マルクス・エンゲルス『共産党宣言』の書評、内容、感想
ここではマルクス・エンゲルス『共産党宣言』の書評をしています。
人類史上、聖書の次に読まれている本だといわれています。
その実態は??
人類史上最大のベストセラー『聖書』。二番目の『共産党宣言』
人類史上最大のベストセラー『聖書(ヨハネ)』も冒頭が、誰でも知る「はじめにことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばが神であった」というものであるように、人類史上二番目のベストセラーの冒頭も超有名です。
「一個の怪物がヨーロッパを徘徊している。すなわち共産主義の怪物である」
そして結びの言葉は冒頭に劣らず有名です。
「プロレタリアはこれまでの社会秩序を暴力でくつがえさなければかなえられない、と公言する。支配階級は共産主義革命にふるえあがるがいい。労働者は自分の鎖のほかに失うべき何ものももたない。プロレタリアは世界を手にするのだ。万国の労働者よ、団結せよ」
名著は文頭と文末が大事だということでしょうか。
1848年の著です。さてその中身は?
『共産党宣言』の中身
ブルジョアジーはすべての職業から後光をはぎ取ってしまった。医師も、法律家も、僧侶も、詩人も、学者も、みな彼らに雇われる賃金労働者に変化されてしまった。家族関係も金銭関係にしてしまった。
ブルジョアジーは地方を都会の支配下に屈せしめた。全人口の多大な部分を農村生活から奪い去った。
生産期間は集中され、神子は集中され、財産は少数者の手に集約された。
労働者階級は自分の身を切り売りするほかないもので、一個の商品である。その労働が資本を増大する間だけ仕事をもつことができる。
仕事は細分化されつまらなくなり、労働時間は延長される。賃金労働は資本を増大させる。
共産主義者はその理論を一言に約することができる。いわく、私有財産の廃絶。
ブルジョワ社会では、働くものは儲からないし、儲かる者は働かないではないか。
ブルジョアは多数の人々をただ機会として働くように教育する。
あらゆる過去の社会の歴史は、階級対立の中に発展している。社会の一部が他部分を搾取する。
いっさいの生産機関を国家の手に、すなわち支配階級として結成されたプロレタリアの手に、集中するであろう。
富の偏在を解消するには、財産税を導入するしかない。
この本を無垢な時代に読んだのならば、どれほど心が熱狂したことでしょうか。人々を革命へとおもむかせる本です。自分たちが世界を変えるのだ、という気にさせる本だったのだろうと感じました。
そして実際にいくつかの国では社会主義革命が起こりました。その結果は失敗に終わりましたが。むしろ独裁者をつくるシステムになってしまった感があります。
さて、現在でも富は上位のものに独占されているといいます。最もリッチな上位1%が世界の富の40%を独占しているのだそうです。これはあまりにも富の偏在ではないでしょうか?
マルクスが分析した通り、資本家はどんどん太っていくというのは、基本的には間違いではないようです。
この富の偏在を拐取する方法のひとつに税金があります。しかしこの税金というものが世界中で「昨年の収入」に賦課されるシステムだから、根本的な解決にならないのです。
富の偏在を解消するには、所得税ではなく、財産税にするしかないとわたしは思います。
「個人の総資産」に賦課されるシステムにならないかぎり、富の偏在は解消されるわけがありません。
わたしでもわかるこの理屈、なぜそれができないのかというと政治家というのは政治献金してくれるブルジョアジーに都合のいい政策しか行わないからです。だからマルクスは力による現状変更を訴えたわけですね。
現代は人権意識や社会意識のめざめによって、マルクスほどひどい時代ではありませんし、階級対立もひどくありません。
虐待されている犬を無償で助けようというアニマルライツのような意識が、社会の底辺者を救っているのです。
十世紀半ばとは時代が違います。ヒドイ時代に生まれなくてよかったですね。
【富裕層の陰謀論】貧富の差、格差拡大を解消するのは財産税しかない。所得ではなく、財産に課税してはじめて貧富が是正される
お金持ちよりも時間持ちの方がリッチな生活が送れる
もうひとつ。富の偏在に対抗する方法があります。それは意識を変えることです。
お金持ちよりも時間持ちの方がリッチな生活が送れるって知っていましたか?
実際、充実した生活を送っていないリッチな人はたくさんいます。逆に楽しい日々を過ごすプアな人たちもたくさんいます。
人生を貯蓄残額ではなく、時間で図るようになれば、貧富の差なんて気になりません。ただ人生の充実度だけを気にすればいいのです。自分の人生の充実を全力で気にかけている限り、他人のことなんてほとんど気になりません。
時間だけは万人に平等です。お金持ちを羨むこともなくなります。
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お金がなくても幸せに生きていける。
時間こそが命。愚者は金を選び、賢者は時間を選ぶ。