仏像が撮影禁止の理由は、ギフトショップの売り上げが落ちてしまうから
紅葉の京都を旅してきた。本当は仏像の写真をたくさん撮りたかったのだが、ほとんど撮影禁止である。なんで?
絵画のようにフラッシュのストロボが絵の色を退化させるというのならまだ納得もできる。でもそれだったらフラッシュ撮影だけ禁止すればいいではないか。
実際ルーブル美術館などの西洋の美術館はノーフラッシュ、すなわちフラッシュ撮影は禁止だが、普通に撮影することは禁止されていない。
ミロのビーナスのような貴重なものを普通に撮影させてもらえるというのに、どうして日本の仏像を撮ってはいけないのだろうか。
信仰の対象だから? だったら縁なき衆生に無料開放すればいい。
「仏像は信仰の対象であって、鑑賞の対象である美術品ではないからです」もっともらしい理屈であるが、じゃあなんで金をとるんだ?
本当に衆生の救済の信仰の為ならば、無料開放するべきだろう。
実際に多くの神社は入場無料である。それに比べると仏教寺院は入場有料のところがおおいね。拝観チケットからして、イベントの入場チケットとそっくりだったりする。
美術館だと思わなければ、京都の寺院の拝観料は高すぎる。
実際には写真を撮られてしまうと、ポスターや展示解説本などのギフトショップの売り上げが落ちてしまうからという財布からの会計上の要請ではないだろうか。
外国の自由な風が日本の風土に風穴を開ける
そういうモヤモヤした気持ちでお寺の庭園を歩いていたら、そこにも「写真禁止」との貼り紙があった。オイオイ、またここも撮影禁止かよ。ただの庭だぞ。なんで撮影禁止なんだよ!
なかば怒り、なかばガッカリしていたら、周囲の外国人たちが一切お構いなしに写真をバシャバシャ撮りまくっていた。「写真禁止」という漢字が外人さんには読めなかったのであろう。悪気があってのことではない。
いくら簡体字になったとはいえ中国人に「写真禁止」の文字が読めないはずはないが、、、たぶん悪気はない(汗)。
いや、そもそもなんで庭園の写真を撮ってはいけないのか、理由が分からない。売店の絵葉書の売り上げ以外の明確な理由があるなら教えてもらいたい。
すくなくとも絵画の色がストロボ光で褪せるから、というようなもっともらしい理屈はなにもないはずだ。お寺の人もあまりにも多くの外国人が写真を撮っているのでもう諦めていた。注意もしない。
そこに日本人の私も便乗して写真を遠慮なく撮らせてもらった。この現象をインバウンド規制緩和と呼ぼう。自由な旅行者である外国人が理不尽な日本の規制をぶち破ってくれるのだ。
外国人の感受性が、日本を自由に開放してくれるのだ。外国人に便乗して規制緩和してもらおうじゃないか。
旅人が世界を変えることを私は望んでいる。バックパッカーとしての自分も、その自由解放戦線の中の一人でありたいと思っている。