ウクライナ報道によって、コロナ報道が吹っ飛んでしまった
高等遊民のプライド「紅旗征戎、わが事にあらず」そっちのけで、ウクライナ戦争をウォッチしているアリクラハルトと申します。
いつ戦況が変わるのか、誰が嘘をついているのか、どんな戦略が展開されているのか、いつ核がつかわれるのか、とテレビにくぎ付けになっています。
テレビ番組をYouTubeでハシゴしているため、おかげでちょっとした軍事評論家なみに意見が言えるようになってしまいました。「その意見はもう聞いたよ」とか「言ってることが一週間前と変わりませんね」とかツッコミを入れることができます。
普段それほどテレビを見ない人間なのですが、ウクライナ戦争だけは食い入るように見てしまいます。やはり人間が命を賭けてリアルタイムで戦っているからでしょう。
わたしにとっては新型コロナのニュースは、どうでもいいほどちっぽけなニュースになってしまいました。ウクライナ戦争にくらべたら、まるで視界に入って来ません。
ウクライナ戦争後の世界。ロシアの分割統治(案)。日本は樺太をもらえ
ウクライナ戦争。ロシア軍は兵装が古すぎる。ソ連製の戦車って。
ウクライナの穀物は陸路で輸送すればいいのでは? マリウポリ市長はどこにいる?
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ウクライナ戦争の停戦和平(案)。核ミサイルさえ使わなければプーチンを許してやる。命の保証をするかわりに、政権を手放してもらう
独裁者プーチンが、なんで軍事ブロガーの意見を無視できないのよ?
ところでテレビの識者、軍事評論家の意見を聞いていて矛盾を感じることがあります。
それはプーチン大統領の意思決定についてです。プーチン大統領は独裁者でものすごい権力をもっているので「戦争反対」や「徴兵反対」といった意見を無視、圧殺することができると言われています。
テレビの識者は「独裁者で、誰も止められない」と言っていました。核を使うも使わないもプーチン次第だといわれています。まあ、そうなんでしょう。納得できる意見です。21世紀にもなって、庶民はみんな反対しているのに、古典的な戦争を仕掛けるような男ですからね。
でもだったら、30万人もの予備役の徴兵や、核ミサイルの使用圧力、ウクライナでの現場指揮官の更迭や任命について、なんで右翼、強硬派を抑えきれないで彼らの顔色を見て政策を実施した可能性があるなんて言うのよ?
「右派の政治家や、軍事ブロガーの意見を無視できなくなって、それに押されるかたちでプーチンは戦争拡大(特別軍事作戦ではなく戦争にするとか)に舵を切るかもしれない」とテレビの識者たちが平気な顔していうんですよ。
おかしくないですか? 誰にも止められない独裁者だとさっきまで言っていたのに、誰かの顔色をうかがうなんて。
徴兵しろとか、軍備増強しろとか、全面戦争しろとか、核ミサイルを使うべきだという軍事ブロガーの意見に政策が影響されるってどういうことなんでしょう。
左右どちらもガン無視できるというのならわかりますが、プーチンが強硬派のご機嫌取りのような政策をとる可能性があるって平気な顔して主張するのは、自分で言っていることが矛盾しているって気づかないのかな??
ロシアの軍事ブロガーって何者? なぜ解説しないのか?
それともうひとつ。ロシアの軍事ブロガーって何ですか?
力のある軍事ブロガーがロシア世論を形成しているかのようなことを、ロシア通の識者たちがテレビで一致していうのですが、この軍事ブロガーというのは何者なんでしょうか?
かくいうわたしもブロガーのひとりです。ブログに関してはド素人ではありません。軍事的な記事に特化したブログを書く人のことを軍事ブロガーというのでしょう。他の定義、あります?
でもブログが独裁者の政策に影響をあたえるってどういうことよ? 日本じゃ考えられないんですけど?
この謎のことを質問する司会者も、解説するロシア通の人も誰もいません。すこしも疑問に思わないのか、あるいは説明できないのか、どちらなんでしょう。
ユーチューバーならわかるが、ブロガーでそんな実力のある人がロシアにはいるのか?
そもそも2022年の現在に、ブログにそんな力あります? 日本じゃ考えられません。今の日本の現状から考えると、YouTuberならまだわかりますが、ブロガーで国政に影響をあたえるような人(純粋なブロガー)は誰もいないのではないでしょうか?
ユーチューバーのヒカキンさんのような影響力のあるブロガーは、もはや日本にはひとりもいないと思います。
たとえば亡くなった小林麻央さんが書いていたブログは、社会的に大きな話題になりましたが、それは彼女がテレビに出ていたタレント・有名人だからであって、純粋にブログ畑の出身者ではありません。
有名人が書いたブログなら、まだわかりますよ。たとえばゼレンスキーの書いたブログなら、そりゃあ影響力があるでしょう。
でもロシアの軍事ブロガーって、そういう有名人が書いたブログのことを指しているのではなさそうなのです。テレビのロシア通識者はそういう言い方をしていません。単純に閲覧数の凄い、軍事に特化したブログの書き手(素人)がいるんでしょう。
ロシア情勢に詳しい識者には、ただ単に「右派の軍事ブロガーがプーチンに影響をあたえている」というだけではなく「どうしてそんなことができるのか? 軍事ブロガーとはどういう存在なのか」を解説してほしいと思います。
ブログ全盛期? ロシアと日本でインターネットのお国柄、事情が違うのか?
日本ではラインや、インスタ、TwitterなどのSNSが主流ですが、ロシアではテレグラムというSNSが主力なのだそうです。
このように国によってインターネット状況は違うことから、ロシアではまだブログ全盛時代なのでしょうか。
残念ながらわたしはロシア語を読めず、ロシア通ではないので、ロシア情勢はわかりません。
『ドクトル・ジバゴ』翻訳ロシア文学は人名を統一したら読みやすくなる提案
日本人で著名ブロガーというと、イケハヤさんとか、マナブさんとか、ヨッセンスのヨスさんとか、はあちゅうさんとかぐらいしか思い浮かびません。なんかひと昔前の感じがします。全盛期の影響力をいまだに持っている人は一人もいません。
でもロシアではまだブログ全盛期なのでしょうか? ドストエフスキーとかトルストイを生み出した国だから動画よりも活字を読むことに日本人よりも特化した特性でもあるんでしょうか?
そこが知りたいんです。駒木さん! 高橋さん! 東野さん! 小泉さん!(あ、つい実名出しちゃった)
ウクライナ戦争。水上ドローンの元祖は日本の特攻モーターボート震洋。「震洋」と水上ドローンの違い。
ブログとYouTubeの媒体の差。日本は活字よりも動画の時代
テレビ出演などを背景とした有名人が書いたブログは別として、素人が軍事のことに特化して運営しているブログ(軍事ブロガー)の意見が、プーチンの決定に影響をあたえていると、ロシア通の識者たちが平気な顔して言うので(司会者がツッコまずスルーするので)、あえてここで疑問を呈させていただきました。
中田敦彦が「学ぶって楽しい」コンセプトでいくらブログを運営しても、今の「YouTube大学」ほど影響力をもったコンテンツにはならないと思います。
それはもうブログとYouTubeの媒体の差というしかありません。日本では確実に活字よりも動画の時代になっています。
それなのにウクライナ戦争の報道特集を見ていると「ロシアの軍事ブロガーが……」という発言が頻繁に登場してくるのです。
それって誰? なんでブログにそんな力があるの? なんでそのことを誰も解説しないのよ。なんで司会者は質問しないの?
軍事ブロガーなんて言葉が2022年に存在していること自体が、ちょっと不思議じゃありませんか?
そこをどうしてツッコまないのよ。松原さん! 小栗さん! 上山さん! 右松さん! 反町さん! (あ、つい実名出しちゃった)
情報の信ぴょう性にかかわります。情報元が信じられるからこそ情報を信じることができるのです。それなのに「解説のない、よくわからない人」の情報をもとにニュースが解説されているのです。まずは軍事ブロガーとは何者なのか? その解説をするべきではないでしょうか?
ウクライナ戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか?
追記。ロシアの軍事ブロガーとはミリタリーの特化したインフルエンサーのこと
追記です。ロシアの軍事ブロガーが何者なのか、あいかわらず日本のテレビ番組で解説しない状況には変わりませんが、YouTubeでBBCニュースを見て、彼らが何者なのかなんとなくわかったので解説させていただきます。
ロシアの軍事ブロガーというのは、ミリタリーに特化したインフルエンサーのことでした。もちろんブロガーというからにはブログも運営しているのでしょうが、記事を書いて文字媒体だけで世間にインパクトをあたえているのではなく、ロシア軍と一緒に進軍してそれを映像におさめて、テレグラムなどの媒体に発表することで影響力を得ているようです。
軍事ブロガーが発表した記事の位置情報などから、ロシア軍がウクライナのどの位置でどんな装備でどんな活動をしているのかわかることから、彼らの情報は重宝されているのです。
なるほどたとえば本記事のように「戦争当事国の外から、文字のみ」で活動しているだけではないのですね。ブログもやっているからブロガーと呼ばれていますが、彼らの主戦場は文字媒体から映像媒体に移行しているようです。ブログというよりはテレグラム上のインフルエンサーが「ロシアの軍事ブロガー」の正体なのです。
なるほど、やっぱりね! そうだったのか。やっとロシアの軍事ブロガーの正体がわかりました。英語のニュースのおかげで。
ちゃんと解説しろよ、日本のテレビ!!
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このブログの筆者の著作『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての感想と提言。
『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか?
●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか?
●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。
●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか?
●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。
ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすることが、人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。それに反する行動は人類全体に否決される。いつかそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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