カタを追求するあまり、ダイナミズムを失うことがある。強さを失うことがある。面白さを失うことがある。
どうもハルトです。みなさん今日も元気に走っていますか?
このページでは『サブスリーランナー達成講座』の最大戦闘速度、最高スピードについて書いています。ラストスパートの時の最高速度フォーム。マラソン用に抑えたスピードではなく全力疾走のことです。
全力疾走というと力みかえってしまう人がいますが、そうすると却って遅くなります。速く走りたかったら、力を抜きましょう。前に振り上げた大腿骨は着地の瞬間まで力を抜きましょう。股関節からふわっと力を抜きます。
しかし型にこだわりすぎるのはよくありません。カタにこだわりすぎるのが、日本文化のよくないところだと思っています。カタを追求するあまり、ダイナミズムを失うことがある。強さを失うことがある。面白さを失うことがある。
私はそう思っています。
理想のフォームを維持することに力を使いすぎると、却ってタイムが遅くなります。
そもそもフォームはひとつでないから奥が深いのです。飽きが来ないのです。いつまでも発見があるのです。
カタに自分をあわせるよりも、自分のスタイルを貫いた方が、さわやかな人生が歩めると思いませんか?
精神力は前に進むために使いましょう。
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※言葉のイメージ喚起力で速く走る新メソッドを提唱しています。
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『マラソンの走り方・サブスリー養成講座』
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脱力は技術である。着地する瞬間までは力を抜く
サブスリーランナーの最速フォーム。ラストスパート時の最速フォーム。このページでは、獲物をしとめる直前の最大戦速について語っています。
長距離用に抑えたスピードではなく、一気に決着をつけるための短距離・戦闘速度を出そうとするときには、大腿骨を大きく動かす必要があります。
大腿骨は不思議なことに、前には上がりますが、後ろには上がらない仕組みになっています。だから前に動かすことだけに集中しましょう。
その際『大腿骨が振り上げた勢いと脱力で前にスポッと抜けるようなイメージ』で走ってみてください。振り上げた大腿骨が水平になるぐらいのイメージで腰からぐいっと前に突き出します。
その際、大腿骨が股関節からスポッと抜けて前に投げ出されるぐらいのイメージで股関節をふわっと脱力します。大腿骨を前に放り出したことで、股関節の関節包が意識できるぐらい股関節の力を抜きます。
そのぐらい遊脚(前に浮いている方の脚)の力を抜くことが本稿の要諦です。大切なのは脱力することです。リラックスしないと、対抗筋で抑えながら主動筋を動かすようなものだから、本当の力を発揮できません。
アクセルとブレーキを同時に踏んでいるのと同じ状態です。
投げ出した大腿骨は関節包がゴムのような伸縮で受け止めて戻ってくるとイメージすると、股関節の力が抜けますよ。
①脚の力を脱力することで腸腰筋(大腿骨の付け根)のみで大腿骨を持ち上げる。
②腸腰筋は腰椎が起点であるため、大腿骨を振り上げようとすると腰が起きて上半身が起きる。腰を入れないと、大腿骨を投げ出すことはできません。
③腰がぐっと張って、お尻の筋肉が使えるようになる。(ヤジロベエ走法)
もちろん実際には関節包があるので大腿骨が前に投げ出されることはありません。
関節包の存在が意識できるぐらい力を抜くという意味です。脚は振り上げる時は脱力します。
着地する瞬間に力を入れます。着地する瞬間までは力を抜いておきます。
また、大腿骨を勢いよく振り上げることは、膝を曲げずにできることではありません。
脚を折りたたむことは意識しなくても勝手に達成できていることでしょう。
アトムのジェット走法が意識しなくても自然とできてしまうのです。
カタにこだわりすぎるのが、日本文化のよくないところ
このフォーム理論は圧倒的にスピードが出ます。
どちらかといえばマラソンよりは100m走向き、ラストスパート向きのフォームですが、大きなフォームを使えるようになった上での小さなフォームは巡航時の余裕度が違います。
大きな身体の使い方を知った上で小さな動きをすることは楽なのです。結果、サブスリーに近づきます。
また何度も繰り返しますが、複数のフォームを持とうというのはハルトのサブスリーランナー達成講座のキモなので、このフォームにこだわりすぎないことです。
どこかの筋肉が披露してフォームの維持が難しくなったら、すぐに第二フォームに切り替えてください。
たとえば「ヘルメスの靴(アキレス腱のバネ走法)」などに。
カタにこだわりすぎるのが、日本文化のいいところでもあり、よくないところです。
茶道も、舞踊も、武術ですらそうです。人真似はやりすぎるとよくありません。
カタというのは一流の先人のマネのことです。マネするあまり自分を失っては元も子もありません。
カタを追求するあまり、ダイナミズムを失うことがある。強さを失うことがある。面白さを失うことがある。
私はそう思っています。
ランニングで言えばカタというのは理想のフォームのことです。理想のフォームもいいのですが、忘れてはいけないのは、理想のフォームの追求が目的ではないということです。
目的は速く走ること。長く効率的に走ることです。サブスリーを達成することです。そのためのフォーム改善です。
おかしなフォームの方が、教科書どおりの理想のフォームよりも速く長く走れたとしたら、おかしなフォームが正解です。
目標の達成にフォームが邪魔なら、容赦なくフォームなんか捨ててしまいましょう。
カッコよさを維持するために頑張るのではなく、目標を達成するために頑張る
理想のフォームを維持することに力を使いすぎると、却ってタイムが遅くなります。
フォーム(走れという脳の指令。入力意識)というのは現在一番使える筋肉によって変わってくる、というのが私の考えであり、この書物の最大のキモとなっています。
そもそもフォームはひとつでないから奥が深いのです。飽きが来ないのです。いつまでも発見があるのです。
決まり切ったフォームが一通りしかないのなら、ランニングほど簡単なスポーツは他にありません。単純すぎて、すぐに飽きてしまうかもしれません。
もしもランニングが奥が深いとするのならば、それはこのフォーム(入力意識)の多様さあってのことです。
たくさんのフォームを多彩に使って前へ進むこと。
精神力はフォームの維持ではなく、前へ進むためにこそ使うべきです。
たとえば「全身を一本の棒のようにして、棒が前に倒れるのを反射的に足を前に出して支えようとするのが理想のフォーム」というランニング理論があります。私のいう動的バランス走法です。
動的バランス走法は初心者ランナーを中級者ランナーに引き上げる走法で、本番マラソンで駆使すべきものですが、ひとつ欠陥があります。
一本の棒のフォームをずっと維持しようとすると腰の筋肉がずっと張りつづけることになるのです。
全力ダッシュの時には体幹は「倒れる一本の棒」のようにはなりません。
すっと中立・直立し、一蹴り毎に腰の筋肉は緩んだり緊張したりを繰り返しているはずです。
そもそも筋肉というものはポンプのように収縮と弛緩をくりかえして使うものなのです。
「動的バランス走法」は素晴らしいフォームですが、腰の筋肉が張りつづける結果、やがては維持できなくなります。
そうしたらどうすればいいか?
腰の筋肉を緊張と弛緩を繰り返して血流を促す第二のフォームにシフトすればいいのです。
たとえばヤジロベエ走法であり、たとえばアトムのジェット走法です。
『股関節の関節包が意識できるぐらい脚の力を抜く』フォームは、ひとつの入力意識として紹介しました。
しかしこのフォームだけにこだわることなく、いろいろなフォーム(入力意識)を使いこなしてサブスリー達成を目指してください。
なりふりかまわず、前に進みましょう。ただし、力を抜いて。
※このブログの筆者の書籍です。Amazon電子書籍で発売中。走るテクニックについて、初心者から上級者向けまでたくさん提供しています。
※言葉のイメージ喚起力で速く走る新メソッドを提唱しています。