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【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者アリクラハルトの旅する人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

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上海万博でいちばん感動したのはデンマークの人魚姫像でした。背景の海の大きさに比べてあまりにも小さく、世界三大ガッカリ名所のひとつに数えられているのですが、上海万博での人魚姫の像はすばらしかったです。

ぐるっと取り囲む群衆の真ん中にいる人魚はコンサート会場の歌手みたいで、スター感がハンパなかったです。

ライティングとか、背景とかで、同じものでも全然違ってくるのだなあ。芸能人のオーラとよばれるものも、おそらく『上海万博の人魚姫効果』なのだろうと思います。

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東洋の魔都・上海

どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?

私にとって生涯三度目の万博は中国上海における上海万国博覧会でした。

上海はかつて東洋の魔都と呼ばれた国際都市でした。

日本人のみなさんは、かつて日本が世界第二位のGDPを誇っていたイメージをいまだに引きずり、中国を日本よりも遅れた国だと考えている人が多いように感じます。

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世界の戦国時代。第二次世界大戦は人種間の決闘

異人種が武力で決戦するという『世界の戦国時代』に、残念ながら中国は黄色人種を代表して戦うことができませんでした。それをやったのは知っての通り日本です。そのイメージが決定的な影響をあたえているのでしょう。日本の方が中国よりも上というイメージを持ち続けている人が多いように感じます。

あの戦国時代に中国が東洋を代表できなかったのは、とても残念なことでした。しかしもう終わったことです。

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中国は東洋一の大国

今ではまた中国は東洋一の大国です。これはもう間違いありません。数字や理屈よりも、行ってみれば肌でわかります。みなさんにはぜひ中国旅行に行っていただきたいと思います。

この地球の歴史の中で、常に中国は日本よりも先進国でした。漢字に代表されるように、文化的には父親のようなものです。

その中国で万博が開催されるというので、万博ファンの私は飛んでいくことにしました。上海なんて飛行機に乗ってしまえば地方都市に出張するのと変わりません。とても近いし、町中には漢字があふれていますし、人民は私たちと何も変わりません。

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日本人が中国を旅するときの安心感

日本人が上海(中国)を旅する場合、たとえばカサブランカの空港から、私がたったひとりで出国した時の「心細さ」のようなものは一切感じずにすみます。

東洋人はひとりぼっちで、周囲はみんなアラブ人で、女性はテロリストみたいな全身真っ黒服だし、言葉は一切通じないし、何もかもできないことだらけでこれからどうすりゃいいのか…といった心臓が締め付けられるような不安に襲われるようなことはありません。

第一、黙っていれば、完全に人民に同化してしまいます。中国人もユニクロ着てますよ。

中国には、砂漠もあれば、雪山もある。水墨画の風景もあるし、歴史の遺産もあります。日本人はあまり行きませんが、中国を観光地として外してしまうのは非常にもったいないと思っています。

浦東国際空港からリニアモーターカーに乗ります。

つくば万博愛知万博と万博のたびに縁があったリニアモーターカーですが、おもちゃのようなリニアばかりでした。しかしとうとう本物です。

あの少年の頃、未来の列車と紹介されていた本物のリニアモーターカー、凄いスピードです、まるで水平のジェットコースター。やっと乗ることができました。

万博そのものではありませんが、これも万博効果だと考えましょう。

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万博に行けば、何かしら人生初体験をすることができる

ばんぱくばんざい。ばんぱくばんざい。じんるいのしんぽとちょうわ。

万博に行けば、何かしら人生初体験をすることができるのです。

上海万博は、中国人の圧倒的な人数に驚かされました。

「人、多いな!」と感じる世界第二人口のインドにくらべて、世界第一人口の中国は普段それほど「人大杉(人、多すぎ!)」と感じることはないのですが、年末年始と万国博覧会だけは違います。こんなに人がいたのか、という人波です。

どのパビリオンも凄い人が並んでいます。

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人生初体験の長蛇の列

一番人気だったのは、サウジアラビア館でした。3D映像が目玉だといいます。

私は、他のすべてを捨ててでもサウジアラビア館だけは見ようと固い決意で列に並びます。

しかし列の最後尾がわかりません。列の最後尾をさがして歩いているうちに、固い決意は揺らぎ始め、やがて砕け散りました。

これはもう無理!

7~8時間待つとの情報をスタッフからもらい、完全に諦めました。

絶対に見ようという固い決意を簡単に打ち砕いてしまう行列でした。あんなものすごい行列を見たことがありません。

『万博に行けば、何か人生初体験ができる』というのが、万博フェチとしての私のスローガンなのですが、ある意味で人生で初体験の(最悪の)行列でした。

東京ディズニーランドの行列どころじゃありません。最後尾を探すだけで疲れちゃうんですから。。。

同じ理由で中国館も見ていません。こちらもすごい行列でした。

みなさんは何時間行列に並べますか? 私は3時間が限界です。それ以上並ぶぐらいなら見なくてもいいです。

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女の子が目の前でウンコ

中国の人たちは行列覚悟で、列の途中で食べ歩きしていました。何故かでかいミカンのようなものを食べている人が多かったです。

でも列の途中でプップッと「種飛ばし」するのはやめてほしい。列の途中はゴミだらけでした。

行列の途中で女の子がウンコを我慢できなくなって、電灯柱の陰でプリプリとやっていました。いやいや丸見えだし!

そういうところはイメージ通りの昔ながらの「中国」でした。

いやいやいいんです。おとなしい行列なんてこっちは期待していませんから。それじゃあ日本と変わらない。せっかく「海外旅行」に来ているんですから。

私は、いつものように人の少ないアフリカ館とか、世界各国のパビリオンをめぐります。三度目の万博も同じでした。

スペイン人が踊る本物のフラメンコを見たのも、人生初体験でした。

 

また上海万博には台湾館が出展していました。「台湾は中国の一部」を主張している国がよくまあ出展を認めたものだと思いましたが、裏の要綱では「福建省」レベルの地方のパビリオン扱いだったのかな? その辺はよくわかりませんが、中華人民からは大絶賛、大人気でした。

この時はやはり行列に挫折して見られなかった台湾館ですが、後年、台湾新竹に移設されたものを見ることができました。

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ホットコーヒーは知っているが、ウォームコーヒーは人生初体験だ

途中でコーヒーが飲みたくなって、お店に入ります。注文すると「Not hot. Warm,OK?」と英語で言われました。

ウォーム? あたたかい??

ホット・コーヒーはこれまでいくらでも飲んでいますが、ウォーム・コーヒーというのは人生初めてです。

カフェインがとりたかったので、とにかく注文します。

人生初体験のウォーム・コーヒーのお味は…まずい(笑)。

なんだこの準備不足は! ちゃんとあたためておけよ! ゴルァ!

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いちばん感動したのはデンマークの人魚姫像。本物です!

上海滞在中、毎日、万博に通いましたが、人気のパビリオンは連日すごい行列です。

印象深いのは「デンマーク館」です。コペンハーゲンの人魚姫の像(本物)を持ってきて展示していました。コペンハーゲンにお住まい(?)の時の人魚姫の像は、背景の海の大きさに比べてあまりにも小さく、世界三大ガッカリ名所のひとつに数えられているのですが、いや上海万博での人魚姫の像はすばらしかったです。

人魚姫のまわりを螺旋状のスロープをまわりながら鑑賞するのですが、ぐるっと取り囲む群衆の真ん中にいる人魚はコンサート会場の歌手みたいで、スター感がハンパなかったです。

ライティングとか、背景とかで、同じものでも全然違ってくるのだなあ。

そう感じました。芸能人のオーラとよばれるものも、おそらく『上海万博の人魚姫効果』なのだろうと思います。

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日本人なら、必ず「日本館」に行くべき

いよいよ明日帰国という最終日。閉園時間間際のことです。どのテーマパークも閉園時間間際になると行列が減ってくるのは世界共通です。2時間ぐらいで、超人気パビリオンの「日本館」か「韓国館」に入れそうだということがわかりました。

同伴者のイロハは「最後に韓国館に行こう」と言います。

私たちは、海外旅行中に日本料理を食べるタイプではありません。むしろ地元料理を積極的に食べて、日本食には見向きもしません。

だから「日本から来て万博で日本館を見る」というのは選択肢から外れて当然、というのが暗黙の了解事項だったと思います。

しかし私はどうも日本館が気になりました。しかし万博フェチでもないイロハを無理やり付き合わせていますので、彼女の意向を尊重して、韓国館にならぶことにしました。

急に雨が降り始めました。傘がなかった私たちは万能布クローマーを傘の代わりに頭上に広げます。しかし全然雨をよける効果はありませんでした。クローマーも万能ではないと痛感しながら冷たい雨に打たれます。

韓国館は、いかにも「外国人がイメージする韓国。その過去と未来」という展示で、面白いものではありませんでした。知らない人が見れば面白いのかもしれませんが、韓国のことはよく知っています。

どうせなら母国のパビリオンを見るべきだったかな、と今は思っています。

日本をどう見せたいのか。どう見てほしいのか。何を売り込みたいのか。万博というのは開催国に対する(この場合、中国に対する)日本のメッセージと言ってもいいでしょう。

それは「普段の日本」ではない「売り込みたい何か」です。

懐石料理なんて(私にとって)一年に一回も食べない料理ですがそれを売り込みたいのか。それとも「豚骨ラーメンや広島風お好み焼きの方が懐石料理よりもずっと美味い」と国として真正面から主張するのか。

そういう視点で見れば、母国のパビリオンであっても、何かメッセージを感じることができて、面白いと思います。

万博日本館は常に人気のパビリオンですが、もし見ることができるなら、日本人として見ておくべきだと思います。

フロリダのディズニーワールドにつづいて、「テーマパークしか行かない。他は何も見てない」贅沢な海外旅行の第二弾目でした。

行ってよかった万国博覧会。さて次はどこの万博に行けるでしょうか。

この短い人生で、あと何回万博に行けるかな?

サハラ砂漠で大ジャンプする著者
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このブログ著者の小説『結婚』
小説『結婚』
愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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このブログの著者の小説『片翼の翼』
小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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【この記事を書いている人】

アリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。

【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。 市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。 また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。 そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。 その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。 登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。
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