インバウンド外国人、訪日外国人。来日されて狭い思いをするばかりでなく、自分も外に飛び出して解き放たれた思いを味わえ

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『ドラクエ的な人生』とは?

心の放浪者アリクラハルトの人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

書籍『市民ランナーという走り方(マラソン・サブスリー。グランドスラム養成講座)』。『通勤自転車からはじめるロードバイク生活』。『バックパッカー・スタイル』『海の向こうから吹いてくる風』。『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』『読書家が選ぶ死ぬまでに読むべき名作文学 私的世界十大小説』Amazonキンドル書籍にて発売中です。

人種差別主義者ではないつもりだが、自信がなくなる時がある。

人種差別主義者ではないつもりだが、そうでもないのかな、と自信がなくなる時がある。外国を旅行して、喫茶店やレストランなどに入って、周囲が白人ばかりだとアガるが、黒人ばかりだと気分がサガる。この気分のアップダウンだけはごまかせない。事実なんだからしかたがない。

でもなんでなんでしょうね? 世界のいい場所にはたいてい白人がいるので、白人が多いということは、そこが世界的に見てもいい場所だと保証されたようなものだ。

そういう場所にいる自分によろこびを感じている。短い人生、いい場所にいたいもの。

しかし逆に世界のいい場所にはたいてい黒人がいるなんて話しは聞いたことも感じたこともない。だからだろうか。周囲が黒人ばかりだと妙に不安になる。へんな威圧感を感じてしまうのだ。あのぎょろっとした目が、黒の中の白という目が、不気味なのかもしれない。

黒人ばかりではない。カサブランカの空港でも周囲のアラブ人がみんな爆弾テロリストに見えて、慣れるまでは安心できなかった。この先どうやって旅を続ければいいのか途方にくれたものだ。

日本のレストランで、おおぜいの中国人観光客の中に、自分ひとりだけがいると、なんだか不快になる。これが中国のレストランで、自分だけ日本人が一人ならば、逆によろこびなのに。……つまり潜在的に中国人差別はないということなのだろう。

もちろん第二の故郷、韓国人にも差別感情はない。

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旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●日本海も東海もダメ。あたりさわりのない海の名前を提案すればいいじゃないか
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●もしも韓国に妹がいるならオッパと呼んでほしい
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●「トウガラシ実存主義」国籍にとらわれず、人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

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私はインバウンド外国人にはさほど興味がないのかもしれない。

外国人に興味があるわけではない。外国を旅する自分に興味があるだけだ。

心境の変化に、新しい発想に。自分が変わっていくことがおもしろいのだろう。

外国では、ただ喫茶店でのんびりしているだけで、行きかう人たちをぼんやりと眺めているだけで、過ぎていく時間を楽しむことができる。

先日もプーケットのサンデーマーケットで、路上の椅子に二時間も座って、ただ旅人たちを眺めていた。ぜんぜん退屈しなかった。リゾート感あふれる人たちをマンウォッチングするのは楽しい。こういう時間の使い方を日本ではできないなあ、と思う。やはりインバウンド外国人にはさほど興味がないってことなのだろう。

地元の国際交流協会に所属して、英語の勉強をしようと思っているが、たぶんわたしは来日している外国人との交流にはさほど興味がないのだろう。自分が外に出ることばかり考えている。おもてなししようなんて気持ちはない。そういうことはほかの人におまかせするよ。

満員電車の中にいると、ここから抜け出さなくてはと思う。その焦りが外へと飛び出すブースターになる。

国内で訪日外国人ヘイトをしている人たちは、たいてい自分はずっと国内にいて、外に出て行かない人たちだ。自分も他国で楽しめば、お互いさまなのだ。嫌ったりするわけがない。自分が親切にされたぶん、親切にしようと思うだろう。

日本人よ。訪日外国人を見ろ。人生を謳歌しているじゃないか。目の前で楽しんでいる彼らを見て何も感じないのか? あいつらだけにいい思いをさせて、くやしいじゃないか。

おれたちだってもっと楽しんでいい。来日されて狭い思いをするばかりでなく、自分も海外へ飛び出して解き放たれた思いをあじあわなければもったいないじゃないか。

せっかくそれができる国に生まれたのだから。

やるか、やらないか、だ。

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