イスタンブールのブルーモスク。アヤソフィア
スルタンアフメト・モスク通称ブルーモスク。モスクというのはイスラム寺院のことです。
偶像崇拝禁止なので「仏像」のようなものはなく、もっぱら華美な壁や文様などの室内装飾が、異教徒にとっては見どころになります。
タージ・マハルはモスクではない
中世の軍事要塞に見えますが、ブルーモスクです。キリスト教の教会が上から見ると十字架の形をしていることが多いように、モスクは中央に丸ドームがあって、四隅に尖塔(ミナレット)があることが多いのが特徴です。
ちなみにインドのタージマハルは同様の形をしていますが、あれは霊廟であって、モスクではありません。
モスクの中には「絨毯が敷かれた広い空間」があります。イスラム寺院は大勢の人たちが礼拝する場所なので絨毯敷の「だだっ広い空間」がモスクのメインスペースになるのです。タージマハルにはこの礼拝スペースがありません。
モスクの中には聖地メッカを示すサインが必ずあります。そちらの方面にこうべをたれて礼拝するわけですね。
タージ・マハールは、現地に行けばわかりますが、ドームの下はこのような礼拝スペースにはなっていません。シャー・ジャハーン王の愛妻の墓廟となっているからです。
コーランは「訳しちゃダメ」「アラビア語で読んで、アラビア語で聞くのが正解」
ミナレットは礼拝の呼びかけをする場所です。昔は人が、今はスピーカーが、礼拝の呼びかけをしています。
私は新約聖書は精読したことがありますが、コーランはありません。
コーランはそもそも「訳しちゃダメ」「アラビア語で読んで、アラビア語で聞くのが正解」とされています。それで世界宗教になったんですからすごい。
アザーンの音楽的な呼びかけも、関西弁でやったらたぶんちょっと違った雰囲気になるかと(だからアラビア語でやらないとダメと言われます)。
インドネシア語のインドネシア人たちなんかアラビア語で苦労しないのかな。フランス人がラテン語を学ぶよりも難しいと思うんだけどな。
モスクは行政や、学校、公民館のようなパブリックスペースだった
アヤ・ソフィア。キリスト教の教会だったこともあるイスラム建築。ふつう征服者は前政権のシンボルをぶち壊すことで自らの力を示すのですが、あまりにアヤソフィアが立派過ぎて壊せなかったんですね。
ナイス判断でした。
礼拝のための場所というのがメインですが、行政や、学校、公民館のような役割を地域で果たしてきたそうです。
パブリックスペースだったのですね。
モスクには手や口を洗う清浄のための「洗い場」があります。俗世間の身体を清めて、モスクの中で礼拝するというわけです。
モスクに行くと、異国に来たなあ、という気がします。
イスラム教の国に行くと、異国に来たなあ、と旅の本能が目覚めます。