左右チンバ練習
私は市民ランナーです。長年走り続けてきました。生涯走行距離は千日回峰行者を軽く超えています。
そんな私がマラソンレース本番に挑む決戦用シューズを選ぶときにはいつも第一候補のランニングシューズと第二候補のランニングシューズを左右別々に履いて、どちらが足にジャストフィットするか試したものでした。これを左右チンバ練習と言います。
「ちんば」というのは「ものごとの両方がちゃんと揃っていないこと」を意味する方言です。千葉県出身のうちの妻は「そんな言葉知らない」と言っていました。
※雑誌『ランナーズ』のライターにして、市民ランナーの三冠王グランドスラムの達成者の筆者が走魂を込めた書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。
言葉の力で速く走れるようになる、というのが本書の特徴です。走っている時の入力ワードを変えるだけで速く走れるようになります。言葉のイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く効率的に走ることができるようになります。踵着地とフォアフット着地、ピッチ走法とストライド走法、どちらが正解か? 本書では明確に答えています。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
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メキシコ国立人類学博物館の「左右ちんば仮面」
私がメキシコ国立人類学博物館に行った時のこと、下の写真のような「左右ちんば仮面」を見て驚きました。
左右チンバです。
ありゃ、チンバだ。
これらのチンバ仮面を見て、日本の岡本太郎さんの
太陽の塔や、
石ノ森章太郎さんの『人造人間キカイダー』を思い出しました。
後に岡本太郎さんはメキシコにわたりメキシコの古い彫刻を見て「けしからん。おれのマネするな」とギャグを飛ばしたそうです。
左右チンバ顔はカタワで無気味
左右チンバの顔はカタワみたいで無気味なものがあります。
そういえば川崎のぼる『巨人の星』の星飛雄馬もよくチンバ顔をしていました。とくに後半の目が燃えている顔など特に。マンガ版で確認してみてください。片方は怒っていて、片方は哀しい顔をしているチンバ顔を多用されています。
こう見てくると「チンバ顔」には伝統というか、需要があるようですね。
世界的にもっとも有名なのはパブロ・ピカソではないでしょうか。
ピカソの手法をキュビズムといいます。
左右チンバ顔、それはピカソでも岡本太郎さんでも石ノ森章太郎さんでも川崎のぼるさんでもなくてメキシコの方がはるかに古いルーツを持っていたのです。
動物と人間が合体した「ニケ」とかケンタウロスのような合体系も人間のデザインのひとつの伝統芸ですが、左右チンバ顔というのも人間のデザインのひとつの伝統芸であるようです。