どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?
「名古屋万博」は正式名称ではなかった
2005年には名古屋で万博がありました。日本国際博覧会。「愛知万博」とか「愛・地球博」とか呼ばれている万博です。もちろんアイチ県にかけてのネーミングです。
ちなみに私は名古屋の生まれ。生まれてこのかた「出身地は?」と聞かれ「愛知県です」と言ったことは一度もありません。「名古屋」と答えます。
愛知県人だと言われても、なんだかピンときません。名古屋人だという気がします。
こういう人はすくなくないのでは? たとえば「横浜生まれ」の人は「神奈川県出身です」とは言わない気がします。
ですから「愛知万博」も「名古屋万博」とずっと呼んでおりました。当時、この言葉で通用しなかったことは一度もありません。しかし「名古屋万博」というのは正式名称ではないようです。したがってこの稿では「愛知万博」と呼ぶことにします。
またリニアモーターカー登場。まだこんなレベルなのかとガッカリ
祖父母の実家からリニアモーターカー「リニモ」でわずかの距離。「愛知万博」は本当に近かった。祖父母の家に泊めてもらい何日も通いました。
羽田モノレールのような、ちょっと残念な「リニモ」。幼い頃に、未来の夢の列車と謳われていたリニアモーターカーはまだこんなレベルなのか、とガッカリしたことを覚えています。
大阪万博の目玉が「月の石」であったように、愛知万博の目玉は「ユカギル・マンモス」でした。永久凍土に氷漬けされていた絶滅したマンモスの牙や肉、体毛や目玉などを見ることができたのです。
映画『ジュラシック・パーク』のように、将来、この肉片からマンモスを復活させることができたらすてきですよね。すくなくとも「琥珀に閉じ込められた蚊に吸われた恐竜の血」を探さなくてもいいわけですから。目の前に凍った肉片があるわけですから。
もっとも復活させたマンモスが「ただの毛深いゾウ」だったら、そんなに感動しないかもしれません。巨大な動物でなければ大金をかけて復活させる意味はないと思います。この地球の主は人類だけだと思ったら大間違いだと思い知らせてくれるような畏怖の存在でないと、復活させる意味はないでしょう。だってそれくらいでないと動物園で見世物にしてお金を取れないでしょう?
マンモスというのはでかいやつはアジアゾウの2倍ほどもありますが、そうでない種もいるようです。残念ながら「ユカギル・マンモス」はそんなに大きな種ではないようです。
ワシントンの「スミソニアン国立自然史博物館」にある「アフリカゾウ」は剥製になるぐらいですから特に巨大な個体だったのでしょうが、文字通りマンモス・サイズでした。あんなにでかいアフリカ象がいるのなら、別にマンモスが復活しなくてもいいかなあ。
やっぱり復活させるなら「暴君竜ディラノサウルス・レックス」でしょう。あ、でも復活した暴君の顔が鳥さんだったらちょっとがっかりするなあ。やっぱり爬虫類の容姿であってほしいですね。
未来の万博よ、期待してるぜ。次は生きている恐竜の展示を頼むよ!
万博に行けば何らかの「人生初体験」ができた
愛知万博で一番人気だったのは地元トヨタのパビリオンですが、並んでいる人が多すぎて、私は一度も見ていません。なんでもロボットが楽器を演奏したらしいです。
万博ではやはり「乗り物」ライド系が人気です。つくば万博もそうでしたが、諸外国館よりも企業館の人気の方が高かったです。
私は並ぶのが嫌いなので、人気の企業館よりも、世界の国々のパビリオンをひたすら駆け回って見ていました。グローバル・ループという空中の回廊を通って移動したのですが、夏の暑い日にはところどころに霧状のシャワーを噴射する機器があって涼しかったのを覚えています。太陽がまぶしく、霧が涼しかったなあ。
オーストラリア館では、人生初体験のワニ肉のハンバーガーを食べました。
ヨルダン館では「死海の水」というのを展示しておりました。わざわざ死海の水をヨルダンから運んできたそうです。パビリオンの展示のライティングがすばらしく幻想的でした。別料金で死海の水に浮かぶ体験ができたらしいです。水道水に塩を大量にぶち込んでも浮かぶだろうに、と当時は思っていましたが、ヨルダン人は「死海の水」というところに万博で展示するほどの価値があると思ったんでしょうね。この水はやがてヨルダン川となって、洗礼者ヨハネがイエス・キリストを洗礼したのは「この水」です。後年、私は実際にヨルダンの死海に行きましたが、「愛・地球博」のヨルダンパビリオンの幻想的な展示が脳裏に無かったといえば嘘になります。愛知万博では体験できなかった死海浮遊をもちろん体験してきました。
夜は噴水に映像を映すショーがありました。水に映像を映すという試みを見たのは、愛知万博が初めてでした。これも人生初体験です。
まだこの頃は、万博に行けばなんかしらの「人生初体験」ができる時代でした。
かつては万博こそ、時代の最先端を発表する場所でした。万博こそ、国の文化を情報発信する場だったのです。
昔だったら、i-phoneのようなものは万博の場で発表されていたイノベーションだったと思います。しかし今は数年に一度の万博の開催なんて待っていたら、他の企業に先を越されてしまいます。
技術は日進月歩になりました。それに拍車をかけたのはインターネットですが、民族文化も「情報発信」するだけだったら、インターネットで十分です。
インターネットでできないのは「体験」です。だから万博の出し物もできるだけ「展示」ではなく「体験」にシフトすべきです。
しかし現実には難しいようです。全員に何かを体験させるにはあまりにも来場者が多すぎます。
万博をずっと続けることはできないのか
愛知万博には全期間入場券(年間パスポート)があり、愛知県人をはじめとする東海地方のリピーターがすごく多かったとか。
全期間入場券こそ買わなかったものの、たぶん、私もその中の一人です。関東在住ですが、名古屋人ですから。
あの頃、名古屋の万博は、東京のディズニーランドよりも、大阪のユニバーサルスタジオよりも、ずっと面白かった。
世界旅行が、お手軽価格で楽しめました。
しかし残念なことに、東京や大阪のパークは今でも続いているのに、名古屋のお祭りだけが終わってしまいました。
万博ですが、半年ほどの期間経過後に取り潰さなければいけないものなのでしょうか。
あれだけ来客があれば事業として成立しそうなものですが、採算が取れないのかな。
世界各国のパビリオンでは、その国の人が案内役をつとめています。ミラノ万博の日本館では日本人がホスト役をしているという意味です。その人たちの人件費は、各国が支出しているのかもしれません。
ホストがあってこその万博ですから、そこが難しいのかしら??
しかし東京ディズニーランドも、当初は期間限定で開場する予定だったと聞いたことがあります。ものすごく採算が取れたから延長することになったのだと聞きました。
万博もずっと続けられたらいいのに。万博という仕組みから離れて、民営化できたらいいのに、と思うのです。あんな面白いものを、なくしてしまうなんてもったいない。
どこかの民間レジャー会社に安く払い下げるとか、できないものでしょうか。
本物の万博はディズニーワールドのエプコットよりも面白い
アメリカ・フロリダのディズニーワールドを知っていますか?
フロリダのディズニーワールドには、4つのディズニーパーク、2つのディズニーウォーターパークがある世界最大のテーマパークです。
日本にはディズニーランドとディズニーシーの2つのパークがありますから、まあ単純に舞浜の3倍遊べると思ってください。
その中にエプコットというテーマパークがあります。エプコットは年中やっている民営の万博のようなテーマパークです。ワールド・ショーケースという「世界旅行を簡単にしちゃいましょう」というコーナーには世界各国のパビリオンが立ち並び、日本館もあって五重塔があります。三越百貨店がショップとして入っています。私が行ったときにはふんどし男(もちろん日本人)が太鼓を打ち鳴らして拍手喝さいを浴びておりました。
さすが世界のディズニーワールドですね!
しかし、しかし、です。本物の万博は「エプコット」よりもずっと面白いです。だからこそ常設の万博が日本でもできないのかな、と思うのです。
名古屋なら、やれたんじゃないのかな。
本当に、楽しかった思い出です。名古屋万博、最高でした。
ばんぱくばんざい。ばんぱくばんざい。じんるいのしんぽとちょうわ。
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