ドラクエ3リメイク版の低評価の理由は、高価格とHD-2Dグラフィック
ドラクエ3リメイク版を35年以上ぶりにパソコンでプレイしました。私はもはやゲーム中毒者ではないのですが、ブログ『ドラクエ的な人生』の主筆として、ドラクエ3リメイクだけはプレイしようと思ったのです。
クリア後の感想ですが、私としては高評価でした。しかし世の中にはあまりいい点をつけない人もいたようで、そのことが気になりました。リメイクで、ストーリーのネタが割れているにしては、値段が高い、というのが低評価の主な理由でした。またHD-2Dという独特な手法が、3DCGにくらべて「最先端でない」というのも、低評価の主たる理由の一つでした。
アリアハンも世界地図がモデル。世界地理をドラゴンクエストから学ぶ。ドラクエ3のフィールドマップと、現実の世界地図との関係
『ロマンシングサガ2リメイク版』が高評価なのでプレイしてみた
ドラクエ3リメイクの評価を調べているうちに、ひとつのことに気がつきました。同じぐらいの時期に発売された『ロマンシングサガ2リメイク版』が『ドラクエ3リメイク』にくらべて、ひじょうに高評価となっているのです。圧勝といってもいいくらいでした。
私になりに『ドラクエ3リメイク』が高評価だっただけに、それよりも高評価である『ロマンシングサガ2リメイク版』のことが気になりました。そして思い切ってプレイしてみることにしたのです。私は過去作をプレイしたことがありません。このときわたしは『クロノトリガー』のようなゲームを想像していたのでした。
プレイした感想ですが……むむむ。微妙~~。クロノトリガーとはぜんぜん違いますね。ロマサガ2はフル3DCGの作品です。ドラクエのHD-2Dに対してそこが高評価につながっていたのですが、私は酔いました。目がぐるぐる回ります。画面を回転させないと進行方向がわからないので、画面をぐるぐる回しているうちに頭がくらくらしてきます。私としてはHD-2Dのほうがよかったな……と感じました。過去作にくらべてわかりやすいゲーム設計が、「頑張っている」「制作陣に拍手」といった高評価につながっていたのですが、そもそも私は過去作をやっていないので「改善に拍手」することができません。
そういった意味ではドラクエ3の方が私にとっては面白かったです。
ゲーム廃人、ゲーム中毒者を生み出しているロマサガ2
このロマサガ2というゲームは「ゲーム廃人」「ゲーム中毒者」をたくさん生み出しているゲームとしても有名です。ロマサガ2は、フィールド移動はすっ飛ばして、ダンジョン、ダンジョン、戦闘、戦闘と繰り返していくゲームです。ひたすら殺戮の狩人となってしまう人がいるのでしょう。バトルは同じことの繰り返しです。クセになってしまう気持ちがランナーの私にはよくわかります。同じことの繰り返しってくせになるんですよね。
ただ私にとってドラクエの楽しみとは次の町へと歩むフィールドの旅の中にこそあったので、そこをすっ飛ばしてしまうロマサガ2とはあまり相性がよくありませんでした。
自由と達成感において、コンピューターゲーム以上のものを知ってしまった
それだけでなく、やはりもう自分はゲーム中毒者、ゲーム廃人とは違う精神構造をもっているのだなあ、と強く感じました。私はこの世界での生きる喜びは「体を使うこと」にこそあると感じています。その点、コンピューターゲームというのはどれほどゲームマップ上を移動しても、使っているのは精神力だけで肉体をダイナミックに使っているとはいえません。血圧があがったり、体温があがったりすることがありません。「かつての私」とは違って、そういう意味で、私にとってゲームはもはや最高の娯楽ではなくなっているんだなあ、と強く感じました。
肉体を動かして跳んだり跳ねたり踊ったりするような歓びにくらべれば、ゲームは目と耳と脳ミソだけを楽しませているものという感じがぬぐえません。
たとえば私はこうしてブログを書くことを、コンピューターゲームのように楽しんでいるのですが、執筆とコンピューターゲームとの違いは、圧倒的に自由だということでしょう。ゲームは(いくつか分岐があるにせよ)誰かに敷かれたレールの上を進むだけですが、執筆には敷かれたレールなんてありません。自分の意のままにどこにでも行けます。なんだって描くことができます。圧倒的に自由です。
また達成感も違います。私はいずれは書き溜めたブログの中から書籍を出版しようと思っています。そのような「自分」を突き出した展開も、コンピューターゲームからは望めません。ゲームでは「ゲームキャラクター以上のもの」になることはできませんが、現実世界では「自分になる」ことができます。
自由と達成感において、コンピューターゲーム以上のものを知ってしまった。そのために、もはや私はゲーム中毒者にはならないし、ゲーム廃人にもならないのでしょう。もしも自分や自分の息子などがゲーム中毒、ゲーム廃人で、悩んでいる人がいたら、まずは肉体を動かしましょう。肉体を動かすことこそが生きているということです。
そして「リアルドラゴンクエスト」もおすすめですよ。海外旅行すれば、リアルに関門突破ゲームを楽しむことができます。現実世界にも「関門突破ゲーム」はあるのです。ゲームよりも、そっちのほうがおもしろくない?