決戦! 「戦車の拳」部隊による大戦車戦
かれこれ一年九カ月近くウクライナ戦争をウォッチしてきました。
ロシアの軍事ブロガーって何者だ? なんでブログにそんなに影響力があるのか。
↑この記事はたくさんの人に読まれています。
↑戦争の根本原因を解消する方法を提案しています。
ウクライナではゼレンスキーが西側の戦車を終結した「戦車の拳」部隊を結成してロシアと決着をつけると息巻いていました。
なるほど……戦車戦ですか。ウクライナは独ソ戦の古戦場ですからね。クルスク大戦車戦の古戦場も近いし。私はそのうち戦車による決戦が行われるのだろうと思っていました。
アニメ「女子高生がやる」シリーズの傑作=ガルパン
その過程で私は『ガールズ&パンツァー』(通称ガルパン)というアニメ作品と出会います。この作品はありがちな「女子高生がやる」シリーズですが、やるのは戦車戦です。ゆるい日常とハードな戦場がないまぜになっている作品です。パンツァーはドイツ語で「戦車」という意味。戦闘シーンはかなりハードで、戦車があまりにもアクティブに動くのでびっくりしました。アニメ的な誇張もあるのでしょうが……。
世の中には「女子高生がやる」アニメがあふれかえっています。女子高生がバンドをやる。女子高生が百人一首をやる。女子高生がDIYをやる。女子高生が登山をやる。女子高生がバイクをやる……これらを「女子高生がやるシリーズ」と私は命名しています。
大ヒットした「ゆるキャン△」も女子高生がキャンプをやるので「女子高生がやるシリーズ」のひとつですね。
女子高生がやるシリーズの中でもこの「ガルパン」は名作だと思います。比較したくなるのが『艦隊これくしょん-艦これ-』。こちらも大日本帝国の艦船(大和とか赤城とか)の魂が女子高生にやどって海戦を行うという一種の「女子高生がやる」シリーズです。しかし何故かガルパンのほうがずっとおもしろいのです。よく考えるとこれは奇妙なことだと思います。太平洋戦争は海戦ばかりで大がかりな戦車戦がなかったことから、日本の作家としてはどうしたって「艦船」のほうに意識が向きがちです。
大和や瑞鶴のような誇るべき軍艦はありましたが、日本の戦車はろくな性能じゃありませんでした。だから日本のアニメ作家としては「艦これ」の方が感情移入しやすいはずです。それを戦車戦とは……よくぞつくったものだとクリエーターのクリエイト力に感嘆いたしました。
大平洋戦争。命よりも価値のあるものがある。自分だけが生きのびればいいというものではない。
その証拠にガルパン作中では日本陸軍戦車よりもむしろドイツ戦車への憧れが充満しています。ドイツ人が作るのならともかく、この戦車戦とは無縁の日本でガルパンのような戦車戦を主体とした作品が生まれること自体、奇跡のようなことなのですが、本作が予言するような戦車戦がウクライナで行われようとしている(戦車の拳)というので私の注目度は俄然高まったのでした。
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ウクライナ戦争。ロシア軍は兵装が古すぎる。ソ連製の戦車って。
ガルパンとウクライナ戦争。塹壕を突破できない戦車なんて
ガルパンと同じような戦車戦が、ウクライナの地でも繰り広げられるだろうと私は待っていました。できれば弱く虐げられた国がジャイアントキリングする姿を見たかった。
しかし現在、ロシアは塹壕戦を選んで戦線は膠着しています。塹壕を挟んで火砲の撃ちあい、そんなことがずっと続いています。このままでは戦車戦なんて起こりそうもありません。
そもそも塹壕を突破するために戦車というのは開発されたのですが、なんで塹壕を突破できないんでしょうか? 当初の使用用途を果たしていませんが?
おそらくそれは携帯用対戦車ミサイルと対戦車地雷が強力すぎるためだと思います。対戦車ドローンと呼べる新兵器さえ存在します。塹壕から撃ってくる機銃なんてものともしない戦車ですが、どうやら現代の戦車は塹壕を突破できないみたいです。塹壕は最強なんですね。ベトナムがアメリカに勝った地下トンネルも、ガザ地区の地下トンネルも一種の塹壕です。
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戦争はそんなに都合のいいものじゃない。スカッとするものじゃない。格好のいいものじゃない。
戦争はそんなに都合のいいものじゃない。スカッとするものじゃない。格好のいいものじゃない。ウクライナ戦争をウォッチしているとつくづくそんなことを思い知らされます。
大平洋戦争だって多くの人が期待していたような巨大戦艦どうしの艦隊戦なんて起こりませんでした。予想もしなかった対空母戦、対潜水艦戦だったのです。
映画『U・ボート』。太平洋戦争中。すでに潜水艦の新時代に移り変わったのに、日本軍はまったく気づかなかった。
ウクライナ戦争も同じです。塹壕戦での膠着なんて誰も予想していなかったのに現実はそうなっています。戦車戦はどうした!? 戦車戦は?
過去の戦争だと、決着がわかっているので、「この先どうなるんだろう」と深く思いをはせることがありません。一日で全部の資料を読み終わってしまって、それで思考停止となります。そういった意味でウクライナ戦争はわたしがはじめて「この先どうなるんだろう」とヤキモキしながら見たリアルタイムの戦争でした。
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ゼレンスキーは天寿をまっとうできるのだろうか?
はたしてゼレンスキーは天寿をまっとうできるのだろうか? 過去の戦争だったら一瞬でわかることが、リアルタイムだからわかりません。ヒトラーがどうなるか、昭和天皇がどうなるか、リアルタイムだったら先がわからずヤキモキしたことでしょうが、過去の戦争だから、数時間以内にヒトラーの死にざまや、昭和天皇のその後を知ることができます。すぐにわかることは、心に残りません。
しかしウクライナ戦争は違います。考えたり、思ったりした時間が長い分だけ、いろいろなことが心に残ると思っています。
もしかしたらこの戦争は、認められないことを認めることでしか終わらせられないかもしれません。それに対して「このわたし」はどうすることもできません。ただ、戦争が終わったら、ウクライナの黒海沿岸地域を旅行してみたいな、と思っています。戦争がなかったら、黒海の北側なんて旅先の候補地に入らなかっただろうと思います。
世界は、ウクライナ戦争は、いったいどうなるのでしょうか?
これからもそれを見守りたいと思います。
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このブログの筆者の著作『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての感想と提言。
『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか?
●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか?
●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。
●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか?
●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。
ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすることが、人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。それに反する行動は人類全体に否決される。いつかそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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