原始的な行為は、社会的・近代文明的な悩みをいったん押しのけてしまう。
雨です。それでも今日も走ってきました。雨の日に走ることをわたしはシャワーランニングと呼んでいます。
わたしはサーファーみたいに日焼けしていますが、やっているのはランニングです。アウトドアマンみたいな顔をしていますが、アウトドアをランニングしているだけです。ただのランナーなのです。
※雑誌『ランナーズ』のライターにして、市民ランナーの三冠王グランドスラムの達成者の筆者が走魂を込めた書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。
言葉の力で速く走れるようになる、というのが本書の特徴です。走っている時の入力ワードを変えるだけで速く走れるようになります。言葉のイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く効率的に走ることができるようになります。踵着地とフォアフット着地、ピッチ走法とストライド走法、どちらが正解か? 本書では明確に答えています。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
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夏場の雨の日のランニングは最高です。雨に打たれて走ると、頭の中のモヤモヤがすっきりしますよ。どんな悩みも吹っ飛びます。
どうして悩みがふっとぶのかというと、おそらくあなたの悩みは社会的・近代文明的なものであり、犬や猫の悩みとは違うものであるはずです。しかしシャワーランニングは、傘もささずに野外を走るという原始的な行為であるため、本能的な脳が覚醒して、社会的・近代文明的な悩みをいったん押しのけてしまうからです。
雨に打たれると肺炎になるのは本当か?
ところが雨の日にも走っていると人にいうと、
「肺炎になるから気をつけな」
とよく人にいわれます。
昔話にも「雨に打たれないように傘を持っていきなさい」というシーンがよく登場します。別に雨に降られたって死ぬわけじゃないのに、どうしてこうもみんな雨を嫌うのか?
もしかして人は雨を嫌っているのではなくて、肺炎を嫌っているのでしょうか?
雨に打たれると、人は肺炎になるのでしょうか?
しょっちゅう雨の中走っているけど、そんな兆候まるでないけど?
『Dr.stone』肺炎レンサ球菌。科学の万能薬サルファ剤
肺炎の原因は知っています。肺炎レンサ球菌ですよね?
『Dr.stone』に登場していました。そしてサルファ剤が効くことも。
しかしサルファ剤やペニシリンが発見される以前は、多くの人が肺炎で亡くなっていた人類の歴史があったようです。
現代人が、石器時代にタイムスリップしたら、生き残れるだろうか?
雨に打たれると肺炎になるというのは、雨の中に肺炎レンサ球菌が含まれているということなのかな? だとしたらオレ、走りながらほとんど給水感覚で、雨、めちゃくちゃ舐めてますけど大丈夫(汗)
体温が冷え、免疫力が弱まると、肺炎球菌が暴れ出す。
調べたところ、雨に肺炎レンサ球菌が含まれているというわけではないようです。
肺炎レンサ球菌はどこにでも存在していて、人体にも常在しています。
普段は人体の抵抗力で抑えられているものが、免疫などが弱まったときに爆発的に増殖して暴れ出してしまうのです。強毒菌であり、毒をまわりの細胞にブチ込みます。その毒で肺胞が炎症を起こすと肺炎になり、血液中に入り込み全身を毒でおかすのが敗血症です。
雨に打たれると肺炎になる、というのは、からだが冷えて疲労することを懸念してのことなのです。免疫が弱くなると肺炎球菌が暴れ出します。
とくに冷たい雨で体温が下がることが、免疫によくないそうです。風邪をひいて発熱するのは体温をあげることで免疫の力をアップさせているのですが、体温が下がると免疫力が下がります。
それが体によくないのですね。
体が熱く燃えているかぎり、肺炎の心配はいらない。
ホッとしました。夏場のランニング中は燃えるように体が熱くなっています。そういうときは肺炎の心配はまるでいらないのです。
むしろ登山などで雨に打たれて歩き続けるときは要注意です。登山ではランニング中ほど体が熱をもっていませんし、登山の疲労と、雨の低体温でダブルパンチを食らうと、肺炎の危険性が増します。
こういう場合は、体を濡らさないようにレインウェアで覆ってしまいましょう。体温さえ逃がさなければサウナスーツ効果で、体は冷えません。
顔に降りかかる雨を口から吸いこむことを気にしていましたが、それが原因で肺炎になることはないようです。
身体が熱く燃えている限り、肺炎を心配することはありません。