どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?
主に東南アジアを旅していると、メチャクチャな日本語に出会うことがあります。
爆笑してしまうようなムチャクチャな日本語に。
たとえばこれ(笑)。なんでしょうか。これは?
ぜんぜん料理のイメージが湧いてきませんし、だいいち発音できません。
ゃきいせえびにんにくバ刃ーって何だ(笑)?
日本語の文法を完全に無視しています。
小文字から文字が始まる単語なんて聞いたこともありません。Xから文字が始まる英単語みたいなものでしょうか?
ベトナムの一流レストランのメニューです。一部しか写っていませんが、メニューの徹頭徹尾、この調子です。
リッチでオシャレでハイソな空間も、すべてこのメニューでだいなしです。笑いすぎて、なかなか料理が注文できません。まわりの他国人がびっくりするほど笑いが止まりません。
とりあえず腹も減っていたので注文すると、レストラン側はメニューを下げようとしてきましたが、断固抗議します。このメニューを下げさせるわけにはいきません。追加注文する振りだけして、メニューを手元に確保します。もちろんこのメチャクチャ日本語メニューをおかずにメシを食うためです。
おかげで最高に楽しいディナーでした。楽しいの質が想像したのと違いましたけれど(笑)。
どうして? 活字を組む人が現地の人だから……だと思う
どうしてこういうことが生じるのでしょうか?
おそらくまだベトナムという国でこのメニューをレストランが作成したときには、昔ながらのやり方で活字を組んで印刷したからではないかと思います。グーテンベルクの時代からの伝統的なやり方で、一文字ごとに物理的に鋳造した活字の材料を、人間が文選して組み上げたために、このような笑える日本語になったと私は想像しています。
要するに、活字を選ぶ人が現地の人で、目で判断するから、間違えちゃったでしょう。たぶん。
このようなことは今後、なくなっていくと思われます。
時代はパソコン上で文字をデータで選んでプリンターで出力するDTP(デスクトップパブリッシング)という仕組みになっていますから、日本語のサイトから文字をコピー&ペーストできるため、大文字と小文字を間違えるようなミスはおかしようがありません。
つまりこれからは日本にいるのと同じように注文できるわけです。日本と全く同じメニューで提供されるわけですから。こうして世界が均質化されていきます。これは、いいような、悪いような、微妙なことですね。
一流レストランのメニューがメチャクチャな日本語だったからこそ、私たちは大爆笑することができたのです。
しかしあまりにも均質化されたら、海外旅行に出かける意味はどこにあるのでしょうか。
このようなメチャクチャな日本語を目にした時に、
「この日本語は間違っているから、正解を教えてあげるよ」
と、したり顔で指摘している人がいます。
「間違いを教えてあげることができた。私はいいことをした」
そのように自己満足していると思いますが、どうかやめてください。
それは旅の後輩たちが笑う機会を奪う行為です。
メチャクチャな日本語は、世界遺産級におもしろいんですから、ぜひ保護してください。お願いします。
笑える日本語を、大切に後世に残していきましょう。