世界七不思議(セブンワンダー)とは?
世界七不思議というのがあります。不思議と日本語で訳しているので「謎」と理解しているかもしれません。しかし元の言葉はセブン・ワンダー。ワンダーというのは「驚異」という意味です。ワンダフルのワンダーですね。びっくりするほどすばらしいものというような意味です。謎と驚異ではずいぶんニュアンスが違いますね。
古代の七不思議はピラミッド以外は崩壊して現存しません。私はこの中でピラミッドのほか、エフェソスのアルテミス神殿(の廃墟)を見たことがあります。
かつて私は「世界三大名画の謎」というコラムを書いたことがあります。その中でふれたことですが、この手の世界××は、選者が知らないと選びようがありません。とくに林羅山の選んだ「日本三名泉」については、林羅山はろくに温泉地を知らなかったのではないかと疑義を呈しました。新玉川温泉と下呂温泉で下呂温泉を選ぶ人の選択センスは信用できません。
ベストリストは選者のセンスに左右される
このようにこのようなベストリストは選者のセンスに左右されます。一番大切なのは選者のセンスが信用できるか、ということになってきます。
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(本文より)知りたかった文学の正体がわかった!
かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。
しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。
世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。
すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。
『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。
その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
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コラムの中で「自分なりの世界三大名画」を選んだら何になるかやってみたら面白かったので、ここでは「自分なりの世界七不思議・セブンワンダー」を選んでみました。
自分なりの世界七不思議・セブンワンダー
イロハならどこを選ぶ?
条件としては、自分たちが見たものの中で選ばなきゃ。
マチュピチュとかウユニ塩湖は選びたくても対象外。だって実物を見ていないから。
その代わり、滝や、山とか、自然も入れていいことにしようよ。
コロセウムとか、万里の長城とか、アヤソフィアとか、タージマハルとか、チェチェンイッツァとか見ているけども、それよりももっとワンダーを感じたものがあるからね。
そうね。私ならピラミッド、アブシンベル神殿、ペトラ遺跡。アンテロープキャニオン、シップレックビーチ、死海、そして富士山かなあ
なるほど。おれならアイガー北壁、マチャプチャレ、ピラミッド、ベネチア、ミラノ大聖堂、アンテロープキャニオン。シップレックビーチかなあ。三つほど被ったね。
その三つは採用ね。
まだ行ったことないけど、たぶん世界七不思議は?
マチュピチュとかウユニ塩湖などは有力候補だね
実際に行ってみたいね
期待ばかり大きくなると、現場でガッカリするからね。
実際に行ってガッカリしたいね。
みなさんなら、どこを選びますか?