人生、すばらしいことばかりでなくてもいい。一緒に受け入れたい

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『ドラクエ的な人生』とは?

心の放浪者アリクラハルトの人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

書籍『市民ランナーという走り方(マラソン・サブスリー。グランドスラム養成講座)』。『通勤自転車からはじめるロードバイク生活』。『バックパッカー・スタイル』『海の向こうから吹いてくる風』。『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』『読書家が選ぶ死ぬまでに読むべき名作文学 私的世界十大小説』Amazonキンドル書籍にて発売中です。

得たものと一緒に傷つくこともあるのならば、どちらも一緒に受け入れたい。

イロハです。スノーボードを捨てた私は、医務室で教えられた病院へとタクシーで急ぎます。病院の診察室の向こうからは、ハルトの泣き声が聞こえてきます。

「力を抜いて!」

「痛て! 痛い!」

「ちからを抜かなきゃ腕がはまらないよ」

やがてハルトの泣き声は静まりました。どうやら全身麻酔で眠ったようです。全身に汗をかいたドクターに治療の完了を告げられました。医者と言うのは頭脳労働者だけれど、肉体労働者でもあるみたいです。

出かけなければよかったのか?

 

目覚めたハルトはぼーっとしていました。痛みもマヒしているみたいです。シップと痛み止めの薬をもらい、腕の吊られたハルトを連れて、町中のホテルを探します。

放浪の旅人としての経験が、こういうときはものを言います。旅の予定変更には慣れています。無事にホテルをさがし、翌朝、北陸新幹線で帰宅しました。

まさか、こんなことになるなんて。こうなる未来がわかっていたら、出かけなかったと思います。

誰も好き好んで事故やケガをする人はいません。事故やケガはしないだろう。そう思ってスキー場にでかけました。楽しい思いだけができるだろう。そう思って出かけました。

しかし、楽しい思いだけではありませんでした。とくにハルトは痛い思いと、後々まで残る傷を負ってしまいました。

しかしだからと言って出かけなければよかったのでしょうか。ときどきハルトと話をすることがあります。たしかにケガをしました。けれど、だからといって、出かけなければよかった、ということにはならないね、と。

ケガをしたくなければ、何もしなければいいのです。出かけなければいいのです。けれど、私たちにその選択はなかった。

たしかに失ったものもあります。けれど多くのものを得てきました。それらを「なかったこと」にするなんてできない。たとえ傷ついても、得たものの方が大きい。得たものと一緒に傷つくこともあるのならば、どちらも一緒に受け入れたい。そんな風に思っています。

だから再び旅立つことができるのです。すばらしいことばかりでなくてもいい。それを受け入れる勇気が、旅立つには必要なのだと思います。

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