残しておこうと思います。
空港の内側(検査場の先)で、安く水を手に入れる方法
タイはもはや先進国です。ほとんどの商品が定価制になっています。昔はタクシーはもちろん、なにを買うにも交渉から始まったものでしたが……。
値引き交渉をするという楽しみがなくなった反面、時間を無駄に費やすことがなくなりました。そしてボッタくられて悔しがることもなくなりました。すこし寂しい……。
今回のタイ旅行でも、市場などでボッタくられたと悔しがったことは一度もありませんでした。定価表示では悔しがりようもありません。しかし例外が一か所ありました。それは空港です。
エア・チャイナで中国・北京首都国際空港を経由してタイ・プーケット国際空港に行ったのですが、北京の空港でも、プーケットの空港でも水がボッタくり価格でした。ペットボトルひとつが400~500円もしました。高すぎるだろ!
唯一、北京空港の自動販売機だけ安く変えましたが、ほかの場所ではまるで結託しているかのように(実際、結託しているのでしょう)同じ価格でした。こういうのを談合・価格カルテルというのではないでしょうか?
ひどい話だと思います。空港の外では100円もしない水が、空港内部では500円近くするのですから。
手荷物検査の手前で水を捨てなければならないため、今後の長時間フライトを考えると価格カルテルで値段を吊り上げている(不正)とわかっていても、そこで水を買わざるをえないのです。こんなことが許されていていいのか? 義憤にプンプンしていたら、なんと水筒で水を汲んでいる人がいました。北京やプーケットの空港には給水装置があったのです。
その給水装置からは熱湯も出ます。その熱湯でカップラーメンを食べている人もいました。当然、食べ物も「空港価格」ですから、たいぶお金の節約になりますね。なるほど中国人はだから水筒を持ち歩いているのか。国内の高速道路のサービスエリアの無料のお茶を、中国人が水筒に汲んでいるのを見かけますが、彼らにとってはこういう感覚なんでしょうね。
なるべく荷物を軽くしたい派なので水筒を持ち歩いていません。私たちもその水を汲みたかったのですが、残念ながら水筒がないのでした。空のペットボトルがあればそこに水を汲めるのです。手荷物検査場の前でペットボトルを捨ててしまったことを後悔しました。中身の水だけ捨てて、空のペットボトルは持ち込めばよかった。そうすればただで水が汲めたのに……。
北京は零度を下回る外気温で、プーケット帰りの身には寒かったのですが、ペットボトルさえあれば、そこに熱湯をもらって湯たんぽにすることもできたでしょう。
もしかしたら中国人旅行者がたくさんいる空港には、空港内給水装置があるのかもしれません。手荷物検査の前に捨てるのは液体だけにして、ペットボトル本体は空港内に持ち込みましょう。ペットボトルを捨てるのはいつでもできることです。
北京空港のWi-Fi。つかえねえ!
北京空港にはフリーワイファイがあるのですが、メールアドレス登録したり、パスポートを読み込んだりして、はじめてつかえるというものでした。
つかえねえ! つかわねえよ、そんなに面倒なら。
昔の日本にも似たようなシステムがありました。セブンイレブンとかイオンとかも昔はメールアドレスで登録するタイプでした。
まだこんなことやってるのか。つなげるだけで使わせなさいよ。面倒くさい。
ましてや中国のネット環境なんて何があるか(閲覧サイトの監視)わかったものじゃありません。
私は使いませんでした。
航空性中耳炎にかかった体験談。旅ができるのは健康だからこそ
うちの嫁が帰国後に「耳が痛い」「耳が聞こえない」と訴えました。病院で診察したところ「航空性中耳炎」という診断でした。
たしかに私もフライト中に耳がすこし痛くなりました。空港で500円で買ったペットボトルが変形するほど気圧の変化があったことは確かですが、まさか航空性中耳炎になるなんて。これまでにそんなことは一度もありませんでした。
航空性中耳炎の原因は、やはり急激な気圧差に中耳が対応しきれないことが原因のようです。嫁は旅の前から風邪を発症していて、鼻づまりによって気圧の調整がうまくいかなかったみたいです。
最近、海外旅行に行くたびに嫁は体調を崩しています。「もう海外旅行には行けないかもしれない。あなたひとりで行ってきていいよ」など弱気なことをいいだしました。
今回の旅も、行く前からギックリ腰になっていて、体調的は行く前から悪かったのですが、帰国後に航空性中耳炎になって、ダブルパンチにまいってしまったようです。ギックリ腰は重たいマットレスを持ち上げたことが原因で、旅とは関係ないのですが。
しかしまあ旅ができるのは健康だからこそです。旅では急激な環境の変化があります。不潔な地域へ行くこともあります。また歩き回るために体力が削られて体調を崩すこともあるでしょう。いつまでもできる趣味ではないかもしれません。いやむしろ若いうちにしかできない贅沢な趣味だといえるでしょう。
まあ、体力があるうちは海外に行くとして、体力的にもう無理だとわかったら国内で引っ越し魔になって「終の棲家」を探せばいいのではないかと思っています。
どれだけ英語を勉強しても、どれだけ海外旅行をしても、私たちは海外移住までするつもりはありません。しょせんは日本国内に生活のベースを置く方針ははじめから変わりません。