既存文書を作り変えて「別の名前でファイルを保存」したい
仕事というのは一から新しい仕事をつくあげることもありますが、たいていの場合、誰もやったことのないまったく初めての仕事というのは稀です。あなたの仕事は、かつて他の誰かがやっていた仕事であることがほとんどではないでしょうか。
私の仕事もそうです。たいていの仕事には前任者というものがいて、彼らの仕事を引き継いでいます。彼らが作ったデジタル・ファイルは「遺産」のようなものです。これを利用しない手はありません。既存の文書を呼び出して、自分なりに一部を書き換えて「別の名前でファイルを保存」することも多いことでしょう。
ところがマイクロソフト・ワード2013でこのような既存文書を改変して「別の名前でファイルを保存」したいのに、勝手に別の名前がついてしまい、別の名前の文書が上書きされて困ったことはないでしょうか。
勝手にファイル名がセットされる
実は私もこの症状に悩まされておりました。既存ファイル「A文書」を書き換えたので「A文書(改)」と名付けて保存したいのです。そうすれば「A文書」も「A文書(改)」も残ります。「A文書(改)」が失敗だった時には元の「A文書」が残っていますから、何かあっても安心です。
ところが「勝手にファイル名がセットされる」と、「A文書(改)」と名付けたいファイルに「B文書」とセットされてしまい、非常に困ったことになるわけです。
まだ「A文書」とセットされてくれれば(改)と加えるだけなので助かるのですが、勝手に「B文書」とセットされてしまってはたまりません。
「B文書」とセットされてもそこで踏みとどまればいいのですが、そのまま保存してしまうこともあります。とくに忙しい時は。「A文書(改)」のつもりが「B文書(改)」になってしまったりします。
もし「B文書」が非常に大切な文書だった場合、たいへんに困ったことになります。ファイルを開いてみると中身は「A文書(改)」にすり替わってしまっているわけですから。
超重要「B文書」に対して「A文書(改)」がどうでもいい文書だったら最悪です。
この症状にさんざん悩み、インターネット上でも色々調べてみたのですが、どうして「勝手にファイル名がセットされるのか」解説してくれている良質サイトは見つかりませんでした。結局、職場のパソコンに詳しい人に聞いて問題は解決しましたので、以下はその内容となります。
ファイルを保存するフォルダを指名する設定がシングルクリックになっている
既存のファイルを「別の名前を付けて保存」しようとすると、そのファイルをどこのフォルダに保存するか、保存場所を聞いてきます。「A文書(改)」の場合は「A文書」と同じフォルダに保存したいことがほとんどだと思います。
ところがこの「A文書」の保存されているフォルダを、いちいち初めから指定しなければならないことがあります。「A文書(改)」を「A文書」とは別のフォルダに保存しようという場合も、同じケースです。
たいていの人はファイルを開くときはダブルクリックする設定になっていますので、階層構造の奥の方にあるフォルダを選択するときは、小気味よくダブルクリックを繰り返して奥へ奥へとファイルの迷宮に分け入っていきます。
ところが「(別の)名前を付けて保存」しようとする場合、なぜかシングルクリックでファイルを開く設定になっているようです。これは個人の設定ではなく、ワードの設定です。そこをいつもの癖でダブルクリックしてしまうと最初のクリックでフォルダが開き、二番目のクリックで既存のファイルを選択してしまうのが「勝手に別のファイル名がセット」されてしまう原因でした。
ためしに「(別の)名前を付けて保存」で保存先のフォルダをシングルクリックしてみます。すると「勝手に別のファイル名がセット」されません。ダブルクリックするとその時カーソルがたまたま合ったファイルを、ユーザーが選択したものとワードが勘違いしてセットしてしまうのです。
根本的な解決方法はない。世界を変えるのではなく、世界に慣れる
フォルダを開くときはダブルクリック。これはクセのようなものです。長年、ウインドウズパソコンに慣れ親しんできたので、マウスを無意識のうちにダブルクリックしてフォルダを開こうとしてしまいます。
この問題を解決するためには「(別の)名前を付けてファイルを保存」するときに、ダブルクリックで保存フォルダを指定できればいい筈ですが、調べてもそのようにクリック操作を変更設定するやり方はないようです。これはもう慣れるしかありません。(ウィンドウズパソコンという)世界を変えられないのならば、その世界に慣れるしかありません。
「(別の)名前を付けてファイルを保存」するときには、シングルクリックで保存ファイルを開く。
この癖をつけるしかありません。PC側の設定にユーザーはかなわないのです。