アポロニオス『アルゴナウティカ』アルゴ探検隊の大冒険。本当の主人公はイアソンではなく魔法少女メデイア

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アルゴー船の大冒険。ワンピースであり、オデュッセイアである物語の雛形

ここではアポロニオスの神話叙事詩『アルゴナウティカ』について語っています。いわゆる『アルゴー船の大冒険』ですね。現代風にいえば『ワンピース』といったところです。

王位をめぐる課題をクリアするためにアルゴー船に乗った英雄たちに試練があたえられます。その試練とはコーカサスの「黄金の羊毛」を取ってこいというものでした。この金羊毛は大蛇・ドラゴンが守っています。

世界中の竜殺し伝説

いわゆる竜退治・ドラゴンスレイヤーものでもあるのです。

ドラゴン退治のミカエル。ゲオルギウス。トリスタン。ジークフリート。ベーオウルフ。素戔嗚尊

そして船旅と寄港地でのいざこざが主の物語であることから、オデュッセイアのような冒険物語としても読むことができます。

トロイ戦争その後。オデュッセイアの表ルートと、アエネーイスの裏ルート

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アルゴー船に乗り込んだ英雄たち。ヘラクレス。オルフェウス。ペレウス。イアソンとメデイア

アルゴー船にはさまざまな著名な英雄たちが乗り込みました。父が神の子も人間の子も。

ここで特徴的なのは、たとえば「ヘラクレスが強いのは父親が最強のゼウスだから」という裏付けがあるわけですけれども、著名な神を父や祖父にもっていても駄目な奴もいるということです。

アルゴー船を建造したアルゴス。『ワンピース』でいえばサウザンドサニー号を建造したフランキーが乗っているようなものです。ちなみに船の設計はパラス・アテナです。

『ワンピース』トラファルガー・ローの「白い町」のモデルか? カレル・チャペック『白い病』

そして音楽家オルペウス。地獄で竪琴を弾いて地獄の王を感動させて、嫁を地上に連れ帰ろうとした人ですね。古事記のイザナギと共通します。

日本の神さま。この神社に何でその神様が祀られているのかが不明な謎

そして英雄中の英雄ヘラクレス。アキレウスはトロイ戦争でギリシア軍を救っただけですが、ヘラクレスはギガントマキアで神の国オリンポスを救うことになります。桁違いの圧倒的な英雄です。

そして冒険の発起人でありリーダーであるイアソン。英語だとジェーソン。いちおうアルゴー船の冒険の主人公はイアソンだということになっているのですが、私は本当の主人公はメデイアという魔法少女ではないかと思っています。すくなくともイアソンは、アキレウスやオデュッセウスのような英雄ではありません。彼は星でいえばシリウスのような美形のイケメンで、魔法少女メデイアを魅了したのが最大の功績でした。恋泥棒という罪なヤツなのです。

それ以外にも、イリアス、オデュッセイアを読んでいれば感動ものの人たちが多数登場します。

ユリシーズとオデュッセイア

アキレウスの父ペレウスは、人間なのにゼウスも欲した女神テティスと結婚した人物です。アルゴー船ではかなり大きな働きをします。ペレウスの妻にしてアキレウスの母・海の女神テティスも、スキュラとカリュブディスを抜ける重要な「助け手」として登場します。そして夫のペレウスに難関突破の方法を教えてくれます。オデュッセイアのファンにはたまらないシーンでしょう。テティスはゼウスの求愛を結果的に受け入れなかった女神(テティスが産んだ子は父よりも優れていると予言されて、クロノスを倒して王となったゼウスはみずからを重ねてビビったのです)としてゼウス正妻のヘラから感謝されて一目おかれています。そしてペレウスとの結婚式に「もっとも美しい人へ」と書かれたリンゴが投げ込まれて「パリスの審判」と流れ込むわけですね。ちなみにこの段階でペレウスとテティスは息子アキレウスの不死身化の儀式をめぐって別れていました。いわゆるアキレス腱だけが不死身でなくなったという例の儀式です。父ペレウスは「息子になんてことすんじゃい。死んでまうやないか!」と早とちりしてしまったのでした。母は息子の不死身化の儀式を邪魔されて激怒します。

また「イリアス」ではヘクトールに殺されたパトロクロスの父も登場します。

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大アイアースの父テラモンも、そして小アイアースの父も登場します。ここでは大アイアースのパワー+小アイアースのスピード+イアソンのイケメン=アキレウスと覚えておきましょうね。

アルゴー船の冒険は、イリアス世代からいうと「父親世代の話し」なんですね。伊達政宗にとっての織田信長みたいなものです。世代が一世代前なんですね。

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どうせ和訳(原書を読んでいるわけじゃない)なんだから、名前を統一表記して簡略化せよ

イリアスを読めば大アイアースのことを「テラモンの子」と表記されることが多いのです。だからイリアスを読んでいる人ならば、テラモンと言えばすぐにピンとくるのです。同様にアキレウスのことも「ペレウスの子」とよく表記されていました。イアソンも同様で「アイソンの子」と表現される箇所が非常に多いのが特徴です。

私はロシア文学でも同様なことを思うのですが、どうせ和訳(原書を読んでいるわけじゃない)なのですから、ここは名前をイアソンで統一したらもっと読みやすくなるんじゃないかと思います。現代の読者にとって「××の子」と表記する意味はありません。読みにくくなるだけです。

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主役級ヘラクレスが脱落し、真の主役メデイアが登場する

後に出てくる金羊毛を守るドラゴンや、青銅の巨人タロスと真っ向勝負できそうな英雄ヘラクレスは衆道が原因で船旅から脱落してしまいます。行方不明の男の子を探して島に残ってしまうのでした。それがアルゴー船の冒険の前半のミソです。もしもヘラクレスが最後まで旅していたら、イアソンの冒険ではなくヘラクレスの冒険になってしまったでしょうか? はっきりいってイアソンとヘラクレスでは役者の格が違います。

「もし神がこの地にもヘラクレスを連れてきていたら、すぐにでも棍棒で打ちのめして掟もろとも思い上がりを忘れさせたと思うのだ」

アルゴナウティカの中でそのようにも語られています。しかし私の答えはノーです。なぜならアルゴナウティカの主人公はイアソンですらないからです。まるで三国志の諸葛孔明のように後半登場してすべてをもっていく魔女メデイアこそがアルゴー船の冒険の真の主人公だといえるでしょう。キャラ立ちという意味では、ヘラクレスですらメデイアにはかなわないかもしれません。

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黄金の羊毛をもった牡羊は牡羊座になる

ともあれイアソン一行は、金の羊毛を求めて旅します。ちなみにこの金羊毛の持ち主は牡羊座になるという逸話の持ち主です。さすがギリシア神話の一端を担う作品ですね。

「アイソンの子よ。どうか怒らないでくれ。正気を失い誤った。傲慢で耐えがたい言葉を吐かせた」「そなたが怒り狂ったのは仲間の男が原因だからだ。きっとそなたは他の者とも私のために争ってくれるだろう。似たようなことが起きたときには」

「私たちが昂然と行うことを家の中で密かにする。また人前で夜の営みが憚られもしない」このような風俗逆転現象は、ヘロドトス『歴史』によく登場します。

歴史はストーリーで語れ。ヘロドトス『歴史』おもしろい!!

「お願いです。同年輩の男らが苦境にあるのを憐れんで、同行させてくださいませんか」

イリアスと同様に、アルゴナウティカでも、作品は神世界と人間世界の二重構造になっています。人間界の結果は、神の配剤によるものという二重構造なのです。

作中、ヘラアテネが相談してアフロディーテのところに行ったりしています。パリスの審判でもめたはずなのにね。そこらへんの時間の流れは曖昧(適当)です。

だからアルゴナウティカは、人間の冒険を語るものであると同時に神話を語るものなのですね。遠矢の神ポイボス・アポロンなんかは、主人公イアソンよりも言及されているのではないでしょうか。そこらへんが神話の原点が古事記しかない日本の神と、ギリシア神話の神の違うところですね。女にフラれてばかりのアポロンが何で偉大な神さまなのかはアルゴナウティカを読めばよくわかります。

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すべて女の力(メデイアの魔力)によって試練はクリアされる

アルゴー船の行き先はコーカサス。今でいう黒海西岸のジョージアあたりになるそうです。金羊毛をもつ王さまは簡単には渡してくれません。試練をあたえられます。

「私に引けをとらないなら、黄金の羊毛を持ち帰らせよう。ただし力を試してからだ」

その試練とは、炎を吐く牡牛を繋いで、それで大地を耕して大蛇の牙を撒き、そこから生まれた戦死を殺して刈り取ることでした。イケメンなだけで弱いイアソンには到底無理な難題でした。これを助けてくれたのがイアソンに惚れた魔法少女メデイアです。

メデイアは父や祖国を裏切ることに苦悩しますが、恋の力にはかないません。なぜならその恋は恋の女神アフロディーテとエロスの矢がしかけたものだったからです。この少女メデイアの苦悩と恋の勇気と魔術こそがアルゴナウティカの最大の見せ場となっています。まるで迷宮ダイダロスと怪物ミノタウロスになすすべがないテセウスを恋するアリアドネが助けたように。女の力でピンチを脱するところが男根的ヘラクレス的ではないのです。

イアソンはメデイアに言います。「定められた死が二人をともに隠すまで、他の愛情が私たちを引き離すことなどありません」その言葉を信じたメデイアは、イアソンに助力します。恋に生きようとする可憐な少女なのです。

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このブログの著者が執筆した純文学小説です。

「かけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。むしろ、こういうべきだった。その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と」

「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」

本作は小説『ツバサ』の後半部分にあたるものです。アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。

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魔女メデイアの苦悩と恋の勇気と魔術で試練を乗り越える。イアソンは非男根的なヒーロー

巨大な大蛇(ドラゴン)が守る黄金の羊毛を手に入れることができたのも、メデイアが大蛇を魔術で眠らせたからでした。ヘラクレスなら棍棒で大蛇を殴り殺したことでしょう。

メデイアの女心は揺れ動きます。

「目的を遂げた喜びから何もかも忘れてしまい、必要に迫られて言ったことなどまるで心に掛かりませんか? 誓いはどこへ、甘美な約束はどこへ行ったのですか? それを頼りにこの私は良識に反し、恥知らずにも、自ら望んで祖国と家の誉れと両親を捨てました。私にとって一番大切なものをです。お願い、何としても私を守ってください。私を救ってください。さもなくばどうかあなた自身が剣で貫いて情欲に相応しい報いを私の身に与えてください。」

いや、アルゴナウタイ(アルゴー船の英雄たち)に懇願しなくても、あんたがいちばん強いでしょうに!

そして「もしも裏切ったならばゼウスの奥方(ヘラ)がそれを許しませぬように」と恐いことをいいます。未来の魔女が見え隠れするシーンです。

旅の途中、メデイアの伯母にもあたる魔女キルケーにも面会します。オデュッセイアの登場人物ですね。

ちなみに『アルゴナウティカ』に出てくる最後の怪物。青銅の巨人タロスもアキレウスと同じくアキレス腱が弱点でした。メデイアは魔術によって、死霊を呼び、その眼差しで魅了して、とうとうタロスはアキレス腱から体液を流して倒れます。まるでパリスの矢に射られたアキレウスのように。古代ギリシアではアキレス腱は弱点という認識だったようですね。

ところどころでまだ少女のメデイアは苦しみ涙します。最強メデイアを知っている現代の読者はこの可憐少女メデイアの涙には違和感をおぼえてしまいます。

「みんな私のおかげで黄金の羊毛を持ち帰ろうとしているのに、ここにいる私は厭われながら異国の人とさまよっている。私がアイエテスの手中に落ちて、苦痛に満ちた恥辱を受けて殺されるなら、逃げ場もありはしない。ただあなた方にすがる他ないのです。」

いや、だ~か~ら! あんたが一番強いでしょうに!!

青銅巨人タロスまで倒しておいて、何をお願いしてるんだか(笑)。

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魔女メデイア伝説。魔法少女はなぜ魔女になったのか?

このように、アポロニオスのメデイアはあくまでも可憐な少女の面影を保っています。

このように『アルゴナウティカ』で圧倒的な存在感を示すのは、イアソンでもヘラクレスでもなくメデイアなのでした。メデイアは非常に魅力的なキャラクターです。その証拠に古今、たくさんのメデイア主題の絵画が描かれています。

アポロニオスの『アルゴナウティカ』は、アルゴー船の帰還で終了します。その後のメデイアが描かれることはありませんが、別伝でのメデイアはもっとキャラ立ちしていて、もっと魔女です。『アルゴナウティカ』とは離れますが、メデイアの後日談を語りましょう。

※アルゴー船を追いかけてくる父の追手の艦隊に対して、弟を殺して切り裂いて遺体を海に捨てることで、父王に追撃を諦めさせたりしています。魔女や!

金の羊毛を持ち帰ったのに王位をイアソンに譲ろうとしない王様には「若返りの魔術」と騙して釜茹でにして殺してしまいます。魔女や!

メデイアの激しい愛がおそろしくなったイアソンは別の王女と結婚しようとします。メデイアの愛は裏切られました。怒ったメデイアは王女を魔法で焼き殺してしまいます。魔女や!

そしてイアソンも殺そうとしますが、イアソンだけは殺せません。その点、アンデルセンの人魚姫のようですね。その代わり、自分とイアソンのあいだに生まれた子供を殺して彼に復讐します。魔女や!

そして竜の引く馬車に乗って天へと去っていくというものです。魔女や!

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メデイア・コンプレックス=愛するがゆえに、憎しみのような行動をとる心理状態

これが魔女メデイアの壮絶な生き方でした。夫の裏切りに泣き寝入りしない女性。愛欲と残虐はコインの裏表のように同じところから発生しているということをメデイアは教えてくれます。よく言われるように愛の反対は憎しみではなく無関心なのでしょう。

エディプス・コンプレックスという言葉があるのですから、メデイア・コンプレックスという言葉があってもいいような気がします。ここでは「メデイア・コンプレックス」という言葉を提起して定義しましょう。

メデイア・コンプレックス=愛するがゆえに、その愛が裏切られた時、憎しみのような行動を相手に対して取ってしまう心的状態。

写本による淘汰。『イリアス』と『オデュッセイア』のあいだ。テレゴノス・コンプレックス

『アルゴ探検隊の大冒険』は、レイ・ハリーハウゼンのモデル・アニメーションで有名な映画があります。細かいところは原作とは違いますが、アルゴナウティカは大冒険活劇なのだということをちゃんと教えてくれる映画です。

みなさんもぜひ読んでみてください。

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サハラ砂漠で大ジャンプする著者
【この記事を書いている人】

アリクラハルト。物書き。トウガラシ実存主義、新狩猟採集民族、遊民主義の提唱者。心の放浪者。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。山と渓谷社ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。ソウル日本人学校出身の帰国子女。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。放浪の旅人。大西洋上をのぞき世界一周しています。千葉県在住。

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この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。 その過程で、ママチャリのすばらしさを再認識したり、どうすれば速く効率的に走れるようになるのかに知恵をしぼったり、ロードレースは団体競技だと思い知ったり、自転車の歴史と出会ったりしました。 ●自転車通勤における四重苦とは何か? ●ロードバイクは屋外で保管できるのか? ●ロードバイクに名前をつける。 ●通勤レースのすすめ。 ●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。 ●ロードバイク・クラブの入り方。嫌われない作法。 などロードバイクの初心者から上級者まで対応する本となっています。
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●◎このブログ著者の小説『ツバサ』◎●
小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
×   ×   ×   ×   ×   ×  (本文より)知りたかった文学の正体がわかった! かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。 しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。 世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。 すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。 『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。 その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
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◎このブログの著者の随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』
随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

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随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

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●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
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韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

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●◎このブログ著者の書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』◎●
書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての提言 『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』 ●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか? ●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか? ●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。 ●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? ●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。 「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」を信条にする筆者が渾身の力で戦争を斬る! ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすること。それが人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。人々の暮らしを邪魔する行動は人類全体に否決される。いつの日かそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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