世界連邦、国境廃止論者が語るトランプ・ゴールドカード
アメリカの大統領はここまで大きなことができるのか、と目が離せないアメリカのトランプ大統領。バイデン大統領だったらありえないような政策を次々に打ち出しています。
そのうちのひとつに「トランプゴールドカード」というものがあります。これは今のところアメリカのグリーンカード(永住権)を500万ドルで売ろうというものらしいです。
この話しを聞いたときに「ん? これは」と私は思いました。私は各人が国籍なんかにしばられない世界市民であることを指向しています。韓国帰りの帰国子女として書籍を出版しているのですが、その書の結論は「国籍なんかにこだわらずに人間の歌をうたえ」ということになっています。
いうなれば世界連邦、国境廃止論者です。パスポートなんかなしに世界中を旅できたらいいのに、ビザなしに世界のどこにでも住めればいいのに、そう思いませんか?
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旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。
【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●日本海も東海もダメ。あたりさわりのない海の名前を提案すればいいじゃないか
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●もしも韓国に妹がいるならオッパと呼んでほしい
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●「トウガラシ実存主義」国籍にとらわれず、人間の歌を歌え
韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。
「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。
帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。
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トランプゴールドカード。永住権(グリーンカード)じゃなくて国籍を売ればいいのに
調べたところ、トランプゴールドカードは、まだ「国籍を売る」ではなく「永住権を売る」レベルの話しでした。残念です。
ですが、この稿では思考実験として「国籍を売ることができる」を前提にものごとを考えてみたいと思います。
500万ドルといえば、約7.5億円です。富裕層だけがアメリカ国籍を買えるというわけですね。これは富裕層にとっても、アメリカにとっても、悪くない話しではないでしょうか。ウィンウィンの取引になると思います。独裁者にいつ殺されるかわからないロシアのオリガルヒとか、いつ財産没収されるかわからない中国の富裕層なんかは、500万ドル払っても、アメリカの国籍をよろこんで欲しがる人が多々いるだろうと思います。実際に、香港では中国返還の時に、なんとか他国の国籍を得ようと努力したという歴史的事実があります。
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このブログの筆者の著作『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての感想と提言。
『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか?
●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか?
●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。
●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか?
●新たなロシア革命? ロシア連邦の独立の陰謀? セカイノオワリ?
ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすることが、人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。それに反する行動は人類全体に否決される。いつかそんな日が来ることを信じて。
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トランプゴールドカードが成功したら、日本も国籍を高価格で売ったらいい。
500万ドルなんてとても私には買えませんが、もし治験モニター(販売前の薬をアルバイトで飲んで安全性などを確認するやつ)が必要ならば、立候補してもいいですよ。そしたらハワイでずっと暮らそう。
アメリカのやることは、数年おくれで日本にやってくるのが通例ですから、アメリカの国籍売買が成功すれば、日本も同じことをやろうと言い出すでしょう。
アメリカほど高くは売れないでしょうが、ブラックマーケットでは日本のパスポートは大人気だといいますし、日本の国籍もそれなりの値段で売れるんじゃないでしょうか? 2~3億円ぐらいなら払う人が、世界に何百人もいる気がします。
もしこの国籍売買が実現したのなら、国籍を超えるチャンスです。もしもギリシアあたりの国籍が安く買えたらユーロ圏で暮らすことができます。ベネチアでも、パリでも、バルセロナでも、パスポートなしに移動できます。
鄧小平の先富論(先に豊かになれる人から豊かになって、他の人はその後から、という政策)じゃありませんが、まずは富裕層から国境を超えていただきましょう。そしていずれはみんなが国籍を乗り越えていければいいんじゃないでしょうか。
日本もエスタをやれ、という稿でも主張しましたが、こんな儲け話はいくらでもマネすればいいんですよ。
国が株式会社、市民が株主のようになる時代
このトランプゴールドカードですが、ホリエモンや岡田斗司夫も言及しています。
岡田斗司夫は、国籍売買制度によって、国が株式会社のようになる、と言っています。国は会社で、市民は株主のようなものと捉えられるからです。いい政治があれば、株があがります。つまり国籍の値段が上がります。まずい政治が行われると、国籍の値段が下がるというわけです。イーロンマスクがやろうとしている政府の民営化にも合致しますね。
イーロンマスクはアメリカ大統領を狙う。政府そのものを民営化。公務員をクビにする
ホリエモンも、やはり私のように「永住権ではなく、国籍」で思考していました。私が驚いたのは、国籍交換という発想でした。これを国籍スワップと彼は言っていました。
たとえば日本の国籍が3億円で売りに出ていて、ベトナムの国籍が1億円で売りに出ている場合、国籍スワップによって、日本人A氏はベトナム人になる代わりに2億円の資産を手に入れることができる。そのお金でベトナムで一生暮らせる。という発想です。
自由に心臓を止められてたら、もう止めてた。不自由だから、生きていられた
国籍売買には、ふたつの考えがあって、ひとつは「政府が国籍を売る」というケース。もうひとつは「市民が自分の国籍を売れる」というケースです。このふたつは別々に考えなければなりません。
私は、政府が国籍を売るというのはいいと思うのですが、市民が自分の国籍を売るというのは、ちょっと無理なんじゃないかな、と感じました。
たとえば上の手続きによって2億円を手にしてベトナム人になったエヌ氏が、テレビに出演して、国籍を売ったことを泣いて後悔していたら、その元日本人を自業自得だと言って追い返せるでしょうか? 老いた母親の面倒を見たいとエヌ氏が言ってきたら?
『靖国神社』とか『ビルマの竪琴』のある日本で、エヌ氏を追い返すのは無理だと思うんですよね。だから政府が国籍を売るのは賛成だけど、個人が国籍を売れる国籍スワップには反対です。
たとえばですが、もしも心臓を自分の意志で止められたとしたら、たぶんもうわたしは生きていないと思うんですよね。つらいことがあった、人生のどこかの時点で、心臓を止めてしまっていたでしょう。でもそういうことができなかったからこそ、こうして今わたしは生きていて、生きていることを楽しんでいます。強制的に心臓を止めることなどできないからこそ、私は今、生きていて、生を満喫しているわけです。
それと同様に、国籍が売れないからこそ、今、日本人でいられて、幸せだってことがあると思うんですよね。いつでも自由に国籍が売れたら、どこかの瞬間に国籍を売って、今頃後悔していたかもしれません。
国籍なんかなくなってしまえ。先富論。まずは金持ちから。
たくさんの国籍を持っている人はいます。イーロン・マスクなんてアメリカ、カナダ、南アフリカの三か国の国籍を持っているそうですよ。
納税などの制度上の問題が残っていますが、なんとか富裕層だけでも、国籍が買えるようになったらいいなと思います。
まずは金持ちから。先富論です。徐々にでいいから、国籍なんかなくなってしまえ、と思います。
だって親がカナダ人だからカナダ国籍だなんて、親がイスラム教だから自分もイスラム教みたいなものでしょ? せめて自分の意志で選び取る自由があるべきじゃないでしょうか?
ときに反動的な運動もありますが、おおきく世界はひとつになる方向に動いているはずです。私はそちらの流れの味方です。
バイデンさんにはぜったいにできない、ハチャメチャなあなただからこそできるトランプ・ゴールドカードに私は期待しています。じゃんじゃん試してもらって、データを取らせてもらいましょう。
日本も富裕層にだけ国籍売ったら? 彼らは生活保護なんて必要としないし、爆買いしたり、消費に貢献してくれると思いますよ。エスタもなしで、無料でジャパンテーマパークに入場させることないじゃん。国籍売るのは年パスみたいなもんでしょ?
「ふるさと納税・インターナショナル」みたいなシステムをつくったらいいじゃん。