日本語表記はだんだん原音に近づいている
ハルト「おおいダイ。うちのパソコンが、ビールスに感染しちゃって動かないんだ。どうにか直してくれ!」
ダイ「ビールスって何?」Σ(゚д゚lll)
ビールスというのはウィルスのことです。
現在はだいたいコンピューター・ウィルスと表記されることがほとんどですが、一昔前はコンピューター・ビールスと表記されたものもあります。
表記というのは、だんだん元の発音に近づいていきます。
アメリカ西海岸の都市「Los Angels」をどう筆記しますか?
「ロサンゼルス」と書けばいいのか「ロス・アンゼルス」と書けばいいのか、「ロサンジェルス」と書けばいいのか。
ハルト「だいたいパソコン用語は、全部英語だからわからんのだ。
記憶装置と言えば誰でもわかるのに、どうしてドライブとか言うんだ? どこにドライブするんだっつーの?」
あれあれ。ハルトはどうやらコンピューターが苦手のようです。
昔は福沢諭吉や夏目漱石のような一部の教養人しか外国に行けなかったから、彼らが自著の中で漢字の翻訳語をつけてくれたのです。
だから英語がそのまま入ってこなかった。教養人の和訳した言葉が庶民の間にひろがったのです。
しかし今は誰でも海外に行けます。
そして海外の文化をインターネットでそのまま発信しています。
それゆえ和訳した言葉が付かないのです。
国費留学生じゃないんですから、和訳するほどの漢字の素質もないし、そんな権限もありません。
だから言葉がそのまま伝わるのです。
大衆の時代だから和訳できない。
インターネットによって、素人が翻訳することなく言葉をそのまま外国から持ってくるので、これからの言葉はますます混然一体となっていくことでしょう。
発明者、命名者の言葉が、そのまま流通するようになります。
ハルトは「パソコンのドライブのことを記憶装置と呼べ」と言っていましたが、ハードディスクも、メモリーも、ストレージも、まあいちおう記憶装置を訳すことができます。情報保存用機械と呼んだっていいわけですが。
どう命名するかは、人によって違ってきます。
記憶領域と訳す人もいるかも?
それぞれが勝手にいろいろな言い方(和訳)をしたら、icloudのようなストレージのことなのか、ハードディスクのことなのか、わからなくなってしまいます。
「記憶装置」じゃ何いってるのかわかんねえよ、ってことになってしまうのです。
『一つのものに対して、一つの名前』じゃないと、同じ認識ができなくて、混乱してしまいます。
発明した人の命名が、世界語になる
じゃあ、どうすればいいのか?
結局、発明者がそれを何と呼んだのか。そこに行きつくのだと思います。
駅伝ekidenだとか、過労死karosiだとかも、国際語だと聞きます。
お好み焼きokonomiyaki等も今後もそのまま流通するでしょう。
幾通りにも訳せますから、決定版が出てこないのです。
結局、元の言葉を使うしかありません。
未来の単語は世界共通になっていきます。
そして最初に発明した人の命名が、世界語になるでしょう。