車中泊の旅を続けていると「宿泊厳禁」「車中泊禁止」と書いてある道の駅とときどき遭遇します。
わたしは非常に違和感をおぼえます。「こんな看板出してもいいんかいな」と。
本来「道の駅」というのは国土交通省の事業であり、ドライバーの疲労を軽減し交通事故を減らすための休憩施設というのが設立趣旨のはずです。
そういう施設が営利目的の民間企業のように「2時間以上は駐車しないでください(商売の邪魔だから)」「夜中は立ち去ってください(営業時間外は一文の得にもならないから)」なんて言ってもいいものでしょうか。
すくなくとも税金が投入されていたり、国の認証を受けている限りは、施設管理者が「自分の施設だからどんなルールを勝手に設定してもいい」ということにはならないはずです。
「宿泊厳禁」「車中泊禁止」なんて看板を出すのは、「道の駅」側のルール違反、国交省との約束違反ではないでしょうか。
施設によって由来は違うはずだから一概には言えないが……
日本全国たくさんの道の駅があり、それぞれ成り立ち、由来が違うはずだから一概にはいえませんが、そもそも「道の駅」として登録されている以上は、道路利用者の「休憩機能」は第一目的のはずだから、それに反するようなことはいくら施設管理者でも好き勝手にはいえないと思います。
それをいうことは国交省から「道の駅」の認証を受けた時のルール違反、約束違反になるのではないかな。
あくまでも道路の一部として、国土交通省の補助金を受けていたり、駐車施設やトイレなどを税金で設置してもらっているような場合、施設管理者が「宿泊厳禁」「車中泊禁止」などと勝手に謳うことは完全に越権行為だと考えられます。
道の駅は、地域農産物を売るための売店がメインではないのです。お金だけ落としてさっさと立ち去ってほしいと思っているのかもしれませんが、それなら「道の駅」に登録しなければいいのです。国交省道路局の認証をうけない個人の施設なら、好き勝手に門扉にゲートでもつけて時間外「侵入禁止」にしても誰も文句はいいません。
しかし税金が投入されている場合はそうはいきません。眠たい夜中にその「道の駅」を追い出されることは、交通戦争の真っただ中に放り出されることを意味します。万が一、事故でも起きた場合、なんのために「道の駅」をつくったのか、存在意義が疑われます。
車のハッチを開けてテントを広げて何泊も暮らしているような人は道路利用者の「休憩利用」とは悪質の別ものですが、一泊して翌朝早朝には次の場所に立ち去るような利用法はまさに運送業者の人がよくやっている利用法であり「道の駅」の設立趣旨にかなうものです。
それを施設管理者だからといって規制する権利はないんじゃないかな。「道の駅」に登録している以上は。
実際に国土交通省のホームページにはこのように明記されています。
【質問】
「道の駅」駐車場での車中泊は可能ですか?
【回答】
「道の駅」は休憩施設であるため、駐車場など公共空間で宿泊目的の利用はご遠慮いただいています。
もちろん、「道の駅」は、ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設であるので、施設で仮眠していただくことはかまいません。
もしもあなたが夜中に眠くなって道の駅が近くにあったら、遠慮なくそこで仮眠してください。眠いのを無理して走り続けて事故など起こさないように。もしその道の駅に「宿泊厳禁」「車中泊禁止」と書いてあっても、その看板じたいが法律違反、国交省との約束違反、ルール違反、越権行為である可能性が高いのです。
わたしはもし道の駅で「車中泊禁止ですよ」とねちっこく注意されたら、上の議論を論理的に展開してやろうと思っているのですが、今までに「道の駅」では一度も注意されたことはありません。
これが「旅の駅」とか類似の民間施設だと注意されますよ。その場合は逆らってはいけません。それは「あなた」のルール違反です。ご注意を。
海辺の無料駐車場では何度か警察の職務質問を受けたことがあります。市町村など公共が設置した駐車場であっても、サーファーや釣り師などが利用する海辺の無料駐車場は「道の駅」ほど明確にドライバーが交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設だと定義されているわけではないので、職質されることがあります。
その場合は「あしたには隣の県に行く」といえば大丈夫です。県警さんは隣の県に出てしまえば無関係なので、それ以上しつこく安眠妨害されることはないでしょう。
警察への悪口雑言は陰に隠れてコッソリ言うべきものであって、本人たちを目の前にケンカを売るほど愚かなことはありません。
警察には逆らってはいけないと『深夜特急』にも書いてあるではありませんか。
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